子育ての究極の目標が「子どもの自立」だとすると、幼稚園のお弁当はとてもよい教材だと思います。せっかくなら、食べることから準備、片づけまで、たくさんのことを経験させてはいかがでしょうか。楽しいから続けられる、毎日だから癖になる…お弁当を通した”成長”を考えます。
お弁当とは何か?分解して考えてみよう
1:メニューを決める
2:食材の買い物をする
3:料理をする
4:お弁当箱に詰める
5:ナプキンで包んでランチョンマットとお箸セットと一緒にバックに入れる
6:お弁当を食べる(ランチョンマットを広げる、バックにしまうまで)
7:帰宅後お弁当を片づける(お弁当箱を洗う、ランチョンマット等は洗濯かごへ)
こんなにたくさんの項目があるのです!では、この7つのうち、どれを大人が担当し、どれを子どもがやるのでしょうか?
わが家では、6の「食べる」以外は全部パパママ担当からのスタートでしたが、卒園間近の今では、ほとんどの項目が息子1人で、もしくは親子の共同作業となっています。ときには失敗した経験なども交えながら、各項目の導入方法を紹介します。
最初は無事に帰ってくるだけで、花丸をあげよう!
わが家でも、荷物は大人が全部用意して時間ギリギリに飛び込むような登園がしばらく続き、帰宅後の通園バックには、ぐちゃぐちゃなままのお弁当箱やナプキンが(それも、かなり長い間続きました…)。ですが、最初は見ないふり!「おかえり!」のハグで息子を迎えました。
幼稚園に慣れてきたら「お弁当準備デビュー」
ここで「お弁当の準備って楽しい~」と思わせればパパママの勝ち(笑)。わが家ではその後、一緒にお弁当を包んだり、ふりかけをかけるのを担当してもらったりすることから、お手伝いを開始しました。
子どもがやると、ふりかけは飛び散るわ、お弁当を包むのも時間がかかるわ…ですが、1日1個でも、少しでもかかわってくれたらOKと大きな気持ちでいました。実際、息子がお弁当箱を自分で包んで入れられるようになったのは、年長の夏前のことです。
お手伝いのポイントは、気長に&一緒に!
「ご飯は、最初に入れて冷ますんだよ」「カバンには、重いものから順番にしまおうね」などとおしゃべりしながら、コツを伝授するのもよいでしょう。楽しそうにやっていれば、「自分もやりたい!」となるのが子どもの習性です。
いつまで経っても全然やらない!という場合でも、目と耳で段取りを学んでいる時期だと割り切ってはいかがでしょうか。経験上、子どもはある日突然できるようになったり、やる気スイッチが入るものだと実感しています。
得意分野を伸ばそう!
例えば、お片付けは全然しなくても、準備には積極的に取り組めるなら、準備の時間をとことん極めましょう。整理整頓が好きなら収納のルールを一緒に決めたり、洗濯物もお弁当グッズだけは子どもがしまうようにするのはいかがでしょうか。
家事のお手伝いをさせるのは何かと大変ですが、「お弁当関連だけ」と限定してみるのも良いです。子どもも達成感があり、やる気にもなれるのではないでしょうか。筆者も、最初は水遊びにしか見えないような子どもの弁当箱の洗い方も、量が少ないため、イライラせずに見守れました。
大人は、成長を促す環境を作りを意識して
やろうと思っても、ちょっとしたことで、やる気スイッチがOFFになってはもったいないですよね。
同じように、食が細いなら、少な目のお弁当や一口サイズを心がける。準備片付けがしやすいように、お弁当やお箸、袋物はまとめて子どもの手の届く場所に収納する。洗い物をしたいと思えるようにキッチンには台を置く…など、大人の工夫も大事なきっかけになるようです。
お弁当を通じてわが子の成長を見守ろう
お弁当を通して「成長したな」と感じることは多々あり。春夏秋冬を問わず、3年間お弁当づくりは続きます。お弁当という小さな宝箱を通じて、長い目でお子さまを見守って、変化や成長を楽しんでみませんか?