「ちょっと難しそう…」
「自分が英語に苦手意識がある…」
と敬遠されてしまいがちです。しかし、親が英語が苦手でも、お金をかけなくても、大丈夫!
英語を生活の一部にしてしまうことで、親子で一緒に楽しみながら成長していくことができます。バイリンガルを目指すことも夢ではありません。
おうち英語って?
おうち英語とは、基本的には家で英語を取り入れていく方法です。具体的には、
・英語絵本
・動画(DVDやYouTube)
・英語音声(CDやPodcast)
・ワークブック
・遊び
・語りかけ
・ネイティブ環境
などを少しずつ用意し、子どもが楽しく自然に英語を習得できる環境作りをします。ただ、おうち英語は長期戦。1冊の絵本や1回の取り組みで結果が出るものではありません。
期間も1か月などではなく、2年、3年と長い目で考えて取り組みを継続していくことが必要です。筆者も、2歳からのおうち英語のスタートではありましたが、自分の中で壁を感じることも多くありました。
「でも今やめたら、今までの努力が水の泡だ」と自分に言い聞かせながら続けています。。
英語育児を始めて早5年。小学校1年生の息子の英語力は、5歳で英検5級、小1で英検4級という実力です。もちろん英検だけで英語力の全てが測れる訳ではないので、ある程度どっぷりおうち英語に取り組んできた家庭の一例として考えてくださいね。
おうち英語の進め方
おうち英語を始めようと思ったきっかけ
留学や海外経験もなく、日本の学校教育で英語を学んできた筆者。なぜか学生時代に帰国子女の友人が多く、「子供の頃から自然に英語を身につける」という方法があることを知りました。そしてその経験が英語学習にプラスの影響を与えていることを身近に感じてきたのです。
そこで私は、子どもを授かる前から、「子どもが生まれたらおうち英語を取り入れたい」と考えていました。そうはいっても、中学生から日本の公教育だけで英語を「勉強」として学んできています。
そのため、どうやって子どもに自然に英語を身につけさせるか、はじめは全くわかりませんでした。
日本語も英語も言葉を認識するプロセスは同じ?!
日本語を身につけるのと同じように、自然と無理なく英語を身につけていくにはどうしたらよいだろうか?そう悩んでいるうちに、時間だけが過ぎてしまい、息子が1歳になると少しずつ日本語の単語が出てくるようになりました。
そこで、息子の様子を観察していると、大きな発見があったのです。
1歳の息子は、『目に見たもの』と『耳で聞いた言葉』が同じであることを気付かせてあげると、『物には名前があること』を認識していました。そして、耳で聞いて覚えた『物の名前』を少しずつ自分の言葉として口に出していたのです。考えてみれば当然のことかもしれません。
例えば、外で「葉」を見つけた時に、「葉っぱだね」と声をかけてあげます。すると、子どもは『目に見えたもの』が「葉っぱ」という名前だと知るのです。そして、あるとき自分でも「葉っぱ」と言ってみると、自分の口が『耳で聞いた言葉』(=「葉っぱだね」)と同じ言葉を発していることに気づきます。
私は、息子のこの姿を見た時に、同じプロセスで英語を身に着けることができることを確信しました。
①:目で何かを見る
(絵本で何かを見る)
↓
②:目で見た物の名前を英語で教える
(読み聞かせを聞くことによって、目で見た物の名前を知る)
↓
③:子どもが英語で物の名前を理解する
(実生活でも反復して言葉を使うことで、絵本で見た物の名前の理解が深まる)
↓
④子どもが覚えた英語を話す
①~③までのインプットの時間をたっぷり設けることで、④のアウトプットは自然に出てくることでしょう。このプロセスを繰り返せば英単語が日常で自然に覚えられます。絵本を活用することで親子のおうち時間も充実させることができそうです。
我が家でも、このプロセスを踏むことを大切にしながら、『家の中に当たり前に英語のある日常』の環境作りを徹底して心がけてきました。
英語を生活の一部に取り入れる
「当たり前に英語のある日常」をつくるためには、「さあ、英語をやろう!」と身構えず、親子間で英語を当たり前に使います。CDや動画もどんどん取り入れ、家の中で英語に特別感を持たないような演出を心がけました。
その方法は様々ですが、今回は、英語絵本に焦点をあて絵本の中の英語を生活に取り入れる楽しみ方を紹介していきます。
英語絵本の読み聞かせといっても、「絶対英語を子どもに身に着けてほしい!」「英語英語!」と焦りの気持ちを持たずに、「子どもと一緒に楽しもう。子どもと一緒に成長しよう。」と明るく前向きな気持ちで読んであげてくださいね。
初心者さんにおすすめの絵本と活用方法
英語の絵本は、読んで終わりではありません。絵本の中には、たくさんの自然な英語表現がでてきます。それらを生活の中でも使うことで、子どもは驚くほど理解してくれます。読み聞かせとインプットで、より自然な英語習得へと繋げましょう。
とはいえ、おうち英語を始めたばかりの子どもは、生活の中で英語を使ったとしても、なかなか自分から英語を話しだしたりはしません。
でも大丈夫。アウトプットが出てくるまでは「時間がかかるもの」と考えてください。初めの1,2ヶ月は焦らず根気よく、インプットに徹しましょう。ある日、水道の蛇口から水が出るように、はじめはチョロチョロと、そして段々勢いよく英語のアウトプットが出てくるようになります。
ここからは簡単な単語がたくさん出てくる絵本で、実生活への活用方法も一緒に紹介します。おうち英語で活用しやすいので参考にしてください。
「Where is ○○?」の表現が身につく絵本
まずはじめに、Where is ○○?の表現の習得に最適な絵本と生活への取り入れ方を紹介します。
Where is ○○?の表現、日本語で言うと「○○、どーこだ?」という表現です。かくれんぼやいないいないばぁ遊びが大好きな子供たち。「お母さん、どーこだ?」「おへそ、どーこだ?」と英語でも楽しむことができたら、親子のおうち遊びとおうち英語の両方を叶えられる時間になりますよ。
Where is baby’s belly button?|Karen Katz
おうち英語初心者さんに最もおすすめしたい作家さんの一人、Karen Katz。今回紹介する絵本に限らず、幼児向けのかわいらしく分かり易い絵本をたくさん書かれています。作者のWebsiteで全ての絵本をチェックすることができますので、気になる方は是非覗いてみてください。
この絵本の中では、全てのページで「Where is ○○?」の表現が使われていて、それに対する答えが仕掛けをめくると出てくる、仕掛け絵本になっています。仕掛けをめくる楽しさだけでなく、eyesやhands、belly button といった身体を表す単語を自然と身に着けることが出来ます。
読み聞かせている間、仕掛けをめくりながら子どもから「わぁ~!」と歓声が上がるように、少しずつめくってみたり、オーバーリアクションをとってみたりすると、盛り上がること間違いなしです。
Where is baby’s mommy?| Karen Katz
「Is Mommy behind the plant?」
「No! My ball is behind the plant」
という表現の繰り返しの中で、仕掛けを楽しみながらYes,Noや疑問文、前置詞が理解できる仕組みになっています。
「Is he behind the door?」
「No」
という繰り返しですが、仕掛けをめくらないと質問の答えが分からないところが、子ども心をくすぐります。子どもに仕掛けをめくらせてあげて、一緒に驚いたり歓声を挙げたり、親子で共感しながら読んでみたい絵本です。
さて、この3冊の絵本の中でよく出てくる表現は下の3つ。
「Where is○○?」
「Is 名詞+前置詞+名詞?」(例:Is Mommy behind the plant?)
「Yes, No」
こちらの絵本は、全く同じ表現を使って家の中でかくれんぼをして楽しむことができます。
例えば、親がカーテンの後ろに隠れて、
「Where is mommy?」
と言ってみたり、反対に子どもに隠れてもらって、
「Where are you?」
と言ってみたりしてもいいでしょう。
ボールをどこかに隠して、
「Where is your ball?」
「Is your ball behind the plant?」
「No!」
と言って遊ぶこともできます。
はじめは子どもからの英語での発語は出来なくて当たり前ですので、親がどんどん絵本の中の表現を真似して使ってみましょう。慣れるまでは絵本と同じ表現で構わないので、親から進んで絵本のフレーズを生活の中でも実際に使い、楽しむ姿勢を見せることが大切です。
「Hug とKiss」が身につく絵本
Huggy Kissy|Leslie Patricelli
Leslie Patricelliも、幼児向けのかわいいイラストの絵本を沢山出している作家さんです。この’Huggy Kissy’の絵本の中では、’Tuggy’’Huggy’’Yummy’’Kissy’など、一般的な単語を崩した「赤ちゃん言葉」の英語表現が多く含まれています。
daddy hugs 1・2・3|Karen Katz
お父さんが、1から10までの数を数えながら子どもにキスをしていくお話。絵本を読み聞かせながら、お子さんにキスをしてあげれば、盛り上がること間違いなしです。
counting kisses|Karen Katz
こちらも、10までの数を数えながらお母さんが子どもの身体の色々な部分にキスをしてあげる、かわいらしいストーリー。絵本のなかで、toes、feet、kneesと色々な身体パーツが出てきます。読み聞かせをしながら、これらの身体パーツに実際に触り、親子のふれあい遊びの中で自然と英語を使えそうです。
この3冊の絵本の中でよく使われている’Hug’や’Kiss’の表現。絵本を読んでいる最中はもちろん、絵本を読んだ後も、親子の日常の中で簡単に使うことができます。子どもを抱きしめながら「Huggy♡」と言ったり「Kiss your toes♡」と身体パーツを交えてみたり。
これなら、「Hug」は「抱きつくという意味だよ」といちいち伝える必要はありません。「抱きつく」という動作と「Hug」という言葉をリンクさせてあげるだけで、子どもは正しい意味を想像出来るからです。
絵本を活用して『物の絵と名前』を一致させ、それを実際に行動に移したり実生活でも反復して使ってみることで、耳で聞いて覚えた『物の名前』を子どもが少しずつ自分の言葉とすることができます。
そのため、絵本を読み聞かせながら、物や動作の名前を英語で理解しているかな?と子どもの様子を常に観察しながら読んであげましょう。理解していなければリアクションに工夫をしたり、同じ表現をおうちでも使ったり様々な方法を試してください。
少しずつ理解できる言葉が増えると、楽しめる絵本の幅も広がり、おうち英語の質がより深まることでしょう。
どんどん英語を取り入れよう
英語に興味があってもどうやって英語絵本を読み聞かせたら良いのか分からない、活用の仕方が難しい、という悩みをよく耳にします。
今回紹介した絵本は、どれも簡単なものばかりです。絵本の読み聞かせを取り入れているご家庭は多いと思います。あまり身構えずに、親子で一緒に楽しむという気持ちで英語絵本も読んでみてください。また、読み聞かせの後は出てきた英語表現を実際に使ってみると、「英語も日本語も特別じゃない」という日常を生み出せます。
おうち英語は長期戦とはじめに書きましたが、正しい言語認識のプロセスを踏まえながら、生活の中に英語を馴染ませることがポイント。楽しく英語を身に着けていくことで、お子さんが気づいた時には英語が出来るようになりますよ。ぜひ実践してみてください!