2017年03月26日 公開
何もかもお任せでママは楽チン!台湾の産後ケア入院事情<後編>
台湾の産後ケア入院施設は、ホテル並みに快適な設備とサービスで知られています。後編では、中華圏独特の産後ルールがあることから至れり尽くせりのサービスに対する費用、その他の産後サービスについてまでレポートします。
台湾の産後ケア入院施設は、ホテル並みに快適な設備とサービスで知られています。後編では、中華圏独特の産後ルールがあることから至れり尽くせりのサービスに対する費用、その他の産後サービスについてまでレポートします。
台湾の産婦がしてはいけないこと
中華圏では、産後すぐは入浴禁止、洗髪禁止、階段上り下り禁止など、伝統的な禁止事項があります。昔は衛生状態が良くなかったことなど、それなりに根拠があってのことですが、今の私たちが入浴洗髪禁止というのは厳しいですね。
施設によっては本当に許可が出るまで洗髪禁止なところや、施設のスパでしか洗髪してはいけないところ、施設はOKでもお姑さんが厳しいという家庭もあります。冬はともかく、夏に洗髪禁止は辛いものがありますね。
身内にも厳しい面会ルール
産後ケア施設は新生児をたくさん預かっているため、衛生面にはとても気を遣っています。子どもの入館を制限している施設が多いので、2番目以降の子の出産の場合、上の子も一緒に泊まれる施設を探さなければなりません。
見舞い客についても小さい子連れは禁止な施設、ママにはロビーで会えるけど赤ちゃんには会えないという施設もあります。赤ちゃんの祖父母ですら、ガラス越しにしか会えない施設が多いのですから、かなり厳しく管理されているという印象です。
中には、新生児室にあるwebカメラの映像を個室で両親が見たり、日本の家族がパソコンで見たりできるようなサービスを用意している施設もあります。
台湾の給与水準に対して高価な産後ケア入院
これだけの施設とサービスなので、その入院費用は気になるところですよね。一般的には1泊5,000NTD~10,000NTD、日本円に換算すると17,500円~35,000円(1NTD≒3.5円として)となります。日本の産後ケア入院費用が2万円くらいのところが多いといわれているので、だいたい同じくらいか少し高いという感覚でしょうか。
しかし、台湾の最低賃金は月収で21,000NTD≒73,500円程度であることを考えると、台湾人にとってはこの価格はかなり高額です。10日間~1カ月ほど入院するとなると、共働きが一般的とはいえ、若い夫婦には結構負担が大きいです。
もともと親が産褥期間のお世話をするという考え方があるため、入院費用を親が援助する場合も多いですし、日本より経済格差が大きいので、富裕層が積極的に利用するという面もあります。
産後ケア入院以外の産後サービス
産後ケア入院よりも経済的に気軽に利用できるサービスもあります。台湾では産後の食養生を重要視しているので、漢方を取り入れた「月子餐(ユエズツァン)」を宅配するサービスや、「産婆(チャンポー)」と呼ばれる家事を代行してくれるスタッフを派遣するサービスもあります。
筆者は台湾の義母から「もし台湾で出産するなら、産後ケア入院か産婆を手配する」と言ってもらっています。ありがたいことですね。
産後ケアが日本でも普及しますように
産後ケア入院は、台湾ママだけでなく、台湾で身寄りのない駐在員の奥さんもよく利用しています。皆さん口を揃えて、「何もかもお任せで快適だった!」と言います。日本でも、産後は入院してでもしっかり養生するという考え方が浸透するといいな、と願っています。