小学校受験の特徴的な部分の一つとして「面接」があります。私立小学校の場合、両親と子どもの3人で面接に臨むことが多いです。国立小学校でも親の面接を課す学校があります。塾には通わなかったわが家では、この面接対策は試行錯誤の繰り返しでした。その内容をお伝えします。
面接の目的を考える
受験者がその学校にとって望ましい子どもであるかどうかの確認だけではなく、保護者が学校の方針を理解しているかどうかをチェックすることが大きな目的です。
子どもの面接でどんなことが聞かれるか
家族での思い出の話からは親がどのような経験を子どもにさせているかがわかります。
好きな食べ物は何ですか?という質問は、
「お母さまが作ったお食事で好きなものはなんですか?」
という問いに変わります。
このとき、ママではなくお母さま、またはお母さんと言えるか。子どもが話しているときの親の様子はどうか。子どもからの話を通して家庭のリアルが透けて見えます。
受験が終わり気も緩んでいるミヤピーに、ママミーヤが作った食事で一番おいしいものは何かと尋ねると、
「具のないそうめん!」
という答えが返ってきました……。
一瞬ギクッとする答えも説明次第?!
「具のないそうめん」だけを聞くと、面接本番でこの答えを言わなくてよかったとも思うのですが、実は続きがあるのです。
「他でそうめんを食べたことがあるけど、ママが茹でるのが一番おいしいよ。袋に書いてある時間どおりじゃなくて、ママがいろいろと試してみてたよね。今、ママが茹でるそうめんの歯ごたえが世界一おいしいから具は入れたくない!」
ミヤピーはこう話してくれました。
ああ、ここまでしっかり回答できれば仮に面接だったとしても挽回できるのかなと思いました。
子どもの話は単語だけにしない
たとえば「ママ、水!」と言う子がいます。ママミーヤならばお水はあげません。「のどが渇いたから水をください」が正解です。なるべく「いつ、どこで、だれが、何を、どうした」に加えて、「なぜ」も言えるようにしておくと、面接のときにも安心です。
子どもには難しいと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、子どもは思っている以上にできるものです。やらせないからできないのです。
子どもへのトラップ質問
「ここの小学校の名前を教えてください」
「ここまで家からどのようにして来ましたか?」
わが家も最初の力試しとして受けた学校でこれらの質問を受けました。志望度の高さをこれらの質問でうかがい知ることができます。たまに「わかりません」と答える子どももいるようで、その場合はもちろん不合格となります。
また、自宅から小学校までの交通手段を聞く質問においては、交通機関を利用して試験会場まで来ているかを確認する意味もあります。車で送ってもらいました、タクシーで来ましたという回答は厳禁です。
親の質問
志望動機
ドラマチックというのは「芝居がかった」という意味ではなく「感情をこめて」という意味です。
家庭の教育方針
言葉は悪いですが、学校側はこの学校に染まることができる家庭かどうかを見極めているように思いました。
面接で話す内容を練り上げる!
志望校の過去問題集にも面接の内容が記載されているものがありますので、ぜひ参考にしましょう。実際はどんなことが聞かれるかはわかりませんが、王道的な質問には全て答えられるように練習しておくと良いと思います。
父親が肝心!
仕事で人前でよく話しているから、「面接も大丈夫!」と甘く見ていると失敗します。仕事と面接は違います。ましてや大切な子どものための面接なのです。必ず面接の練習には父親も参加させてください。
ご心配な方は受験対策塾で行われる面接練習に参加したほうが良いと思います。
わが家の対策は
・保育園で行われるイベント
・家族でのお出かけ
・旅行
など、印象的なイベントをどんどん書いていきます。また、そのときの写真を見ながら、感じたことなども書き加えていきます。
この対策のポイントは、入力作業をママだけが行うのではなく、パパも一緒に行うことです。家族の思い出に齟齬が生まれないようにするためにとても大事なことです。
わが家では、ミヤピーの感想も随時聞いてExcelシートに書き入れていきました。
これを夫婦共有のクラウドサービスに入れておき、どこででも確認できるようにしていました。外出先でも思いついたことは夫婦それぞれが書き入れていき、休日はそれを見て打ち合わせすることをしばらく続けていました。
このExcelシートには受験校の特徴も随時書き込んでいきました。教育方針や学校訪問した際に聞いたことなども書いていき、自分たちの今までの歴史の中でマッチしそうなものを探すのにも活用しました。
ミヤピーの振る舞いに難あり!役立ったビデオ撮影
「椅子に座るとすぐに足をぶらぶらさせます」
とあり、改めてよく見てみると確かにそのとおり……!
「足をぶらぶらさせるのはやめようね」
と言っても時すでに遅し。癖になってしまっていてなかなか治りません。
そこで思い出しました。この子が右脳優位である子どもであったことを!口で説明するより目で見せた方が理解が早いのです。なので、面接の練習を自宅で行うときは必ずビデオを撮るようにしました。それを繰り返し見せたところ、ミヤピー自身問題点をわかってくれました。
撮影をすることを思いついたのは試験直前でしたが、わが家では高い効果を生み、本番では親よりしっかりと話をしていました。
面接カードを作る
このとき、
「ミヤピークイズの時間です!」
というように、面接の練習ということを悟られないようにするのがポイントです。親は盛り上げ役なのです!
単語帳というアイテムもミヤピーにとっては未知の物体だったため、すごく嬉しそうにしていました。子どもも扱いやすいように、普通の単語帳よりも大きめのサイズを選ぶと良いでしょう。
結局面接ってどの程度重要なのか?
ペーパーはできて当たり前、その上で学校の思想を理解し、応援できる家庭かどうかを見るために面接があるのだと思います。
中学校以降と違い、小学校では子どもが一人で学んでいくというのは難しいです。たとえば持ち物に名前を入れる、学校からのプリントを見て宿題を見てあげる、お弁当があれば作るなど親の細かいヘルプがまだまだ必要です。同じ考えを持って学校とともに子どもを見守り育てていける家庭かどうかを、面接からうかがい知るのだと思います。
そういうことを考えても、面接はやはり重要な試験のひとつなのでしょう。
それでは次回もお楽しみに!