2019年2月25日 公開

不読率を減らすには?小中高での読書の関わり方と課題

子どもの不読率を減らすにはどうしたら良いのでしょうか。2001年から文部科学省が進めてきた「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」と、今後の課題をお伝えします。子どもにとっての読書の意義を改めて理解し、読書習慣をつけるために家でできることを実践してみませんか。

不読率とは?子どもの読書離れが進んでいる?

NadyaEugene / Shutterstock.com

近年、インターネットなど情報メディアの発達、スマホの普及、SNSなどコミュニケーションツールの多様化により、大人の活字離れが問題視されています。子どもたちの読書離れも例外ではありません。

ただし、まだネットがそれほど普及していなかったにもかかわらず、約20年前から問題視されていたため、文部科学省は、2001年に「子どもの読書活動の推進に関する法律」を成立させ、さまざまな取り組みを行ってきました。そして、その活動が実を結び、小中学生の不読率はやや改善傾向となりましたが、高校生の不読率は依然として高いままとなっています。

ちなみに不読率とは1カ月に1冊も本を読まない子どもの割合のこと。文部科学省の調査によると、2017年度では小学生5.6%、中学生15.0%、高校生50.4%という結果です。

子どもの読書活動の意義

改めて、子どもが読書をする良さにはどんなことが挙げられるでしょうか。文部科学省は、子どもの読書活動の意義を次のように定義しています。
読書活動は、子どもが、言葉を学び、感性を磨き、表現力を高め、創造力を豊かなものにし、人生をより深く生きる力を身に付けていく上で欠くことのできないものである
読書は、子どもの現在および将来において、生活面や学習面などさまざまな方面で役立ち、読書の習慣づけはとても意義があります。家庭や学校だけでなく、社会全体で進めていくことが重要です。

段階別にみる子どもの読書

Tatiana Bobkova / Shutterstock.com

未就学児

就学前の0~6歳に、パパママなど周りの大人からの声かけや、子ども自身の言葉を聞いてもらうことにより、言葉を覚えていきます。そして、絵本などの読み聞かせを通して、本に興味を持ちはじめ、物語の世界を楽しむようになります。

小学生

小学校低学年になると、自分で本を読みはじめることが多くなり、音読の宿題が出されることもあります。その結果、語彙力が増え、文字で表された情景をイメージするようになります。

中学年では、一冊の本を読み通すことができる子どもと、そうでない子どもに分かれてきます。前者の子どもは、自分の考え方と比べながら読むこともでき、さらに多くの本を読みはじめます。

高学年では、好みの本を選ぶようになり、その傾向が強いと読書の幅が狭まる可能性があります。一方で、読書の幅が広がりはじめる子どもがいます。

中学生

本をたくさん読む傾向がなくなり、共感や感動を覚える本を選択するようになります。読書を将来に役立てたいと考えはじめるのがこの時期です。

高校生

読書の目的が確立し、正しく読むことができるレベルになります。自分の知的興味に応じて、より幅広く、多様な読書を行うことが増えます。

子どもの読書活動を推進するためのヒアリング調査

Gladskikh Tatiana / Shutterstock.com

文部科学省は、平成29年9月~10月に全国の幼稚園、小中高連合会、日本図書館協会など21団体に対し、子どもの読書活動を推進するためにヒアリング調査を行いました。多方面から寄せられた意見について、一部を抜粋してご紹介します。

子どもの読書習慣を形成するために必要なこと

・生活のあらゆる場面に本があり、手に取りやすい環境づくり

・読書の楽しさを知ってもらえるような働きかけ(読み聞かせ、おはなし会やブックトークなど)

・子どもと本をつなぐ人に対し、発達段階に応じた支援の仕方を学ぶ機会を提供

・学校で図書館の使い方を含めた、図書館について学ぶ時間や授業に対応した工夫

・図書館が児童館や子育て支援センターなどと連携して、養育者に働きかける

子どもが主体的・能動的に読書をするために必要な工夫

・大人が本に親しむ姿を見せる

・子どもの身近(生活圏内)に本がある環境づくり

・読書が好きな子どもから苦手な子どもへ取組みを広げる

・子どもたち自ら本の面白さ楽しさを他の人に伝える機会を増やす

・図書館資料を使った調べ学習の促進

・朝読書など、学校で読書に親しむ時間を定着させ、読書習慣を形成する

上記のように、さまざまな声が寄せられました。皆さんも日頃から本を読んでますか?子どもの手の届きやすい場所に本を置いていますか?本について、子どもと語り合っているでしょうか。

子どもが読書するかどうかの背景には、子ども自身の取り組みや姿勢だけはなく、親やその周りの大人たちの意識や心がけの影響が大きいという側面があるようです。

これを機に、パパママ自身も改めて読書の意義を考えてみてはいかがでしょうか。

第四次「子供の読書活動の推進に関する基本的な計画」とは?

Tomsickova Tatyana / Shutterstock.com

ヒアリング調査や、第三次計画までの結果と課題をもとに、第四次「子供の読書活動の推進に関する基本的な計画」が2018年4月20日に閣議決定されました。2018年度から約5年にわたって行われるもので、具体的な方策が明らかになっています。

大きなポイントとなるのは、「発達段階に応じた取り組みにより、読書習慣を形成」と「友人同士で行う活動等を通じ、読書への関心を高める」の二つです。これに基づいて、各分野における役割や取り組みが報告されています。

家庭における取り組み

子どもにとって最も身近な保護者が、積極的に読書活動の機会を増やし、習慣化するための役割を果たすことが求められています。

例えば、読み聞かせや図書館に出向くことはもちろん、定期的に読書の時間を設け、家族で感じたことなどを話し合い、子どもの関心や興味を引き出すことが必要です。

家族で同じ本を読み、絆を深めることは、家読(うちどく)と呼ばれ、こちらも推進されています。

そのためには、各方面からの支援が重要です。読み聞かせ会の開催や、乳幼児と保護者に絵本を手渡すブックスタートなどが挙げられています。

学校・幼稚園などにおける取り組み

幼稚園・保育所は、乳幼児が絵本や物語に親しむ機会を提供するために、安心して図書に触れることができるスペースの確保や、図書の整備が必要です。図書館などと協力しながら、発達の段階に応じた蔵書を選ぶことも重要ですね。

小学校以降は、子どもが生涯にわたって読書に親しみ、読書を楽しむ習慣を形成するために大きな役割を担う場所です。そのために、全校一斉の読書活動や子どもによる図書紹介など、読書の機会を確保し習慣を形成することや、学校図書館の整備や充実が求められています。

図書館における取り組み

図書館は、子どもにとって豊富な蔵書から読みたい本を選び、読書の楽しみを知ることができる場所です。保護者にとっても、読ませたい本を選び、読書について相談できる場所でもありますね。

図書館は、読み聞かせ会や展示会の実施や、インターネットなどを活用した情報提供が求められています。そのためには、図書館資料や施設のより一層の充実とともに、司書や司書補の適切な配置や研修の充実が必要となります。

まずは家庭でできることを

YanLev / Shutterstock.com

第四次基本計画における不読率の目標値(2022年度)は、小学生2.0%、中学生8.0%、高校生26.0%。現在の数値からみると、約半減となる目標値です。

そのためには、さらに、国・都道府県・市町村が学校・図書館・ 民間団体・民間企業などさまざまな機関と連携し、子どもの読書環境を充実させることが求められています。

また、この目標の達成に向けて、改めてそれぞれの役割をしっかり認識し、取り組む必要があるのではないでしょうか。まずは家庭でできることを意識してみると良さそうですね。

この記事は執筆時点のものですので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

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WRITER

Kayoko* Kayoko*  千葉県在住。9歳と6歳の男児を持つママライター。得意ジャンルは育児、料理、ディズニー、ときどきお酒。大学では心理学を専攻。ただいま、スムージーダイエットに奮闘中!