2018年10月22日 公開

アクティブラーニングとは?これから子どもの教育はどうなるの?

最近アクティブラーニングという言葉をよく耳にします。「でもアクティブラーニングとは何?」と思っている方もいるのではないでしょうか。そこでここでは、アクティブラーニングが求められる背景とその目的などについて詳しくご紹介します。

アクティブラーニングとは何?

最近よく耳にする「アクティブラーニング」という言葉。2014年末「中教審への諮問」が公表されたことにより、注目されるようになりました。この諮問文の中で「アクティブラーニング」という言葉が4回も登場したためです。

そもそもアクティブラーニングとはどのようなものなのでしょうか?アクティブラーニングの定義をまとめると、以下のようになります。

・教師の一方的な講義のみの授業ではない
・生徒の能動的な活動を取り入れた授業である
・体験学習や問題解決学習、グループディスカッションなど多様な学習形態がある
・汎用的能力(倫理的・社会的能力や経験、知識などさまざまな能力)を高めることを目的とする

つまり子どもの能力をより高めるため、教師の一方的な授業ではなく生徒主体の授業形態を意識するということです。

アクティブラーニングが注目される背景

中教審は平成28年に出された答申「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の 学習指導要領等の改善及び必要な方策等について」内で、社会のグローバル化などによる急速な時代の変化にふれています。それにともない、教育も変化をしていく必要があると述べているのです。

これまでの日本の教育は、ゆとり教育の反省から知識を得ることを重視されてきました。それにより、学力向上など一定の成果はあらわれています。一方で論理的思考の低下、学ぶ意欲の低下など、新たな問題が表出しました。これでは時代の変化に対応できる人材を育てることは難しいでしょう。

そこで知識を得るだけでなく、得た知識を活用し、課題を解決する力を身につけることが重要視されるように。この力を身につけるために、アクティブラーニングが有効なのではと考えられています。

そもそもアクティブラーニングは大学教育の充実のため、必要性が叫ばれてきたものでした。これにともない、高校や小中学校でもアクティブラーニングの必要性が考えられるようになったのです。

アクティブラーニングの目的は?

新学習指導要領において、じつはアクティブラーニングという言葉は使われていません。これはアクティブラーニングという用語を出すことにより、方法論ばかりが追及されることを避けるためでしょう。

新学習指導要領では、アクティブラーニングを「主体的・対話的で深い学び」という言葉でいいかえています。「アクティブラーニング」という言葉を出すことで誤解されないよう、より分かりやすい言葉に置き換えたのです。

「主体的・対話的で深い学び」を取り入れる目的として、文科省の資料には以下のようにあります。

・子どもが生涯学び続ける力をはぐくむこと
・学習内容をより定着させること
・学習内容をより深く理解し、問題解決能力を身につけること

アクティブラーニングではどんな授業をするの?

筆者の娘が通っていた高校では、実際にアクティブラーニングが取り入れられていました。娘の高校の授業を例に、アクティブラーニング的授業の内容や、筆者が感じたメリットをご紹介します。

授業の内容は?

最も気になるのが授業の内容ではないでしょうか。アクティブラーニングの学習形態は多岐にわたり、「これ」といった決まりはありません。娘の高校での特徴的な取り組みを、いくつかまとめました。

・課題探求学習
自由に探求したい課題を探し、個人またはグループで課題について研究します。探求のルールは「科学的に証明すること」。それさえ守ればどんな課題を選択しても構いません。2年かけて実験と考察を繰り返し、最終的に英語と日本語の両方でプレゼンします。

学んだことを活かし課題を解決する能力や、協力して問題を解決する能力をはぐくむ目的がありました。

・プレゼンテーション
1年生の間、課題探求学習で必要となるプレゼンテーション能力を身につけます。パソコンで資料を作る方法、ディスカッションのやり方などを学びました。この授業により、コミュニケーション能力や討論の技術、プレゼンテーション能力が身につくと考えられるでしょう。

・英語
英語の授業は一クラス20数名の少人数で行われます。英語で文章を書くことや、会話に重点が置かれていました。英語の知識だけではなく、活用する力を身につけることを重視しています。

・先端科学特論
実際に大学や企業に出向き、体験を通して学びます。自分の興味のある分野のものを選ぶことができ、これにより自分の学びが社会にどのように活かされるのかを実感できるでしょう。

メリット

アクティブラーニングを経験してみて感じたメリットは以下のようなものです。

・グループでの活動や話し合い、自分の意見を述べることが上手になる
娘は大学をAO入試で受験しましたが、その際プレゼンテーション能力をかなり高く評価してもらえたようです。

・大学での学びに活かされる
大学では、これまでの知識を活用できるかどうかが問われます。アクティブラーニングで学んできたおかげで、すぐに大学の授業に対応できたようです。実際に高校の卒業生のなかには、大学の研究で高い成果を上げている方がたくさんいます。

・学ぶ目的が実感でき、勉強が楽しくなった
能動的な活動が多いせいか、学ぶことが楽しくなったと話していました。受験のための勉強ではなく、楽しいから勉強するというように意識が変化したようです。

アクティブラーニングの目標とされていることは、筆者の娘に関してはほぼ達成されていると感じました。

アクティブラーニングを幼児教育で活用するには?

幼児教育は、もともと子どもたちの能動的な活動で構成されているもの。そのため、それほど大きな変化はないだろうと考えられます。

ただ、新学習指導要領の中で幼児教育の重要性に触れられていることから、より一層子ども主体の指導がなされていくはずです。長い目で子どもの成長を考え、一つひとつの指導の目的をよりはっきりさせて丁寧に行うことが求められるでしょう。

幼児期にしか体験できないことを通し、自ら問題を解決したり学んだりする機会を多く設けることが必要ではないでしょうか。

考える力を促すかかわりを

今、日本の教育は転換期にあるといえます。パパママが考えるような従来の勉強のやり方は、今後は通用しないかもしれません。

今まで以上に子どもが主体的に行動することや、自分で考えることが求められる時代。おうちでも、お子さまの自主性や考える力を促すかかわりを意識してみてはいかがでしょうか。
この記事は執筆時点のものですので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

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WRITER

rinoyuzu rinoyuzu  はじめましてrinoyuzuです。高校生の娘と息子がいます。以前は教員をしていました。これまでの経験を活かしながら、記事を書いていきたいです。みなさまのお役に立てるとうれしいです。