キッザニアは、こどもが楽しみながら職業体験ができるお馴染みの職業・社会体験施設。そんなキッザニアで、英語を使った職業体験ができると聞き、早速こども達を連れて行ってみました。キッザニアの英語への取り組みと、実際に体験した様子を紹介していきます。
キッザニアってどんな施設?
日本だけではなく世界中にあるキッザニア。2021年現在、日本では甲子園(兵庫県)と東京の2か所にあります。2022年の夏頃には、福岡にもオープン予定。対象年齢は3~15歳で、本物さながらの職業体験ができる施設です。
入場料は、施設ごとに年齢や時間帯、来場日によって異なります。スムーズに入場するなら事前予約をしてからのお出かけがおすすめです。(キッザニア公式H.P)
どんな体験ができる?
体験できるアクティビティ(仕事やサービス)の種類はなんと、東京・甲子園ともに約100種類にも上ります。幼児にも馴染み深い食べ物系や、消防士、警察官はもちろん、ガードマンやビルのメンテナンススタッフなど私たちの生活を支えてくれている職業まで幅広い仕事体験が可能。
東京と甲子園でアクティビティの種類は若干異なりますが、どちらも日本を代表する企業がスポンサーに名を連ねています。
さらに裁判官や証券会社のコンサルタント、研究者などの専門職まで体験できるとあり、幼児だけではなく中学生まで存分に楽しめるところも特徴です。
推奨の年齢は提示されているものの、年齢制限はなく、気になるアクティビティがあれば気軽に挑戦できるのも楽しさの秘訣です!(ただし一部、身長制限あり。)
英語を使った体験もできる!
キッザニアでは、英語を使った体験ができるのをご存知でしょうか。目印は水色のEのマーク!このマークのあるパビリオンでは、アクティビティを最初から最後まで英語で進行します。
E@K アクティビティと呼ばれており、曜日ごとに5種類ほどのアクティビティが英語で体験可能です。
もっと英語での体験がしたいなら、水曜日の来場が断然おすすめ!毎週水曜日は、「English Wednesday!」と呼ばれる約半数ものアクティビティが英語で体験できます。
他に、グローバルスタッフがナビゲーターとして同伴するE@Kアクティビティを連続して5つまで体験できる「English Activities Program」もありますよ。
こうしたキッザニアの英語への取り組みは、オープン当初から続いている取り組みのひとつだそう。コミュニケーションツールのひとつとして、楽しみながら英語に触れて欲しいという願いから始まったそうです。
English Wednesday!を実際に体験!
自宅での英語学習を続けている筆者は、早速2人のこども達を連れてEnglish Wednesday!を体験してきました。
わが家は、小1と年少の兄弟。兄弟ともに幼少期からおうち英語をマイペースに続けています。とはいえ、長男は小学校に入学してからは、英語に触れる時間が少なくなってきてモチベーションも低下中。
一方、次男は英語が大好き!間違いを気にせずにどんどん覚えた英語を口に出すのが、最近の彼のマイブームです。そんなこども達を連れて、水曜日に行われるEnglish Wednesday!を目当てに、キッザニア甲子園に行ってみました。
まずはすし職人を体験
長男は過去にキッザニアで何度か体験したことがありますが、次男は付き添いのみで今回が初めて。そこで、事前にこども達に希望のアクティビティをヒアリングしてみたところ、「大好きなおすしを作ってみたい!」と第一希望は即決。
たくさんのアクティビティがあるので事前にある程度こどもの希望を聞いておくと、当日スムーズに周ることができます。
まずは受付を済ませて、指定の時間にパビリオン前に集合し、ユニフォームへ着替えてからスタート!
まるで本物の職人さんみたいなユニフォームに、こども達もうれしそう。キッザニアでは、アクティビティごとにユニフォームが着られるのもお楽しみの1つです。
本物そっくりなすしカウンターですし職人に挑戦!
すしカウンターには、予め1人分ずつおすしづくりに必要な道具や食材がセットされています。手洗いの後に、スタッフの説明をしっかり聞いてからアクティビティ開始。もちろん説明は英語で行われますが、“Let’s try!”や、”One more!”などといった、簡単な表現が多く使われます。
絶対日本語はダメ!といった厳格なルールはなく、どうしても英語では分かりづらい内容は、時折日本語を交えての説明も行われていました。ボディランゲージやジェスチャーを交えてこども達に英語を分かりやすく伝えていました。
アクティビティ体験が初めての次男が少し心配ではありましたが、スタッフに手伝ってもらいながらなんとか完成!
仕事をするとお給料がもらえる!
キッザニアでは仕事終了後に、キッゾと呼ばれるキッザニアの専用通貨でお給料がもらえます。キッゾは、施設内にあるデパートで買い物をしたり、銀行に預金したりすることもできます。
大人さながらに「仕事をしてお金を稼ぐ」という経験ができ、キャリア教育やマネーリテラシーにもつながりそう。
もちろん体験を通して作ったものは、持ち帰ることができます。(食べ物はキッザニア内で)
こども達は体験終了後、自分でつくったおすしをおいしそうに頬張っていました。見た目は完璧とは言い難いですが、頑張った後のおすしの味は格別だったようです。
ピザ職人に変身!
続いてのアクティビティは、ピザ職人を選択!食べることが大好きなこども達は、食べ物系のアクティビティ連続チャレンジです。
こちらも、開始前に集合してユニフォームへ着替えます。近所でよく目にするピザショップなので、2人とも大興奮!本物のピザ職人になった気分で、始まる前から「早くやりたい!」とわくわくが最高潮に!
自分でピザが作れる
身支度を整えた後は、3種類の中からどのピザを作るかを選びます。同じ回に参加したこども達全員、迷わず即決していました。
1枚分のPizza dough(ピザ生地)を受け取り生地を伸ばして、ローラーで穴を開けていきます。ソースを塗って、トッピングをのせたらピザ専用オーブンで高温で一気に焼き上げます。
オーブンに出し入れする作業以外は、全て自分でレシピ通りにピザを作ります。説明は英語で行われますが、随時イラストやジェスチャーを交えながらなので、英語初心者でも安心。
ピザ生地をキレイに丸く広げるのが、3歳の次男には少し難しかったようですが、スタッフの方に助けてもらいながら無事に完成しました。
※許可を頂き、特別にパビリオン内にて撮影させて頂きました。
焼きたては絶品!
焼き上がりが近づくと、オーブンから香ばしい焼きたての香りが!焼きたてあつあつのピザは、1枚ずつ専用の箱に入れてもらって体験後のお楽しみに。
普段は、トマトソースが苦手な偏食気味の次男ですが、「こんなにおいしいのは初めて!」と見事な食べっぷりでした。作る楽しみと食べる楽しみが、どちらも存分に味わえたようです。
グローバルスタッフとコミュニケーションも!
アクティビティ中にも、時折挨拶を返したりスタッフの後に続いて英語を口に出す機会はありますが、すでに英語経験があるこどもには少し物足りないかもしれません。もっと英会話にチャレンジしたいなら、グローバルスタッフとコミュニケーションを取ってみるのがおすすめ!
グローバルスタッフは毎日巡回しているそうですが特に水曜日は人数が多く、館内を歩いているとあちこちでにこやかに声をかけてくれる様子が見られました。
はじめは恥ずかしがっていた筆者のこども達でしたが、慣れてくると会話のキャッチボールを楽しめるように。
「どんな体験をしてきたの?」「どんなおすしを作ったの?」と、こどもの目線に合わせながら話してくれる優しいスタッフにあっという間に打ち解けた様子。
人見知りがちでもそっと寄り添ってくれて、スムーズに英語が出てこなくても待ってくれるので、英語を始めたばかりのこどもでも安心です。
キッザニアに行ったら変わった?!うれしい成長も
帰宅後には、思いもよらないうれしい変化がありました。実は長男は、このところ英語へのモチベーションが下がってしまい、しばらくオンラインレッスンは休会していました。
しかし、キッザニアに行ってからというもの『またオンラインレッスン始めたい!』との申し出が!次男は、いつもに増して英語での発言が増えたように感じます。
こども達にキッザニアの感想を聞いてみると、アクティビティ中の英語での説明はだいたい理解できたそうで、こどもだけで仕事体験ができたのが楽しかったそう。
『英語でもっと話したかった!もっと話したいことがあったのに、英語がすぐに出てこなかったから次はもっと話せるようになりたい!』と、英語学習へのモチベーションが驚くほどアップ。
普段から自宅で英語に触れるようには意識していますが、自分から「やりたい!」と意欲的な姿勢がはっきり見えるようになったのは、予想外のうれしい成長でした。さらには、おすしやピザを作った体験からキッチンのお手伝いも積極的に取り組んでくれるようになりました。
やってみたい!が自信に変わる
キッザニアでの体験は、職業の一部の体験にしか過ぎません。しかし、こどもにとっては親から離れて「1人でできた!」という成功体験が心に強く残り、自信につながるのでしょう。
幼児より年齢が上のこどもには、「社会にはいろいろな仕事があるんだ」と働くことの多様性を知り、多くの選択肢を得られるきっかけにもなりそうです。
また今回初めてEnglish Wednesday!を体験してみて、英語学習には実体験が大切ということを改めて感じました。日常生活では、残念ながら英語を使う機会がほとんどないので「英語を使って何かをする」体験はとっても貴重。
英語技能を学ぶための英語教室とは、また違う学びがあるはずです。きっと初めて英語に触れるこどもも、英語がもっと好きになるチャンスがたくさん溢れています。
なによりも普段はなかなか見れない、真剣に取り組むわが子の凛々しい表情は必見です。