2017年8月20日 公開

『センス・オブ・ワンダー』が子育て中に必読本である理由

子どもの感性をもっと育てたい!自然や宇宙の美や不思議さに感動し、未知や神秘的との出会いに驚きと発見をもち続けてほしい。そんな願いを持つ子育て中の親によりそい、心を揺さぶり、励ましてくれる素敵なベストセラーをご紹介します。

子育て中の宝物、教科書になる本を探して

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タイトル:センス・オブ・ワンダー
著者  :レイチェル・カールソン(著)/上遠恵子(訳)
出版社 :新潮社
育児の指標となる本はありますか?「これだけは大切にしたい」「この力だけは持たせてあげたい」という親の願いの輪郭をくっきり浮かびあがらせてくれる本。そんな本に出会えれば、子育ての最中に壁にぶつかったり、方向性に悩んだりした時に、原点に立ち返る良いガイドになってくれます。

先日、子育ての先輩で尊敬している方に「私たち夫婦が、子育ての指針として選んだのはこの『センス・オブ・ワンダー』なの。迷ったり、悩んだりするたびに一緒に読んで、その度にやっぱりコレだよね、って確認できたの」と勧めていただきました。これまでも、多くのパパママに出産祝いやプレゼントとして贈り、喜ばれているそうです。

子育て中の友人も、この本を見つけて夢中になったと言っていました。世界中で愛されている歴史あるベストセラーなので、既に知っている人も多いのでは、と思いますが、改めてこの本の魅力と子育て中のパパママにお勧めの理由をご紹介しましょう。

センス・オブ・ワンダー(不思議さに驚嘆する感性)とは

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まずは、この『センス・オブ・ワンダー(The Sense of Wonder)』というタイトルにワクワクと感動を覚えませんか?

すべての物事を存在から不思議に思い、驚き、感動する赤ちゃん。親や周囲の大人は、その感性を通じて、一緒に全てを一から発見し、見直す機会を授けてもらっているように感じていました。その感覚も「センス・オブ・ワンダー」ではないでしょうか。

大人にとっては、日々当たり前になっている、習慣や存在すべてが、はじめて出会うものばかりの子どもたち。

「どうして?」「あれはなあに?」の”なぜなに期”の頃はもちろん、まだ寝返りをうてない時期から、赤ちゃんは、自分の手を発見して不思議そうに眺めたり、触ってみたり、舐めてみたりして、日々驚き、時には恐れや喜びを感じながら、様々な自然の神秘を学んでいますよね。

身の回りの些細に思えることにすらそうなのですから、森や山、海で出会う自然の魅力にはもっとすごい感動と発見を味わう体験ができそうです。

では、この感覚がなぜ大事なのか、『センス・オブ・ワンダー』を読んで特に感銘を受けたことを3つ紹介します。

子どもの感性を大事にする上で親が意識したいこと3つ

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Quick Shot / Shutterstock.com

自然に学ぶ理由とセンス・オブ・ワンダーを保つ意義

この「センス・オブ・ワンダー」を大事にする意義は何でしょうか?作者のレイチェル・カールソンは、地球の美しさや神秘を感じ取り続ける力があれば、人生に飽きて疲れ、孤独に悩まされることはなく、たとえ辛い時も内面的な満足感と、生きていることへの新しい喜びを常に見出し続けられるだろうと伝えています。

そういう、生命力と生き抜く精神力こそ、親が子どもに持って欲しい力ではないでしょうか。

「知る」ことは「感じる」ことの半分も重要ではない

学びが多いことはわかっているけど、「鳥や植物の名前を知らないし、自然のことなんて何一つ子どもに教えられない」と危惧する親に向けた作者のメッセージです。事実や知識を教え込むこと自体にそれほど意味はなく、一緒に感じて、子どもが知りたがる道を切り開いてあげることの方がずっと大切だと説いています。

一緒に発見し、感動を分かち合う大人が必要

生まれた時からの感性である「センス・オブ・ワンダー」を新鮮なまま維持するためには、世界や自然の不思議を発見し、感動を分かち合う大人が、少なくとも一人は寄り添っている必要があるということ。

未開の森や嵐の海辺にいつでも連れて行ってあげられるわけではありませんが、日々の暮らしの中でも驚きと発見の伴奏者でありたい、という親の役割が見えたような気がしました。
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また、睡眠時間が削られるとか服が汚れるからという理由で、親が取り上げてしまいがちな楽しみを、許し分かち合うことの方が価値がある場合もある、というくだりにもドキリとしました。

たまには夜遅くまで星や月を心ゆくまで眺めたり、雨の日の発見を存分楽しんだりする、小さな冒険を一緒に付き合いたいものです。

後世に語り継ぎ続けたいメッセージ

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sommart sombutwanitkul / Shutterstock.com
レイチェル・カーソンは、海洋生物学者であり、環境汚染に警鐘を鳴らしたベストセラー『沈黙の春』の著者として知られています。この『センス・オブ・ワンダー』は、「あなたの子どもに驚異の目をみはらせよう」題して1956年に雑誌で発表したエッセイに、彼女の没後手を加え、1966年に出版されたもの。それが50年以上経った今も、多くの人々に感銘を与え続けているのです。

文字量は少なく、日本語版も写真、あとがきも含めてわずか60ページほどの薄い本です。人にもよりますが、30分ほどで読めてしまいます。ですが、各ページに付箋を貼り、文章のほぼすべてに赤線を引きたくなるほど、大切にしたいメッセージが詰まっています。

読んだ後、レイチェル・カーソンの描き出す自然の迫力に魅せられて、今すぐにでも海岸や森に親子で行きたくなりました。翌日からの普段の散歩や通り道でも、いつもと違った感動を得られ、子どもにすごい機会を与えられる気がしてワクワクしたものです(実際は服の汚れ、虫刺されなどの些細なことをまだまだ気にしてしまう未熟な親なのですが…… )。

最後に

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Anna Kutukova / Shutterstock.com
子育て中の友人達にも教えたい本ですし、いつか我が子にも読んで欲しくなりました。上遠恵子さんの日本語訳がまた美しく、本棚の手の届くところに置いて、常に読み返し、じっくり読み込んでいきたい本です。関連本も多く、『レイチェル・カーソンの感性の森』(2011年日本公開)など様々に映像化もされていますが、まずはこちらを未読の方は是非一度、手に取ることをお勧めします。
この記事は執筆時点のものですので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

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WRITER

志田実恵 志田実恵  エディター/ライター。札幌出身。北海道教育大学卒業(美術工芸)。中高の美術教員免許所持。出版社でモバイル雑誌の編集を経て、様々な媒体で執筆活動後、2007年スペイン留学、2008〜2012年メキシコで旅行情報と日本文化を紹介する雑誌で編集長。帰国後は旅行ガイドブック等。2014年6月に娘を出産。現在は東京で子育てしながらメキシコ・バスクの料理本の編集のほか、食、世界の子育てなどをテーマにwebを中心に活動中です。