2018年11月16日 公開

今日から使える!『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』とは?

「早く早く!」「ちゃんとして!」「勉強しなさい!」どんな親も使ってしまいがちなこれらの言葉は、実は子どもの自尊心を傷つけてしまう「呪いの言葉」かもしれません。書籍『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』から、ポジティブな声かけの方法を学びましょう。

自己肯定感の低い日本の子どもたち

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UV70 / Shutterstock.com
日本の子どもは、海外の子どもに比べて自己肯定感が低いとよくいわれます。

『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』の著者で、30年以上学習塾やセミナーなどで教育現場にたずさわってきた石田勝紀さんは、その原因の1つが「テストによる成績の順位付け」だと指摘しています。
子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば | 石田 勝紀 |本 | 通販 | Amazon (120765)

タイトル:子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば
  著者:石田 勝紀
 出版社:集英社
 
日本では小学校の高学年ごろから、入塾テストや模擬テストなどでふるいにかけられる機会が増え、中学校では定期考査がはじまり、受験時には偏差値が提示され、数値で明確に順位付けが行われます。

その結果、子どもたちは「学力=自分の価値」という錯覚に陥りやすくなっているのです。

そして日本人の多くは、「できること」よりも「できないこと」に注目しがちです。子どもが国語で満点を、算数で50点を採ってくると、つい算数の悪い成績ばかりに目がいって、子どもを責めてしまう親も少なくありません。

日本の子どもたちは、「勉強ができない自分はダメな人間だ」と傷つき、自信とやる気を失いやすい状態にあるといえるでしょう。

「自己肯定感」と「学力」は密接に関係している

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Creativa Images / Shutterstock.com
本書の中で、著者の石田さんは「自己肯定感と学力は密接に関係している」と指摘しています。
自己肯定感を上げれば学力も上がる。
学力が上がれば自己肯定感も上がる。
via 子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば P35
運動や芸術などに突出した才能を持っている子はともかく、大多数はそうではない「普通の子ども」です。そんな「普通の子ども」の自己肯定感を上げるには、自己を肯定できるだけの学力を身につけてもらう必要があります。

学力を上げるには、子どもの心の上向きにし、学ぶことを求めるエネルギーが出やすい状態に整えてあげることが大切です。そのためには、子どもたちの自己肯定感を損なうような「呪いの言葉」を止め、代わりに自己肯定感を育てる「魔法のことば」を使うべきだと、石田さんは伝えています。

つい使ってしまう3つの「呪いの言葉」

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Mason Vranish / Shutterstock.com
「早くしなさい」
「ちゃんとしなさい」
「勉強しなさい」
どのご家庭でも、この3つの言葉は頻繁に使われているのではないでしょうか。3歳と8歳の子どもがいる筆者も、もはや口癖になっているほどになじみのあるフレーズです。

しかし本書では、これらの言葉は「子どもの自己肯定感を破壊する呪いの言葉」だとして、なるべく使わないことを推奨しています。

3つの言葉は、どれも子どもに対する「〇〇しなさい」という命令です。命令は、子どもの自主性を失わせ、「言われないとできないダメな子だ」というメッセージを伝えてしまいます。

子どもを直接的に傷つける言葉ではないからこそ、つい便利に使ってしまいがちですが、考えてみれば、これらの言葉を使うとき筆者の心の中には、「どうしてこの子は私の理想どおりに動いてくれないの」といういらだちがあるように思います。

子どもは敏感に親のいらだちを感じとり、自尊心を傷つけられていたのでしょう。

「呪いの言葉」は「魔法のことば」で上書き保存!

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George Rudy / Shutterstock.com
すっかり習慣化してしまった「呪いの言葉」を使わないようにするには、どうすれば良いのでしょうか。

この本の中では、
・プラスワードである「魔法のことば」をたくさん使うように意識して、「呪いの言葉」を使う機会を減らす
・「魔法のことば」で、うっかり使ってしまった「呪いの言葉」は上書き保存する
ことをすすめています。

紹介されている「魔法のことば」は、ごく一般的に使われている言葉がほとんどです。不自然な褒め方にならない程度に、さりげなく日常会話に盛り込むことができるので、反発しやすい年齢の子どもにも受け入れやすくなっています。

「魔法のことば」ってどんな言葉?

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Creativa Images / Shutterstock.com
本書では、次の10の言葉を「子どもの自己肯定感を高める魔法のことば」としています。
1. すごいね
2. さすがだね
3. いいね
4. ありがとう
5. うれしい
6. 助かった
7. なるほど
8. 知らなかった
9. だいじょうぶ
10. らしくないね
特別な名言というわけではないため、「普段から使っている」という方も多いかもしれませんが、使い方にはいくつかコツがあります。

たとえば、「すごいね」「さすがだね」は、勉強に関しては使うべきではないと石田さんは語っています。

テストで100点を採った子どもに「すごいね!」と声をかけて褒めるのは簡単ですが、そうすると次に子どもが70点を採ったときに、同じように声をかけるのが難しくなります。

また「さすがだね!」と言われた子どもは、その場ではうれしく感じるはずですが、「次回も親に『すごいね』『さすがだね』と言われるような点数を採らなければならない」というプレッシャーを感じることにもなります。

勉強に関しては「いいね」という「魔法のことば」を使い、褒めるのではなく、努力を認めてあげることが大切だとしています。

筆者は、最後の「らしくないね」という言葉にはっとしました。

子どもが悪いことをしたときは、つい「どうしてこんなことをしたの!」と責める言葉を投げかけてしまい、子どもが口をつぐんでしまうことが多かったのです。

そこで子どもに、「あなたらしくないことをしているね。どうしたのかな」と声をかけるようにしたところ、きちんと自分がなぜそういう行動をしたのか、理由を話してくれるようになりました。

「らしくないね」という言葉には、「あなたが本当は優しい子だって知っているよ。でも今のあなたはいつもと違うね」という受容のメッセージが含まれています。子どもの自己肯定感を傷つけずに、子どもの行為をいさめることができる、すてきな言葉です。

本書の中では、これらの「魔法のことば」の使い方のコツがていねいに解説されていますよ。

親の言葉が変われば子どもも変わる

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Mark Nazh / Shutterstock.com
筆者の長女は、あるとき「私なんか」「自分はダメな子だから」といったネガティブな発言が増えたことがありました。

自己主張が激しくなった長女に手を焼き、「ダメでしょ!」「いいかげんにしなさい!」と、1日1回は怒っていたような時期でした。

慌てて日々の声かけを見直し、なるべく長女の自己肯定感が損なわれることのないよう、小さなことを褒めたり、努力を認めたりする言葉を選ぶように心がけました。

少しずつですが変化は確実に起き、1年がたつころには、長女は「自分はできる子だもんね!」と笑ってくれるようになったのです。

親の言葉が子どもに与える影響は、本当に大きいものです。「影響力の大きさはわかっているけれど、どんな言葉を使えばいいかわからない」というパパ・ママに、本書が示している短くシンプルな「魔法のことば」は、大切な指針になってくれるのではないでしょうか。

本書で教わった実践的な10の「魔法のことば」をたくさん使って、筆者も子どもの自己肯定感をより高めていきたいと考えています。
この記事は執筆時点のものですので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

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青海 光 青海 光  都内在住、二児の母。大学卒業後、子育てをしながらIT企業でフ ルタイム勤務をしていましたが、夫の海外赴任に伴い退職。カオスなインドで3年ほど暮らしました。帰国後はライターとして 、育児やライフスタイルに関する記事を中心に執筆しています。楽しく・読みやすく・有益な情報をお届けします!