2022年11月06日 公開
非認知能力

非認知能力を育む6歳児の遊び

非認知能力は人間の基礎となる力として日本でも注目を集めています。非認知能力は自己肯定感、自分を信じる力、がんばる力、自制心、強調性など人が生きていく上で欠かせない力です。この連載では遊びを通して非認知能力を育むことにフォーカスしていきます。今回は6歳児の非認知能力を育む遊びについてご紹介します。

最近注目を集めている非認知能力とは、人間の心の基礎となる力のことです。非認知能力とは、自己肯定感、やり切る力、自制心、協調性など、人が豊かな人生を送る上で大切な力の総称。この連載では、遊びを通して非認知能力を育むエッセンスをお伝えしていきます。
今回は6歳児の非認知能力を育むオススメの遊びをご紹介します。

「非認知能力」とは、これからの時代を生きる子どもたちに欠かせない力として教育の世界でも関心が寄せられています。非認知能力とは、テストや偏差値などといった数値化できる認知能力とは真逆の力のこと。例えば、自己肯定感、やり抜く力、自制力、協調性など、目には見えないけれど人間が生きていく上でとても大切な力の総称です。

「非認知能力」は世界中の多くの研究結果からその大切さが明らかになりました。日本の学習指導要項でも「非認知能力」のことを“生きる力”と称し、積極的に育むことを推奨しています。

もちろん今まで通り学力などの認知能力も大事です。認知能力と非認知能力には不思議な関係性があって、非認知能力が高まるほど認知能力も伸びることがわかっています。逆に認知能力の向上は非認知能力とは関係がありません。
今回は、6歳児の非認知能力を高める豊かな遊びについてご紹介します。

6歳児は社会性が身につき物事への意欲が高まる時期

6歳児は今までの体験を通して色々なことに興味が湧いてくる頃です。友達と一緒に遊んだ経験の積み重ねから、相手の感情を理解することや、自分の気持ちのコントロールが上手になってきます。大人を介さずに子どもだけで遊ぶ時間も長くなってくるのが実感できる時期でしょう。

さらに様々な遊びを通して得た成功体験から、自信や自律心も身に付いてきます。自分である程度の見通しを立てて、果敢に挑戦する姿が見られるようになってきます。

生活面では身の回りのことが一人でできるようになったり、役割分担ができたり、善悪の区別がついたり、交通ルールを守るなどの道徳性が育ってきます。

6歳児は自立心や自主性を育みながら自信を持たせることを目標に

小学校入学を控えた6歳児に大切なことは、子どもの自立心や自主性を育むサポートを心がけることです。

パパママは心配をしてあれこれと先回りして口や手を挟みたくなるかもしれません。そんなときはぜひ、気持ちをグッと堪えて子どもを信じて待ってみましょう。

まずは子どもに任せてみて、必要なときはサポートできると良いですね。目の前にいる子どもに信頼を寄せてあたたかい眼差しで見守る、パパママの心の余裕もとても大切です。

もちろん危険なことやお友達に手を出してしまうなど、明らかに良くないことはきちんと理由を説明して正すことも大事です。小学校入学を控えて不安な方も多いかもしれませんが、なるべく前向きな気持ちで子どもに接することができたらいいですね。

6歳児にオススメの非認知能力を育む遊び

6歳児におすすめの非認知能力を育む遊びをいくつかご紹介します。ぜひ親子で楽しんで取り組んでみてくださいね。

体を使って自由に表現するダンス遊び

保育園や幼稚園でもダンスを遊びに取り入れているところは多いかもしれません。家ではお子さんの好きな歌を使って気の向くままに振り付けをして踊ってみる、そんな遊びも楽しいものです。お子さんだけでなく親子で一緒に遊ぶことでさらに楽しさがUPしますよ。この遊びでは、表現力や想像力を育むことができます。

一年中楽しめる海での磯遊び

海は一年中遊びの宝庫で夏だけ楽しむだけではもったいない! 磯にはさまざまな生物が住んでいて、子どもの知識好奇心をくすぐってくれます。秋冬などの寒い時期には、子ども用のウェットスーツを購入すると安心して楽しめますよ。

自分で釣った魚や生き物を飼育する

近所の川や海などで簡単な釣りを楽しんでみましょう。凧糸にするめを巻いてのカニ釣りだったり、100円均一などでも買える竿で魚やエビ釣りをするのはエキサイティングな遊びです。この遊びを通して、集中力や自信を身につけることができるでしょう。また釣った魚を家で飼育することは子どもにとっては生物に対する畏敬の念も育ち勉強にもなります。くれぐれも海や川遊びではお子さんから目を離さないずに安全に留意してくださいね。

家族でキャンプに出かける

キャンプをすることは非認知能力を刺激するのにもってこいのレジャーと言えます。いつもの家とは違う場所でテントを張って寝袋で寝ること、焚き火をすること、野外で料理をすること、全てが子どもにとって良い刺激を与えてくれます。また、家族だけではなくお友達家族と一緒にいくこともとてもおすすめです。キャンプでは、挑戦する力やコミュニケーション能力、他者と協働する力や、自己肯定感を養えます。

難易度UPした積み木やブロック遊び

今まで遊んでいたものよりもう少し難易度の高い積み木やブロックで遊んでみましょう。日本製のもの、海外製のもの、色々な遊び方ができるものなどたくさんの種類があるので、お子さんが興味の持つものを選んで遊んでみましょう。手先もさらに器用になりますし、創作意欲や想像力などを育むことが期待できます。

キャンバスに絵を描く遊び

真っ白なキャンバスを用意して子どもに好きなように絵を描く遊びは、大人になったような気分が味わえて子どもの自尊心をくすぐります。モチーフは自由でも何か決めても構いません。子どもによって個性が出て味わい深い作品になることでしょう。この遊びでは、自己肯定感や表現力を身につけることができます。完成した作品は家に飾ってあげるとさらに効果的ですよ。

絵本を自分でつくる遊び

絵本に関するおすすめな遊びが自分で絵本をつくってみることです。この頃になると自分でストーリーを生み出す楽しさも芽生えてきます。この遊びから、創造力や表現力が身に付いていくでしょう。

絵本を開くことは何歳になってもおすすめな豊かな遊びです。親子で読み合いっこをしたり、絵本の内容について話し合うなど、絵本を絡めてできる遊びは無限大デス。絵本の良さはたくさんありますが、開けばいつも同じ世界があるということは子どもに安心感を与えてくれること。子どもが落ち込んだときにいつもの絵本がそばにあることで、いつもの自分を取り戻すきっかけにもなり得ます。

まだまだ6歳児、愛情を持って子どもの成長を見守りましょう

このコラムでは、0歳から6歳までと年齢別に非認知能力を育む遊びを今まで紹介してきました。お子さんが成長していく6年間はあっという間でしたか? それとも長かったでしょうか?

非認知能力の基礎は幼児期の遊びに鍵があることは事実ですが、これから非認知能力が伸びなくなるわけではありません。これからも色々な体験を通してお子さんは非認知能力を身に付けていきます。

これからもお子さんの個性やチャームポイントを見つけて言葉で伝えながら、豊かな遊びを通してお子さんの良いところが伸ばしていけるよといいですね。また、友達との遊びだけではなく、家族で一緒に遊ぶことも子どもの心にとっても大事なことです。お子さんと一緒に楽しめるアクティビティを考えていくことも楽しくおすすめですよ。

【参考文献】

『非認知能力を育てるあそびのレシピ(大豆生田 啓友・大豆生田 千夏)』講談社
『非認知能力が育つ 3〜6歳児のあそび図鑑(監修:原坂一郎 協力:いこーよ イラスト:モチコ)池田書店

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この記事のライター

大曽根 桃子
大曽根 桃子

ちょうどいい働き方を模索し続けている、フリーランスライター&エディターです。子どもの何気ない遊びの中に無限の可能性があると信じていて、非認知能力について勉強中。また、お母さんが笑顔でいることを大切に、積極的に自分のご機嫌を取る日々を送っています。趣味は、テニス、銭湯、サウナ、キャンプ、旅行、美味しいものを食べることなど。10歳男子、6歳女子とふたりの子どもがいます。