ドラゴンクエストの作曲家、すぎやまこういちさんをご存知でしょうか?中世の騎士物語のイメージからクラシックをヒントにしてドラクエの世界を作った有名な方です。今回は、すぎやまこういちさんの生き方についてご紹介します。
幼いころから両親の影響で音楽に親しむ
出演:東京都交響楽団 すぎやまこういち
販売元:キングレコード
すぎやまこういちさんは、1931年4月11日に東京府東京市下谷区(現在の台東区)で生まれました。
音楽好きの両親のもと、幼いころから音楽に親しみ、祖母が歌ってくれた子守唄が讃美歌だったということも、音楽をより身近なものにする要因になったのでしょう。
また、両親は音楽だけではなくゲームも好きだったことに影響されて、自然にすぎやまさんもゲーム好きな少年に育ちました。
物心つく前から音楽やゲームを肌で感じることができる環境にあったことが、その後のすぎやまさんの人生に、大きな影響を及ぼしたのですね。
ようこそ!すぎやまこういちの世界へ
戦時下でも独学でクラシックを学ぶ中学時代
そんな不遇な環境の中でも、音楽への情熱や興味は尽きることはなく、物々交換で父親が手に入れてくれたベートーベンのレコードやオーケストラの楽譜を使って、独学でクラシックの勉強を重ねていきました。
手巻き蓄音機と竹針でかけるレコードでは低音が聞こえないため、楽譜を見ながらコントラバスの部分を自分の声で音出しをしていたそうです。
どのような環境にあっても自分で創意工夫して音楽を楽しむといった姿勢からユニークな発想が生まれるようになったのかもしれませんね。
ピアノが弾けないから東大へ行き作曲家に
高校卒業後は当然のごとく音楽大学への進学を望んでいたすぎやまさんでしたが、ピアノが弾けなかったことからこれを断念。東京大学に進学したものの、音楽への興味が尽きることはなく、結局1年間の留年をして大学を卒業しました。
ピアノを弾けなかったから、東京大学へ。言葉にすれば簡単に聞こえますが、実際はなかなか容易なことではありません。音楽の才能とは別に、基本的な勉強を怠らなかった証拠ですね。
ドラゴンクエストとの運命的な出会い
演奏:東京都交響楽団 すぎやまこういち 指揮
販売元:キングレコード
1970年代には特撮音楽やアニメ音楽の作曲を手がけるようにったすぎやまさん。代表作には「帰ってきたウルトラマン」「劇場版科学忍者隊ガッチャマン」「サイボーグ009」など、人気のアニメがずらりと勢ぞろい。
ゲーム音楽も手がけるようになった1986年。ロールプレイングゲーム(RPG)ドラゴンクエストとの運命的な出会いをきっかけに「ドラゴンクエストの作曲家」となり、それ以降、主にゲーム作曲家として活躍することになりました。
現在も現役の作曲家、編曲家として精力的に活動されています。
「自分の力で未来を切り拓く」そのために今我が子にできることを
幼いころからクラシック音楽に親しめる環境を作った両親の力、子守歌の讃美歌をうたってくれた祖母の力、そんな家族の力に支えられて今のすぎやまさんがあるのでしょう。自分の力で未来を切り拓く力をつけるために、今、我が子にできること……。それはできる限り環境を整えてあげることではないでしょうか。