病気の回復や平和を願って作られる千羽鶴。相手を思う気持ちが伝わる伝統的な贈り物です。日本の「願掛け」の定番としてすっかり定着した千羽鶴ですが、その由来・一般的な作り方を知らない方は多いかもしれません。千羽鶴の意味と簡単な作り方・美しいつなぎ方のご紹介です。
千羽鶴の意味
千羽鶴の起源は定かではありませんが、1797年(寛政9年)の魯縞庵義道『秘傳千羽鶴折形』では連鶴(一枚の紙に切り込みを入れて、折り鶴をつなげた状態で作るもの)を「千羽鶴」と呼んでいました。古来より鶴は長寿・富を意味する縁起の良い動物とされています。心をこめて多くの鶴を折ることでエネルギーが宿り、願いを成就させると考えられたのでしょう。
なお千羽鶴は、必ず千羽折らなくてはいけないわけではありません。その由来は「原爆の子の像」のモデルとなった佐々木禎子さんが、自らの白血病治癒祈願として千羽の鶴を折ったことと言われています。1955年に佐々木さんが亡くなって以降、「千羽で折ること」と「平和への祈り」が一般的に広まりました。
色・折り方には諸説あり、厳密なルールはないようです。ただし「千羽鶴の鶴の首を折る=死・挫折をイメージして縁起が悪い」とする俗説・意見もあります。病気・怪我などのお見舞いに贈る際は、そういったことを気にする相手かどうか見極めて折り方を考えましょう。
千羽鶴の材料
・折り紙
・糸(たこ糸・テグス・釣り糸など丈夫な糸。ミシン糸なら2本取り)
・ストロー(あるいはボタン・大きめビーズなど留め具として使えるもの)
・針(太目の糸を使うなら毛糸とじ用もおすすめ)
・ハサミ
・リング(金属製が望ましい)
一般的に千羽ちょうどで千羽鶴を作る場合は、1連40羽を25連作る形になります。市販されている15cm角の折り紙で作るなら、糸の長さは両手を広げた大きさ+10cm程度が目安です。長くてもあとから切れば良いので、160cm以上はあったほうが良いでしょう。
また折り紙のサイズには注意が必要です。折り紙が大きくなるほど、予定していた以上に長さ・重さが増えて場所もとります。




鶴の折り方
まずは全体の配色バランスが明るくなるように、折り紙の色を選びましょう。白・黒・灰などモノトーンの組み合わせは避けたほうがベター。グラデーションになるように配色するのもおすすめです。まとまりがあって美しい仕上がりになります。
時間がなくて1,000個も折れない場合、気持ちがこもっていれば何羽であってもOKです。一つひとつの鶴を丁寧に折ることが、見栄えの良さに直結します。
2.さらに三角形に折ります。
3.折り目を活かして、写真のように袋をつぶしましょう。
4.裏返しして同様に袋をつぶします。
6.写真のような唇を縦にしたような形になるはず。
7.裏側も同様に折ります。
8.中心に向かって折りましょう。折ったときの上部が右上がりになります。
10.上下を反転し側面を開きます。
11.写真のように折り下げます。
12.前後共に中割り折りをします。今回は頭を作らないのでこのままです。折り鶴同士を隙間なく並べてつなぐので、ふくらましたり羽を広げたりはしません。
図解・幼児向け「折り鶴の折り方」器用さを鍛えて集中力アップ

鶴のつなげ方
今回は糸とストローの「T字」で支える留め具を使います。

ストリックスデザイン 曲がる ストロー 乳白色 口径6mm×長さ21cm チャック付 フレキシブルストロー MA-249 100本入

1.ストローをハサミで8mm程度にカットします。針に糸を通して、写真のようにストローにくぐらせてください。
2.鶴のお腹(通常空気を入れる部分から)に針を入れます。
3.背中の中心に針を通して糸を引っ張りましょう。
4.ストローが留め具となり、一番最初の鶴の落下防止になります。ボンドで留めるとさらに万全です。
最後のまとめ方
2.背中部分にぴったりとつけて留めましょう。ボンドをつけて固めればさらに安心。これで連の完成です。
3.25連すべてに留め具がつけられたら、糸をまとめて固結びを2回行います。この際、飾ったときすべての連の高さがそろうように調整しましょう。重さもあって大変ですが、できるだけ正確に高さをそろえます。
4.5cm程度の長さになるまで固結びをします。
5残った糸でリングに固結びを2回以上して、しっかり留めたら完成です。

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きれいに作るコツは?
・一羽一羽の折り鶴を美しく折ること
「折り目をしっかりつける」「角同士をずれないように折る」ことを守りましょう。
・鶴同士の凹凸をしっかり合わせる
密着させるようにつないでいくことで、粗が目立たなくなります。

千羽鶴の処分方法は?
気持ちよく処分するなら、神社で「お焚き上げ」をしてもらうのがおすすめです。お焚き上げは使い終わったお守り・お札・絵馬・ぬいぐるみほか、願い・思いのこもったものを神社・寺院で祈祷したあと、焼いて浄化する宗教行事です。
費用は無料~数千円。行っていない神社・寺院もあるため、確認してから持参しましょう。
贈る相手に合わせた千羽鶴を作ろう
相手の気持ちが明るく前向きになる、負担にならない千羽鶴を贈るようにしましょう。

