絵本の探し方がわからない、何を選べば良いかわからない……。そんなときは、絵本紹介本が一番!今、読みたい絵本に親子でたどり着ける、とっておきの指南書3冊をご紹介します。子どもの興味を広げたり、育児のヒントをくれたりと、たくさんの学びやチャンスを与えてくれますよ。
使いやすい絵本の紹介本を探して早5年……
皆さんは、絵本が好きですか?
筆者は絵本が大好き。日ごろから図書館のお話会に参加したり、Chiik! の過去記事を読んだりしては、新しい絵本に出会ってきました。
一方で、絵本集のような、絵本がたくさん掲載されている書物を、何冊も手にとって活用しようとしてきたのですが、なかなかうまくいかず……。というのも、紹介が羅列されている書籍の場合、自分にピッタリのものを探すには、紹介文すべてを読まなければならなかったからです。
今回ご紹介する絵本の指南書3冊は、どれもイメージやインデックス、今の気持ちから、絵本を検索できるようになっています。子どもも大人も、この本を手に取るだけで面白い!そんな書籍を選びました。
皆さんに絵本の面白さをお伝えしたい。「これこれ!」という今の気持ちにぴったりな1冊に出会ってほしい。そんな思いを込めてお届けします。
笑顔のイラストから好きなテイストに出会おう
タイトル:わらってる わらってる
著者:あべ弘士 ほか/絵
出版社:クレヨンハウス クレヨンハウスの販売サイトはこちら
こちらは、東京・青山にある子どもの本専門店「クレヨンハウス」に集う絵本作家さん、総勢20組21名による笑顔のイラストを収めた1冊です。
それぞれの作家さんの画風が誌面いっぱいに広がり、何度見ても飽きません。1人あたり2行に凝縮された作家さんの略歴や、「いちばんわらった思い出」というエピソードにそれぞれの人柄が読み取れます。
この本を読んだ後で、どの方の絵本を手に取りたくなるでしょうか。お子さんは、どの絵が気に入るでしょうか。ビビッ!ときたら、ぜひそれぞれの作家さんの絵本を探してみてください。
0歳から大人まで楽しめる、超豪華な笑顔の絵本決定版です。
親子で楽しめる!チャートで楽しく新たな絵本探し
著者:秋山朋恵(編)、中垣 ゆたか (絵)
出版社:偕成社
「あさごはんにパンをたべた」「ハラハラドキドキしたい」というような質問に対して、「はい」か「いいえ」を選んでチャートをたどると……。あなたにおすすめの1冊が!!
はじめて手に取った日、このユニークな仕掛けと使い勝手の良さに、親子で興奮したことを覚えています。
ジャンル分けも「たんてい・どろぼうのとびら」「おみせやさんのとびら」「おばけ・ようかいだいしゅうごう」などがあり、子ども目線でとても魅力的。
写真やイラストが多く、どのページからも児童書の楽しさが飛び出てくるような雰囲気です。はじめての1冊も、その次に読むべき本も、たまにはいつもと違うジャンルにも……さまざまな絵本に出会う冒険がしたい方は、ぜひ手にとってみてください。
ちなみにこの本は、著者・秋山朋恵さんが小学校の図書室勤務のご経験を元に、まとめられたもの。生徒さんとの会話を通して知った、お気に入りの本に出会うことの難しさや、豊かで面白い児童読み物の世界を知ってもらいたいという思いが詰まっています。
1・2年生向けですが、未就学児でも楽しめます。さらに、3・4年生バージョン、5・6年生バージョンと合わせ、良書を示し続けてくれる頼れるシリーズです。
子育ての悩みを絵本で解決!絵本レシピ31
著者:景山聖子
出版社:小学館
タイトル通り、この本はママ向けに書かれたもの。絵本を通じて長年いろいろな形で携わってきた著者・景山聖子さんが、世の母親たちが抱く育児の悩みに対して、解決策になるおすすめ絵本を紹介。
例えば、第1章「お母さんが怒ってしまう時」。
毎朝「早く!早く!」と子どもに支度をせかしたくない!
出したら出しっぱなしで、片付けない!
公園から帰りたがらない!
といった時に、思わず怒りが込み上げてしまうという悩みは、どのご家庭でも一度や二度、心当たりがあるのではないでしょうか。
わが家でも、早速『はみがきれっしゃ』という絵本を取り入れることで、「しゅっぱつしんこ~」と悩みだった歯磨きタイムを楽しくするヒントをいただきました。
続いて第2章は、「お母さんが困った時」。
子どもがたわいのないウソをついた時、入園・入学の不安な時など、気になるテーマが8つ収録されています。答えのないような問いや微妙な心の在り方なども、絵本を読んで、お子さんにヒントを授けたり、親子で考える機会を持てたりすれば、すばらしいですね。
最後に筆者が、最も心を揺さぶられた第3章は「お母さんが泣きたい時」。
自分の時間が欲しい時、「自分はダメなお母さん」と感じた時、夫との関係に悩んだ時など、ママ友にも相談できないような項目&メッセージの数々に、気が付くと涙が頬を伝っていました。
この「絵本レシピ」の特にすばらしいところは、絵本の紹介をするとともに、実際にその絵本を手に取ったママたちの感想が掲載されていることです。読み手が共感するような悩みと、絵本によってその悩みから乗り越えたというエピソードを読むだけで、気が付けばすっかり気持ちが浄化されていました。
まずは、目次を開いて、今のあなたにヒットするテーマを読み進めてください。「私は1人じゃない、私にもできる」。きっとそう思われることでしょう。子育てにも、親子関係にも、ママ自身の振り返りにも効く、絵本の活用Bookです。
絵本で楽しく、絵本で心を楽に。親子で絵本の世界を広げよう
今回のおすすめ3冊は、本当に飛び上がるくらい、ステキなものばかりです。
絵本の表紙やイラストがカラーで大きく表示されていて、筆者の息子たちもこぞって「これが読みたい!」と絵本のリクエストするようになりました。
絵本を誰かに薦められるよりも、自分で選んだという過程はとても大切で、絵本が好きになるきっかけにもなるように思います。
絵本は、何より楽しく!親子でステキな時間をお過ごしください。