立体図形に親しむための3ステップ知育レシピをご紹介します。身近にある空き箱を広げてまた組み立てる作業により、立体図形や展開図形を理解するための基礎を身につけることができますよ!遊び方や声かけの工夫も参考にしてくださいね。(文・写真 秋元有紀)
「箱の展開・組み立て」の学びのねらい
図形の問題は中学入試でも出題されますし、算数・数学を学んでいく上でひとつの要となります。幼児期に遊びを通して図形に触れておくと、空間認識力も鍛えられ、小学校での勉強に役立つといわれています。
積み木やブロック、折り紙など、幼児期の遊びは図形把握の手助けになるものがたくさん。積極的に取り入れていきたいですね。
今回はこの立体図形にスポットを当てて、おうちでできる簡単&お手軽知育アイデアをご紹介します。
「箱の展開・組み立て」に使う材料
今回はコンビニで売っている270mlのドリンクパックを使いました。子どもの分だけでなく、大人の分もあると一緒に作業ができて便利です。
その他に道具としてハサミ、セロハンテープ、油性マジックを用意しましょう。
ステップ1:箱を見ながら箱について一緒に考えてみよう
ここで子どもの想像力をかきたてられるといいですね。「わからない」と答えた場合は、「箱は1枚の紙から作ることができるんだよ」などヒントを少しずつ与えてあげましょう。「中はどうなっているかな?」「どこからだと開けやすそうかな?」などいろいろと聞いてみてください。子どもは頭の中で箱についてのイメージをどんどん膨らませていくはずです。
ステップ2:ハサミで切って箱を広げてみよう
まず予想させてから、実際にハサミを入れてみましょう。「予想→実践→結果を知る」を繰り返すことで考える力も鍛えることができます。
また、「辺・面」などの名称も説明しながら作業してみましょう。「四角の面が6個ある箱は”立方体”と言うんだよ」など説明してあげると、その場で覚えられないとしても耳に残ります。
親子でそれぞれ切り方を変えて、さまざまな展開図を作ってみても面白いですよ。
ステップ3:広げたものをもう一度組み立ててみよう
ここでひとつ、より立体について理解を深めるための工夫をしてみましょう。再度組み立てる際にマジックで面の枠を書きます。まだ小さいうちは面や辺などの概念を伝えても、理解できないと思われるかもしれません。しかし、少し難しい内容でも状況に応じた説明を入れてあげると、なんとなくでも頭に残るものです。後に同じような場面に直面したときに、以前聞いたことを思い出すこともあります。
「四角がいくつくっついたら箱になるかな?」など問いかけながら組み立ててみると、自然と面とはどういうものなのか頭の片隅にインプットされていきます。
3つの遊びの広げ方
【その1】すべての面をバラバラに切る
バラバラにした面をセロテープで貼り合わせていろんな展開図を作ってみましょう。はじめにできあがった展開図以外の形からも箱ができることを学べます。
「さっきはこの形から箱ができたけど、他の形からもできるかな?」と問いかけてみて、自由に作らせてみましょう。とんでもない展開図ができることもありますが、それはそれで面白いもの。これだと箱にならない、ということを知ることも学びです。箱ができあがらない場合は「どうしてできないんだろう?」と一緒に考えてみてくださいね。だんだんと立体ができあがるためのルールが子どもの頭の中で浮かび上がってきます。
【その2】展開図からの連想ゲーム
展開図が何に見えるか一緒に考えるのは楽しいだけでなく、想像力を養うことにもつながります。
【その3】お向かいさんはどれ?
面の位置関係は、展開図の問題でよく出題されます。遊びの中で触れていけば、将来図形問題に対して苦手意識を持ちにくくなるかもしれません。
声かけの工夫
たとえば、子どもの興味を引くような言葉を使うという方法があります。「箱を広げてみない?」というよりも、「箱の実験やってみない?」という方がワクワク感が出てくるような気がしませんか?誘い方を工夫して、子どもにまず「やってみたい!」「なんだろう?」と思わせることが大事ですね。
ハサミで切る作業や、セロハンテープを使った作業もあるので、創作遊びが好きな子どもには「工作タイムです!」と声をかけると興味を持ちやすいでしょう。