2018年7月17日 公開

【西日本豪雨 子連れ避難所体験】災害時の心得や持ち物、日頃の備え

2018年7月の西日本大豪雨。被害の大きかった広島県在住の筆者は、夫と0歳、2歳、4歳の子どもを連れて避難所に一泊しました。子連れで避難所に避難するときの心得や用意するもの、日頃からの防災の備えについて感じたことをお伝えします。

子連れで避難する・しない!? 冷静な判断力が必要に

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thanatphoto / Shutterstock.com
広島では朝から大雨警報が出て、「これまでにない大雨」になると警戒されていた7月6日。筆者の自宅付近でも、午後には避難勧告、のちに避難指示が発令されました。

我が家はハザードマップで危険エリアには入っていないものの、山が近くにあり、土砂崩れを心配しました。近所の川も増水し、氾濫危険水位まであとわずか。雨は夜にかけてますますひどくなると予想されました。子連れで避難するのは考えただけでも大変そうでしたが、「避難訓練だと思って避難してみるか」という夫の言葉に、避難することを決意。このときの経験をもとに、子連れで避難するときのポイントをまとめてみました。

暗くなってからでは危険!子連れ避難は早めが肝心

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K.M.S.P.1031 / Shutterstock.com
災害時は、道路がひび割れていたり、モノが落ちていたりする場合もあります。子連れの場合、暗くなってから移動するのは危険。今回の大雨でも、「夜になって避難しようと思ったら、すでに道路に水があふれていて、避難したくてもできなかった」という地域が多くあったようです。たとえ空振りに終わったとしても、できれば明るいうちに、余裕を持って出発するのがおすすめです。

避難所への移動は徒歩が基本

道が混んだり、駐車場がいっぱいになったりするため、避難所への移動手段は基本的に徒歩になります。我が家では、まだ避難している人が少なかったため、車で先に子どもと荷物を移動させ、後で夫が歩いて合流しました。早めに動けば、そうした融通を利かせることもできます。

荷物は必要最低限に!子どもの物は自分で持たせる

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移動中の負担や、避難所で場所をとることを考えると、荷物は最低限にまとめる必要があります。一泊程度であればとりあえずこのくらいのリストになるでしょう。

・財布など貴重品
・水
・2食分程度の簡単な食糧(おにぎりやパンなど)
・おやつ(子どもの暇つぶしも兼ねて)
・ゴミ袋
・日頃マザーズバッグで持ち歩いている量+αの子ども用品
(多めのおむつ、おしりふき、おむつ替えシート、授乳ケープ、多めの着替えなど)
・簡単な寝具
・音の出ないおもちゃや絵本
・ラジオ
・ヘルメット、防災頭巾、ホイッスルなど防災グッズ(あれば)

これだけでも、子ども連れて歩くには大荷物。少しでも減らすために、子どもにもおやつやおもちゃ類などをリュックに入れて自分で背負ってもらいました。寝具は夏だったこともあり、袋入りのお昼寝布団セットを1セット(敷き布団は長女に、掛け布団は長男の敷き布団にしました)と薄手のブランケット人数分、大人用には敷き布団の代わりにヨガマットを1枚持って行きました。

避難所は和室だったり、簡易毛布が配られたりする場合があるので、荷物になる寝具はそれほど準備しなくても大丈夫かと思います。食糧や水は備蓄できているとベストですが、水、サンドイッチ、おにぎりなどは配給がありました。配給時間は遅くなる場合もあるので、少しは持って行けると安心です。ちなみに、水は5年間保存できるものが配給され、普段から家にも同様のものを備えておきたいなと思いました。

避難所での子どもとの過ごし方

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Benoist / Shutterstock.com
避難所はいろんな人が利用します。子どもが苦手な人もいますし、緊急時で皆さんぴりぴりしているので、子連れで避難所で過ごす場合は細心の注意が必要。熊本地震のときも、避難所生活が長くなると「子どもがうるさい」と注意され、避難所を出ざるをえなくなったとか、車で避難生活をしたというケースが多かったようです。でも、洪水などでは車ごと流される場合もあるので、ちょっと怖いですよね。避難所で少しでも居心地よく過ごすための工夫として、以下のような点があります。

部屋の隅など、なるべく目立たない場所を選ぶ

避難所に早めに行けば、部屋の隅っこや、テレビから離れた場所など(テレビの近くだと、災害情報を見るために人の目が集まりやすいので注意)を選ぶことができます。入口の近くなども、トイレに行きたくなったときにすぐに出られるので安心です。ただし、年配の方など、よりスペースの配慮が必要な方がいた場合、積極的に声をかけて譲り合うようにしましょう。

遊びはお絵かきやDVD(音なし)がおすすめ

子どもが大好きなミニカーは、夢中になって走らせているうちに他の人の居場所に侵入してしまったりする危険も。一番静かにできるのは、紙とえんぴつだけで事足りるお絵かきや、「トムとジェリー」など無音でも楽しめるアニメのDVDです。普段なら長時間視聴はよくないですが、緊急時は他の人に迷惑をかけないことが優先です。

おむつが外れている子も夜はおむつに

普段はパンツで寝ている子でも、災害時は緊張などからおもらししてしまう場合があるそうです。日頃から防災バッグなどを用意している方は、大きいサイズのおむつも加えておくといいかもしれません。

ハザードマップを確認し、避難先までの経路を把握する

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photo by author
日頃からしておくべき防災対策として、以下のようなものが考えられます。

・防災バッグの準備(できれば子ども用の防災リュックも)
・自治体から配られるハザードマップで、自宅の危険度を把握しておく
・避難所の場所を把握し、家からの経路をシミュレーションしておく
・緊急時の家族との連絡の取り方を確認
・災害など緊急時用のアプリを入れておく
・子どもにも防災の心得を話しておく

子どもと防災を学ぶための本も出版されています。そこまでできない場合も、ニュースで被災地の映像が流れたときなどに、子どもにも「●●くんも、大雨とか地震があったら、パパママと一緒に避難するんだよ、避難所では静かにしないといけないよ」など、簡単に教えておくだけでもいざというときに違うと思います。

また、今回のように「異例の」豪雨となると、ハザードマップで危険エリアに入っていなくても絶対安全とは言えないのでご注意ください。

「うちは大丈夫」と思わないこと

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結果的に我が家の周りは何の被害もなく、避難した人もそれほど多くはありませんでした。でも、避難所にいる間、スマホからは特別警報のアラート音がひっきりなしに鳴り響き、テレビでは被災された方々のニュースが次々と飛び込み、家にいたら「何かあれば自分たちだけで子どもを守らねば」と、かなり不安な夜になったはずです。避難所では、情報や物資も入ってきやすいですし、自治体の防災担当の方など作業着を着た男性たちが夜通し待機していたので、そういった意味でも安心感がありました。

同じ親として、お子さんが被災した話を聞くと本当に心が痛みます。ちなみに筆者の場合、自分たちが西日本大豪雨に遭い、その少し前には大阪の茨木市で姉一家が地震に遭い、自宅がひび割れたり、ガスが何日も止まったり、といった緊急事態がありました。まさに、明日は我が身。いざというときに我が子を守れるよう、日頃から防災について考えておきましょう。

最後に、東日本大震災で被災したお母さんたちによる防災の本を紹介します。
この記事は執筆時点のものですので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

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WRITER

suna suna  ライター/エディター。東京で出版社に勤務後、フリーランスに。結婚を機に広島県に移住し、男女男の3人育児と仕事との両立に奮闘中。子育て、旅、グルメ、住宅、動物など幅広いジャンルで編集・執筆を担当。イギリス、アイルランド等に留学経験あり。