おかたづけ、整理整頓が苦手なお子さまは多いですよね。
子どもは好奇心が旺盛で、いろいろな遊びを短時間で次々行います。気の向くまま自由に遊ぶことは脳の発達にも好影響。ただその都度、かたづけをしないと、家の中はどんどん散らかっていきます。
以下のような、おかたづけのお悩みはよく聞かれます。
・使ったものを元の場所に戻さないので、良くものをなくしてしまう。後から見つかることも多いので同じものを何個も持っている。(例:消しゴム・ノート・移動ポケットなど)
・「かたづけなさい!」と促すと、しぶしぶ片付け始めるが、とにかく遅い!親がやった方が速い。片付けに集中してさっさと終わらせて欲しい。
・かたづけるように注意すると、「今やろうと思ってた!」、「後でやるから!」などと言われて、結局いつまでも散らかっている。
筆者には小学6年生の娘がいますが、かつては同じ悩みを持っていました。小学3年生までは整理整頓が苦手でしたね。
整理整頓は、散らかる前に、その都度行うことが「あとあと面倒にならない」ポイントです。できれば幼児期のうちに整理整頓を習慣にしておきましょう。もちろん小学生以上のお子さまも、ちょっとした工夫と親御さんのサポート次第でおかたづけ上手になれます!
整理整頓力は子どもの学力も高める!?
学習効率を上げるには集中力を高く保つことが必要です。勉強をする際には、「余計なものは視界に入れないこと」が自然と集中力を高めます。
プリント、筆記用具、ゲーム、お菓子・・・いろいろなものが散在している机や部屋は、集中力・判断力が低下しますよね。
「散らかっている中にも定位置があるから大丈夫!」という意見も聞きますが、やはり余分なものが多いと、その分注意力はそがれます。
整理整頓は視覚に入る情報を整理するだけではなく、要不要を選択することで論理的思考力を育みます。
このように、整理整頓する力は学力向上にも直結します。
・判断力
・論理的思考力
・情報分析力
「年代別」整理整頓の習慣づけ
整理整頓を習慣化するには、できるだけ早い時期に「ママパパと一緒におかたづけ」をすることです。何でも親の真似をする乳幼児期は、整理整頓習慣づけがしやすい時期です。
もちろん乳幼児期を過ぎても、アプローチの仕方を変えることで、簡単に整理整頓の習慣はつけられます。
【2歳まで】
親の行動を観察し、何でも真似したがる乳幼児期は「ママパパがお手本となっておかたづけをする姿」を見せながら、お子さまにも一緒に行うように促しましょう。
目が離せないこの時期。あちこち動き回りながら、散らかすので、ママパパがササっとかたづけてしまうことがほとんどではないでしょうか。安全面からも、部屋の中は物が散乱しないように気を付けたいところ。
すべてをお子さまと一緒にかたづけるのは難しいので、「ボールを箱にしまう」、「本を棚に入れる」、「おもちゃを箱に入れる」などの単純な動作をやってもらいます。
「ママパパとおかたづけ一緒にしようね!○○ちゃん、この箱にボールないないできるかな?」などと、誘います。
かたづけた後は「上手にできたね!お部屋がきれいになったね~、ありがとう!」とのように褒めることでおかたづけが習慣化します。
【3歳~小学校入学まで】
おかたづけが辛いのは、散らかり過ぎてしまった時です。あまりにも部屋が散らかると、どこから手をつけて良いのかわからなくなって、かたづけへのモチベーションがわきづらいです。
まずは使ったものをこまめに元の場所に戻す癖をつけることで、部屋は散らかりづらくなります。
「お絵描き」の後、ブロック遊びをするなら、お絵描きの道具はいったん全部しまわせます。
「後でまた遊ぶから。」
「後でかたづけようと思ってたのに。」
などの言い分は受け止めつつも、”我が家のルール”として守らせましょう。
もちろんママパパも、出しっぱなしはせず、その都度かたづけます。子どもに出しっぱなしを指摘されたら、素直に認め、すぐにかたづけましょう。
どんなに散らかっていても、親が1人でかたづけてしまうことはNG。親がサポートするにせよ、子ども主体でかたづけさせましょう。
学校や習い事の書類の分類はアドバイスを与えたり、一部手伝いをしたりしても良いでしょう。
※子どもが不要とした書類は、捨てる前に親が必ず確認
【小学生以上】
筆記用具をまとめて収納できるペン立て、プリントを分類できるホルダー、伸縮自在のブックエンド・・・子どもが面倒くささを感じずに、その都度整理できるグッズがあると良いでしょう。
教科書、プリント、習い事のテキスト、通信教材・・・小学校に入学すると、教材や道具がどんどん増えていきます。こまめに自分で取捨選択をして、整理整頓をしなくてはなりません。整理整頓ができないと、授業で必要なものを忘れる、宿題の箇所を間違える、保護者会や集金などに関する書類の紛失、等が起こりやすくなります。学校や塾の学びの質も低下するので、ランドセルや学習スペースの整理整頓は毎日行うのがベスト。
整理整頓は教育?しつけ?
幼児期のうちは生活習慣、社会規範を習慣づける「しつけ」の一環として行います。整理整頓は、身の回りを整理することで、脳内で情報を体系化しています。
「物事を分類し、優先順位をつけ、取捨選択をして収納する」
整理整頓の行為を繰り返すことで知識、教養、道徳規範も身についていくので、整理整頓はしつけでもあり、習慣化することで教育にも発展していきます。
自然にできるようになるもの?
「整理整頓の習慣は自然と身につけられるか?」という点ですが、お子さまの性格と親御さんの生活態度次第では可能と言えます。
ママパパが整理整頓を心がけて、まめに掃除をする様子を、生まれた頃から、日常的に見てきたお子さまは、整理整頓を習慣としてとらえています。そのため、1歳を過ぎて自由に動けるようになってくると、自主的に掃除やかたづけの真似事をするようになります。
整理整頓された家庭で生活していても、自然とできるようにならない場合もありますが、ママパパのかたづける様子を見せておくことで、整理整頓の指導に説得力が生まれ、お子さまの習得も早くなります。
【実体験】我が家の整理整頓のしつけ
小6の娘は、今では整理整頓ができますが、幼稚園や低学年の頃は何かするたびに散らかしていました。
ブロック遊びの後、流れで人形ごっこ遊び、その後はお絵描き・・・次々と興味が移って、遊びを変更していくので、どんどんおもちゃが散乱していくのです。遊びを終える頃には、疲れているので、大量のおもちゃをかたづける元気がありません。
私が叱ると、「今やろうと思ってたのに!」、「ママも一緒に手伝って欲しい!(ほぼ筆者がやることになる)」などと言って、すぐにやりませんでした。
娘が自分で、こまめにかたづけるにはどうしたら良いか考えた結果、以下のような対策をとることで自主的にかたづけられるようになりました。
【一つの遊びが終わったらかたづける】
かたづけるものが増えるほど、かたづけのハードルは高くなります。散らかり度の低いうちなら、幼児にも簡単にかたづけられるはず。
「遊びごとにおかたづけ」をママパパとの約束にします。おかたづけできたら「シールを貼る」、もしくは「めちゃくちゃ褒める」ことでおかたづけのモチベーションを上げます。
【親が家庭内を整理整頓する姿を見せる】
親や祖父母など同居している大人が整理整頓する姿を見せることで、整理整頓が子どもにとって当たり前のこととなります。その際は「○○ちゃん、手伝って」と、子どもにお願いします。かたづけ終ったら、「○○ちゃんが手伝ってくれて助かったよ、ありがとう!」とねぎらいましょう。
【嫌がる時は遊びの要素を】
おかたづけを遊びにして、スピーディに終わらせます。
例えば、
「○○くんはお絵描きセット、○○ちゃんはぬいぐるみ、パパは絵本をかたづけるよ。誰が一番に終わるかな?」
「○○の歌を歌い終わるまでにかたづけ終るかな?(その後子どもとともに歌いながらかたづける)」
などと、声がけして気分を盛り上げましょう。
どうしても嫌がる時は
「ママ、○○くんとおかたづけ一緒にするの好きなのになあ。寂しいな、一緒にやってほしいな。」と自尊心をくすぐるのもおすすめ。
整理整頓グッズで子どものモチベーションをアップ!
親としては整理整頓をしっかりした上で、家庭学習にも取り組んでほしいですよね。整然とした部屋、机での勉強は「あれこれ探す」手間がなく、学習が進みやすいです。
しかし、毎日増えるプリント類、各種文具類、学校や習い事の教材をすっきりまとめるのは、お子さま1人では時間がかかることも。かたづけに疲れてしまい、勉強に向ける集中力が切れてしまうこともあります。
特に未就学児、低学年のお子さまの整理整頓は、「わかりやすく簡単である」ことが大切。
自主性を育む整理整頓をサポートする便利グッズをご紹介いたします。
キッズ トイハウスラック
商品名:アイリスオーヤマ おもちゃ箱 天板付き キッズ トイハウスラック
メーカー名:アイリスオーヤマ(IRIS OHYAMA)
アイリスオーヤマのベストセラー商品。
斜めになっているから乳幼児もおかたづけしやすい!入れるだけで良いので、整理整頓の習慣づけにピッタリ。
「おむつ、お世話グッズ入れ→おもちゃ箱→学用品や小物入れ」のように、0歳~小学生まで長く使えるトイハウスラックです。洋服や下着類を入れても良いですね。
引き出しごと取り出せるので、おもちゃや学用品をまとめて運ぶことができます。
ナカバヤシ なげこみBOX(6分類)
商品名:ナカバヤシ なげこみBOX(6分類)
メーカー名:ナカバヤシ(Nakabayashi)
保育園、幼稚園、学校のおたより、保護者会のお知らせ、教材費集金のお知らせ、アンケート・・・電子化が進んでいるとは言え、まだまだ書面での連絡は多いですよね。小学校に入ると宿題プリント、資料が毎日のように渡されるので、整理整頓が苦手なお子さまですと、プリントが溜まっていき収集がつかなくなります。
「なげこみBOX」の名前の通り、上からポンポン入れるだけで、簡単にプリントの整理ができます。未就学児のお子さまも自分で整理できます。万が一分類を間違えても、「とにかくお手紙はこのBOXに入れること」という事前ルールを設けておけば紛失は防げます。
「学校からのおたより」「塾からのおたより」「寺子屋プリント」「塾の宿題」などのように、項目を自由に設定できます。
ハイブデスクオーガナイザー
商品名:ハイブデスクオーガナイザー
メーカー名:LITEM.
たくさん収納できるのに省スペース。取り出しやすく、かたづけやすい!シンプルかつモダンなデザインで実用性とデザイン性を兼ね備えたペン立てです。
鉛筆、マーカーペン、消しゴム、付箋・・・机の上で散らかりがちな筆記用具を整理して収納します。斜めに差し込んでいくだけなので、その都度かたづける習慣がつきます。
勉強の前に必要なもの一式を、学習机やリビングなどに置いておけます。あれこれ準備せずに済むので、すぐに学習に取り掛かることができます。
かたづけしないとどうなるの?
タイトル:かたづけしないとどうなるの?
著者::ひらい たろう (著), ヲバラ トモコ (イラスト)
出版社:あいうえお館
「かたづけ習慣が身につく」定番知育えほんです。
「ほんやふしぎなきかい」が大好きなメトロン星人の部屋は散らかり放題。遊びに来たウルトラセブンは、かたづけを勧めますが、メトロン星人は「どこに なにが あるかは しっかり わかっているんだから」と笑っています。
しかし、ある日つまずいたことから、痛い思いをした上に、部屋も滅茶苦茶になってしまいます。
「部屋が散らかっているとなぜいけないのか?」、「いつも”片付けなさい!”って言うのはなぜ?」のような、子どもの疑問にウルトラマンとメトロン星人が実体験に基づき、優しく解説。説教がましくないので、素直に受け入れられます。
10才からの整理整とん (大人だって本当は知らない)
タイトル:10才からの整理整とん (大人だって本当は知らない)
著者:梶ヶ谷 陽子 (監修), みるパン (イラスト)
出版社:永岡書店
かたづけが嫌い、苦手、面倒なお子さまに読んでいただきたい「整理整頓の指南書」。かたづけがバッチリできるようになる本です。
モノのしまい方は、立てる、ねかせる、かける、重ねるの4種類があり、モノによって適切なしまい方がある、
かたづけをしないと「時間」「場所」「お金」が無駄になる、
などをマンガとイラストでわかりやすく解説。
整理整頓の重要性とコツを知ることで、楽しくこまめにかたづけができるようになります。
整理整頓の基本は「使ったら元に戻す」
部屋が散らかる=モノがさまざまな場所に置かれている状況です。散らかる原因のほとんどが「使ったものを元の場所に戻さないこと」。家族全員で「今やっている作業が終了したら次の作業に移る前に、いったんすべて元の場所にしまう」ルールを徹底することで、部屋の綺麗さはかなりキープできるはず。「明日も使うから」「誰か使うかも」などと理由をつけて、置きっぱなしにすることはママパパもしないようにしましょう。
リビング学習するお子さまであれば、筆記用具や教材類はリビング近くにまとめて収納しておくと良いですね。あちこちに収納場所があると、かたづけも面倒に感じてしまいます。元に戻すことが簡単にできるように、収納場所はカテゴリーごとに固めておきましょう。