2019年3月7日 公開

「コールデコット賞」ってどんな賞?おすすめ受賞作品5選

「子どもの芸術的センスを磨きたい!」という方は、絵本を選ぶ時にイラストの芸術性に着目して選んでみては?絵本の賞の中には、絵本の挿絵に着目したものがあり、その一つが「コールデコット賞」です。今回は、コールデコット賞の詳細と受賞作品からおすすめをご紹介します。

コールデコット賞とは?

コールデコット賞は、世界三大絵本賞の一つです。具体的にコールデコット賞とはどのような賞なのか、またどのような作品に贈られるのでしょうか?

アメリカ合衆国の児童文学賞

コールデコット賞は、1937年にアメリカ図書館協会により作られた、アメリカ合衆国の児童文学に関する賞です。同時にアメリカの児童文学賞には、優れた作品に贈られる「ニューベリー賞」というものもあります。コールデコット賞は、ニューベリー賞と並ぶ重要な賞だといわれています。

この賞の名称は、イギリスのイラストレーター「ランドルフ・J・コールデコット」から名付けられました。

芸術性の高い絵本に贈られる

コールデコット賞は、アメリカで出版された絵本の中から毎年選出。最も優れたイラストを描いた画家に贈られます。子どもの絵本に贈られる賞ですが、選出される絵本はどれも芸術性の高いものばかりです。受賞基準は以下のようになっています。
・前年に、アメリカ合衆国で出版された英語の本であること。
・イラストレーションはオリジナル作品であること。
・イラストレーターはアメリカ合衆国の市民もしくは居住者であること。
・使用された芸術的な技法、ストーリーの絵画的な解釈、ストーリーとイラストの様式の適合性、プロット・テーマ・キャラクター・雰囲気や情報などの絵を通じた描写、子どもの読者を想定した表現であることが評価される。
・本が子どもの理解力、能力、鑑賞力に敬意を払っていること。
・本がそれ自身で完結しており、楽しむために他のメディアに依存していないこと。

想像力が掻き立てられてワクワクする絵本

タイトル:かいじゅうたちのいるところ
著者  :モーリス・センダック(作)、じんぐうてるお(訳)
出版社 : 冨山房
お子さまが言うことを聞かないときに「いうこと聞かないと閉じ込めるよ!」「鬼が来るよ!」などと脅したことのあるパパママは多いのでは?この絵本の主人公、マックスのお母さんも、大暴れするマックスを夕食抜きで部屋に閉じ込めてしまいます。すると、なんと部屋の中に木が生えて森ができ、波が現れたのです。

マックスが船に乗り進んでいくと、怪獣のいるところに到着します。マックスは魔法で怪獣たちを手なずけ、その島の王様になりました。しかし次第にさみしくなったマックスは、元の世界にもどりたくなり……。

突然部屋が異世界になり、あらわれた大きな怪獣たちを意のままに操る……。お子さまなら誰もが、想像力を掻き立てられワクワクしてしまうでしょう。

ストーリーもさることながら、怪獣たちの愛らしいイラストがさらに作品の魅力を増しています。怖がりなお子さまも、こんなかわいい怪獣なら「会ってみたい」と思うかもしれません。

幸せについて考えさせられる絵本

タイトル:ちいさいおうち
著者  :バージニア・リー・バートン(文・絵) 石井 桃子(訳)
出版社 :岩波書店
小さくてかわいらしいおうちが、ポツンと静かに建っています。幸せな家族の生活と、美しい季節の移り変わり。そんな幸せな風景が、遠くから作られてきた道路により少しずつ壊されていきます。

ちいさなおうちの周りは気がつくとすっかり都会になり、おうちはビルの谷間に飲み込まれそうになっていました。そんなとき、ちいさなおうちに住んでいた家族の子孫がやってきます。小さなおうちを、美しい丘の上に移すためです。

この絵本を読むと、文明が発達し便利になることで、失われるものもあるのだと実感させられます。「幸せとは何か」と考えさせられる絵本です。

また、表紙に出てきたおうちの絵が、最後にはもとに戻る様子は命の連鎖を思わせます。お子さまだけでなく、大人の心にも響く作品でしょう。

好奇心がかきたてられる絵本

タイトル:漂流物
著者  :デイヴィッド・ウィーズナー(作)
出版社 :BL出版
この絵本にはいっさい文字がありません。しかし好奇心をかきたてられ次々とページをめくりたくなるはずです。主人公の少年は、浜辺でカメラを拾いました。そのカメラのフィルムを現像してみると、見たことのない世界が写っていたのです。

知らないことを知りたい、見たことのないものを見てみたいというのは人間の好奇心の源。そして好奇心は、学ぶ意欲を引き出してくれます。絵本を見終えたお子さまも、「もっといろいろなことが知りたい!」と感じるかも。

またこの絵本は文字がないので、絵本が苦手なお子さまや、まだ小さなお子さまでも気軽に手に取ることができます。文字がないぶん絵をじっくり眺めることができ、何か面白い発見ができるかもしれません。

自然の素晴らしさを伝えたいときに

タイトル:木はいいなあ
著者  :ユードリイ(作)、シーモント(絵)、西園寺祥子(訳)
出版社 :偕成社
最近はマンション暮らしで庭がなかったり、家の周りに緑が少なかったりという方も多いのではないでしょうか。しかし緑が身近になくても、絵本を利用することで自然の素晴らしさをお子さまに伝えることができます。

この絵本は、子どもの目線で木の素晴らしさが描かれており、お子さまは共感しやすいのではないでしょうか。読み終えたら、自然豊かな場所にお出かけしてみては?自然の素晴らしさを一層実感できることでしょう。

絵本全体にのんびりとした雰囲気が流れており、仕事や家事につかれているパパママには癒し効果も期待できそうです。

元気になりたいときにおすすめの絵本

タイトル:エイモスさんがかぜをひくと
著者  :フィリップ・C・ステッド(文)、エリン・E・ステッド(絵)、青山南(訳)
出版社 : 光村教育図書
繊細なタッチが生む柔らかな雰囲気と、温かなストーリーがマッチした作品です。動物園につとめるエイモスさんはある日、風邪で寝込んでしまいます。園の動物たちは、大好きなエイモスさんが心配で仕方ありません。そこで彼をお見舞いするべく、ゾウやカメ、サイたちはバスに乗り込みます。

普段はゾウとチェスをしてあげたり、ミミズクに本を読み聞かせたり、動物たちと友人のように接するエイモスさん。その恩返しといわんばかりに、たっぷりの愛情を返す動物たちの姿には、思わずグッときてしまいます。

体調を崩してしまったお子さまに読み聞かせてあげるのもおすすめ。心がぽかぽかして、元気が湧いてきそうです。お友だちに優しく接していれば、それが自分にも返ってくるという教訓も伝えられるでしょう。

コールデコット賞受賞作品で芸術的センスを磨いて

お子さまの絵本を選ぶ際、お子さま好みのキャラクターチックなイラストのものを選ぶことが多いかもしれません。しかしときには、芸術性にこだわって絵本を探してみてはいかがでしょうか。コールデコット賞は毎年、芸術的に優れた作品が選ばれます。小さなころからホンモノにふれる機会を増やすことで、芸術的センスが磨かれるかもしれませんね。
この記事は執筆時点のものですので、最新情報は公式サイト等でご確認ください。

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rinoyuzu rinoyuzu  はじめましてrinoyuzuです。高校生の娘と息子がいます。以前は教員をしていました。これまでの経験を活かしながら、記事を書いていきたいです。みなさまのお役に立てるとうれしいです。