2019年9月8日 公開

子どもの睡眠時間、理想は何時間?睡眠不足でどんな悪影響が?

子どもたちの健やかな成長のために、十分な睡眠時間の確保は欠かせません。でも、「興奮して寝てくれない」「お迎え・夕食・お風呂をこなして9時就寝は難しい」など、子どもの睡眠について悩みを持つご家庭も多いようです。子どもの睡眠時間の目安や、睡眠時間を確保する方法を解説します。

子どもの睡眠時間は何時間が理想?

Evgeny Atamanenko / Shutterstock.com

大人の適切な睡眠時間は7~9時間だといわれていますが、子どもの理想的な睡眠時間はどのくらいなのでしょうか。

厚生労働省のホームページに公開されている「未就学児の睡眠指針」によると、一般的な睡眠時間は次のとおりです。

・乳幼児期(1~3歳):11~12時間
・幼児期(3~6歳):10~11時間
・学童期(6~12歳):8~10時間


朝7時に起きる場合は、夜9時までに就寝し、年齢に応じて数時間程度の昼寝をしていれば、十分な睡眠が取れているといえそうです。

注目される「睡眠負債」

Lesterman / Shutterstock.com

最近では、「睡眠負債」という言葉がテレビ番組や雑誌で取り上げられるようになりました。

睡眠負債とは、日々の睡眠不足がまるで借金のように積み重なり、気づかないうちに生活の質が落ち、病気のリスクを上げている状態を指します。

学研教育総合研究所の調査によると、22時までに就寝する小学生の割合は年々低くなっており、睡眠時間が足りていない状況がうかがえます。

「寝る時間は遅いけれど元気そうだから大丈夫」と思っていても、毎日わずかに睡眠時間が足りないことで、知らぬ間に子どもの集中力や健康状態などに悪影響が出るおそれもあるのです。

睡眠不足で起こりうる弊害とは?

LeManna / Shutterstock.com

睡眠が足りていないと、子どもにはどのような影響があるのでしょうか。

脳の疲れが取れずに脳機能の回復が滞る

寝不足だと脳の疲れが十分に取れないため、頭がぼんやりとする状態が続いてしまいます。

集中力や注意力、記憶力が低下するだけでなく、疲労感や眠気といった症状により、学校の勉強についていけなくなり、学力に影響が出ることもあるのです。

また、脳の過労状態が継続すると、睡眠障害を引き起こす場合もあります。

免疫力の低下で健康面に支障も

成長を促し、傷ついた細胞を修復して免疫力を強化する成長ホルモンは、睡眠中、特に深い眠りであるノンレム睡眠中に多く分泌されます。

そのため睡眠が足りないと、発達に遅れが出たり、病気への抵抗力が低下して風邪を引きやすくなったりするおそれがあります。

睡眠不足の子どもによく見られる症状とは?

Sam Wordley / Shutterstock.com

未就学児であれば10~12時間が睡眠時間の目安ですが、子どもによって十分な睡眠時間は異なります。

子どもに次のような症状が見られる場合は、睡眠不足に陥っている可能性があるため、生活リズムの調整を検討してみましょう。

朝、1人ですっきりと起きられない

慢性的な睡眠不足により、親に強く起こされないと起きられなくなったり、起きても体調が悪くすっきりと起きられない状態が続くことがあります。

常にイライラしている

眠る時間が足りないと、十分に体をリラックスさせ、ストレスをやわらげることができません。その結果、常に機嫌が悪く、イライラしやすくなるのです。

休みの日、3時間以上いつもより遅くまで寝ている

ゆっくり休める環境にあるとき、体は自然と睡眠負債を返済しようとします。

休日に、子どもが3時間以上普段の起床時間より遅くまで寝ているなら注意が必要です。睡眠負債が積み重なっているおそれがあります。

日中、あくびをする

あくびは脳の覚醒をうながすために起こるものといわれています。

日中子どもが何度もあくびをするようなら、睡眠不足のために脳が十分に覚醒できてないからかもしれません。

子どもの睡眠時間を確保するために親ができること

LeManna / Shutterstock.com

「早く寝なさい」と言ってすぐに寝てくれる子どもばかりではありませんから、子どもの睡眠時間を毎日十分に確保するのは難しいものです。

子どもに夜しっかりと眠ってもらうには、どのような工夫をするとよいのでしょうか。

子どもの体内時計を整える

人間の体には、体内時計(体内リズム)がそなわっています。

ただしこの体内時計は厳密な24時間周期ではなく、24時間より少し長いといわれています。

そのため、朝起きたら太陽の光を浴び、朝食を摂ることによって、体内時計をリセットする必要があるのです。

太陽の光を感じ、食事をして血糖値を上げることで、体内時計が「朝の活動時間になった」と適切に調整され、夜型のリズムになるのを防ぐことができます。

昼間はできるだけ身体を動かす

日中はできるだけ外で行動し、太陽の光を浴びることが大切です。

太陽の光を浴びることで、セロトニンという神経伝達物質の分泌がうながされます。

セロトニンは、睡眠ホルモンの一種であるメラトニンの原料となるもの。メラトニンには、睡眠・覚醒のリズムを整え、心地よい目覚めをサポートする作用があります。

日中に十分なセロトニンが分泌されることで、夜間はメラトニンが良い睡眠を導いてくれます。

寝る90分前に入浴を済ませる

お風呂は寝る直前ではなく、就寝の90分前までを目安に入るとよいでしょう。

入浴すると体温が上昇し、およそ90分かけてもとに戻ります。その後、さらに体温が下がって、眠りを誘いやすくなるのです。

寝る前はテレビやスマホなど強い光から遠ざける

寝る前にテレビやスマートフォンの画面を見るのはおすすめできません。

明るい光や、スマートフォンの青色光(ブルーライト)は体内時計を狂わせ、寝つきを悪くしてしまいます。

休日も「寝だめ」はしない

平日の睡眠時間が足りていないからと、休日に「寝だめ」をするのはやめましょう。

週末の「寝だめ」では、睡眠負債を返済することは難しく、体内時計が狂って夜寝つきにくくなることもあります。

休日も平日と変わらず、規則正しい生活を心がけることが大事です。

子どもが早寝早起きしやすい環境を整えよう

Africa Studio / Shutterstock.com

厚生労働省は、「国民健康・栄養調査」において年代別の睡眠時間を調査しています。

平成29年の結果では、1日の平均睡眠時間が6時間未満だと回答した40代はおよそ半数にのぼりました。

パパ・ママどちらも仕事をしている場合、午後6時に帰宅できたとしても、そこから夕食を作り、子どもに食べさせて、お風呂に入れ、絵本を読んだり宿題を見てやったりしていたらあっという間に9時台になります。

すぐに寝てくれればいいのですが、子どもの体力が余っていたり興奮していたりすると、寝つくまでさらに時間がかかります。当然、親が寝る時間も後ろ倒しになってしまうでしょう。

親が自分の睡眠時間を確保し、ゆったりと休むためにも、朝は寝坊させずにしっかり起こす、日中はよく外で遊ばせる、夜は明るい画面を見せるのをひかえるなど、子どもが早寝早起きしやすい環境を整えたいですね。
この記事は執筆時点のものですので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

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WRITER

青海 光 青海 光  都内在住、二児の母。大学卒業後、子育てをしながらIT企業でフ ルタイム勤務をしていましたが、夫の海外赴任に伴い退職。カオスなインドで3年ほど暮らしました。帰国後はライターとして 、育児やライフスタイルに関する記事を中心に執筆しています。楽しく・読みやすく・有益な情報をお届けします!