場所を取らず、特別な準備もいらないトランプゲーム。52枚(ジョーカーを含むと53枚)のトランプカードさえあれば、いろいろな遊びができます。
神経衰弱、ババ抜き、七ならべ、大富豪・・・トランプゲームの種類は豊富。家族の団らん、友達とのパーティなどで重宝する手軽な娯楽の一つですね。
トランプゲームは高い「脳トレ」効果でも知られています。
競争心を持ちながらゲームに集中することで、計算力、暗記力、推理力、論理的思考力を鍛えられます。
何歳から遊べる?
トランプデビューの目安は3歳くらいが良いでしょう。
数字、マークの種類に興味を持ち、楽しさを感じられるようになったら遊べます。
ルールの簡単な遊びなら幼児でも十分楽しめます。神経衰弱、ババ抜きなどがおすすめ。
はじめから53枚すべてのカードを使うのは、難しいと思います。神経衰弱でしたら10枚から、ババ抜きでしたら20枚からスタートしましょう。
幼児の集中力が続く時間は「年齢+1分」と言われています。数分で終了するゲームでOKです。途中で飽きてしまったら、無理強いせず、別の機会に挑戦しましょう。
トランプで得られる知育効果
トランプはコスパの良い知育玩具だった!トランプで育つ13能力 |
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【巧緻性】 手先を器用に使える能力。 巧緻性の高い子ほど、学力と運動能力が高いです。 |
【集中力】 一つのことに意識を集中させる力。 遊び、趣味に没頭させることで集中力が育まれます。 |
【記憶力】 物事を覚えておく力。 幼児なら枚数を減らした神経衰弱で鍛えられます。 |
【計算力】 計算を速く、正確に行う力。 |
【暗算力】 頭の中で計算する力。 「数合わせ」などのトランプゲームは暗算力の良いトレーニングです。 |
【数的概念】 数字や数についての基本的な考え方。 例「数字の3と点3つを結びつけて考える。」 |
【図形認識力】 図形を識別、認識する能力。 |
【論理的思考力】 物事を筋道を立てて、整理して考える力。 |
【推理力】 目の前の状況に対して、経験・知識を基に先読み、予測する力。 |
【判断力】 物事を正しく認識して、評価・決断する力。 |
【コミュニケーション能力】 対人関係を円滑に進める力。 |
【協調性】 他者の気持ちを推しはかり、協力し合い物事を行う力。 |
【忍耐力】 嫌なこと、辛いことも自制心を持って、耐える力。 |
100均ショップでも手に入るトランプは、とてもコスパの良い知育玩具と言えます。ご家庭に一つあれば、家族全員で遊ぶことができますし、兄弟へ同時に知育を行うこともできます。
神経衰弱、ババ抜きなどのシンプルなルールのゲームでも、10個以上の能力が育まれます!
トランプゲームは勝ち負けがあるので、何度も挑戦したくなります。何度も同じゲームをすることはママパパには少々退屈かもしませんが、短時間で集中力を高めるトレーニングになります。
カードの枚数が多すぎて、お子さまの根気が続かない場合は枚数を減らしてもOK。
未就学児の集中力持続時間は長くても10分以下です。
神経衰弱を10枚からスタートするなどして、数分で終了するゲームにすると良いでしょう。
親子で遊ぶことで知育効果もアップ!
トランプ遊びの1番のメリットは、親子のコミュニケーションの機会が増やせることです。幼児期の脳の発達と情緒の安定には、親との十分なコミュニケーションが必要不可欠。
幼児期に親と一緒に遊ぶことは、地頭を良くします。(地頭とは学校の勉強で得る知識ではない、その人本来の頭の良さを指します。)
またコミュニケーション能力・自尊心も高められるので社会性が育っていきます。
6歳までに脳の発達の9割は完了します。この時期は脳の発達を促進するのは「五感への刺激」。トランプゲームで手先を使いながら得た経験や知識は、学習意欲を高め「考える力」を育てます。
「算数力」がグングン育つ!
トランプには算数力を育む効果があります。算数力は計算力、空間認識力などだけではなく、読解力、発想力、論理的思考力、表現力などを含む「総合的な考える力」です。算数力を高めることは、算数以外のすべての教科の成績アップにつながります。
トランプで遊ぶためには、カードとルールについて親から説明を受けて理解する「理解力」がなくてはなりません。この「説明を聞く→整理して理解する→実際に遊ぶ」プロセスでも算数力は育まれます。
トランプデビューにおすすめの神経衰弱でも、数的概念、図形認識力がある程度必要です。
はじめはママパパがサポートしてあげてください。
何回かトランプゲームをしていけば、
・1から13までの数の概念
・ハート、スペード、ダイヤ、クラブの4つのマークの識別
・トランプの数字とマークの数が同じであること。
などを理解するようになります。
IQ(知能指数)もEQ(心の知能指数)も高められる。
IQ(知能指数)は知能が同年齢と比べて高いか低いかは表した指数。EQ(心の知能指数)は感情のコントロール能力を示した指数。
トランプゲームの多くは2人以上で遊びます。親、兄弟、友達と会話をしながらトランプのカードの数字、マークを識別することは、IQを高める効果絶大!
「相手の言動、表情から持っているカードを推測する」、「負けても次のゲームに備えるために泣かないようにする」、など他者、自分の感情に向き合う場面も多いので、EQもどんどん伸びていきます。
EQを高めることで学習意欲、コミュニケーション能力、環境適応能力も育まれます。
知育効果別3選「幼児でも遊べるトランプゲーム」
思考力を鍛えて高い知育効果を得たいなら、お子さま1人でゲームが行うことが望ましいです。そのためトランプデビューには、説明に時間がかからない「簡単な遊び方」がおすすめです。あまり苦労せずにルールが覚えられて、すぐにゲームが始められるものが◎。
神経衰弱、ババ抜き、数字合わせなら、3歳くらいのお子さまでもすぐに遊べるようになります。
年上の兄弟、友達と遊ぶ場合、慣れないうちはママパパとペアで行うと良いでしょう。
ワーキングメモリーを鍛える「神経衰弱」
2枚のカードをめくり、カードの数字、マークそして位置を覚えなくてはならない神経衰弱。ワーキングメモリーを鍛えるのに最適です。ワーキングメモリ(短期記憶)とは短時間(一時的に)に記憶を保管、処理する記憶機能です。集中して一気に何かを覚える、暗算する、優先順をつけて効率的に作業をする・・・などの時にワーキングメモリーが使われます。
ワーキングメモリーが高い子は、学力、運動能力も高い傾向があります。
1.ジョーカーの除いた52枚のカードを良く切ります。
2.すべてのカードを裏向きに並べます。
3.じゃんけんで勝った人が最後になるように順番を決めます。(後の人の方が有利)
4.カードを2枚ずつめくります。同じ数字が出たらそのカードは自分のものとなります。違う数字の場合は「みんなにもわかるように」見せてから、また裏返しにします。
5.自分の順番が来るまで、どこにどのカードがあったか、集中して暗記します。
「同じ数字のペアが出たらもらえる、違う場合は裏返しに戻す。」をカードがなくなるまで繰り返します。
6.手持ちのカードが一番多い人が勝ちです。
論理的思考力を育む「ババ抜き」
「お互いの手札を順番に取り合い、同じ数字のカードが揃ったらペアにして出す。」を繰り返すババ抜き。勝敗ポイントは「ジョーカーのカードを最後まで持たないようする。」ことだけなので、幼児同士でも遊べます。
順番通り、規則に基づく動きを繰り返すことは、論理的思考(ロジカルシンキング)の良いトレーニングとなります。また「誰がジョーカーを持っているか?」、「自分がジョーカーを持っていることを、どのように隠すか?」を考えることも論理的思考力を伸ばします。
論理的思考力は、望む結果を出すために最も効率的な方法を、筋道を立てて考えられる力です。論理的思考力を高めることで、複雑なものでも本質を捉え、整理して単純化することができるようになります。その結果、仕事、勉強の成果を最短で出せるようになります。「地頭の良い人」の多くは、日常的に論理的思考を行っていることが多いです。
1.ジョーカーを含む53枚のカードを良く切ります。
2.全員均等にカードを配ります。
3.配られたカードを確認して、同じ数字があればペアにして出します。
4.じゃんけんで勝った人が隣の人のカードを引き、自分の手札にします。
5.引いたカードによって同じ数字のペアができたら、その都度出していきます。
6.4,5を繰り返し手札がなくなった人から勝ち抜けします。
7.最後までジョーカーを持っていた人が負けです。
計算力を高める「数字合わせ」
1.A~3までを4枚ずつ準備します。 |
2.カードを良く切って、シャッフル。 裏返しに並べます。 |
3.カードをめくっていって、写真のように合計5になったらOK! |
数字合わせは、計算力と暗算力を鍛える効果的な遊び方です。
ルールはシンプル。裏返しにされたトランプをめくっていき、出た数字を足していきます。足した数が、「指定された数字」になったらカードがもらえます。例えば、指定された数字が「10」でしたら、「2+5+3」になるようにカードを見つけられたらOK。
カードの位置を覚える神経衰弱の要素もあるので、ワーキングメモリーも高められます。
自己肯定感を高めるためにも、最初は簡単なレベルからが良いでしょう。まずは「足して5」からスタート。
1.A~3のカードを4枚ずつ、カードの種類ごとに並べます。
2.裏返しにして、足して5になるまでめくっていきます。
3.5になったらそのカードはもらえます。
置かれるトランプの数字、指定する数によって難易度が変えられます。
また指定する数によって、ゲーム終了時にカードが余ることもあります。
負ける度大泣き!セルフコントロール力を育てる対処法
トランプゲームで「子どもが負けた時の対処法」に悩むママパパは多いかと思います。
「大声で泣き叫び、トランプカードをめちゃくちゃにしてしまう。」
「勝った人に対して、悪口を言ってしまう。」
「勝った、批判した友達を叩いてしまう。」
遊びでなぜそこまでキレるのか・・・ママパパは激しい感情爆発にうんざりしてしまいますよね。
しかしこの感情爆発はごく当たり前で、悪いことではありません。
幼児は衝動を抑える脳機能の中枢「前頭前野」が未発達なため、感情の起伏をコントロールできません。また前頭前野の発達はゆっくりのため、未就学児の多くは「セルフコントロール(自分の感情、衝動の抑制」が苦手です。
3歳半以降から少しずつ「親の言いつけ」を自制しながら守るようになります。
ゲームから離れて、親子で向き合う。
泣き叫び始めたら、叱ることはせず「抱っこ」をすると良いでしょう。とりあえずトランプゲームの輪から親子で一旦外れましょう。
お子さまが負けたことに関して、不満や言い分があるようなら聞いてあげましょう。自分の感情を受け止めてもらえる安心感は、感情を落ち着かせ怒りを鎮めていきます。
お子さまがパニック状態になった時のシェルターとして、遊びの時間に寄り添うだけでも情緒の安定がもたらされます。
別室で自由に暴れさせる。
兄弟や友達に攻撃的になってしまう時は、別室に連れていきます。安全な場所で思う存分叫ばせ、暴れさせます。その際、必ずママパパも一緒に付き添います。「暴れた罰」として一人ぼっちにさせるのはNG。
体を使ってフラストレーションを昇華させることで、気持が落ち着きます。
兄弟、お友達に暴力や暴言があった場合は、必ず謝罪させましょう。
深呼吸を親子で行う。
パニック状態の子どもは、呼吸が浅い状態であることが多いです。この時、自律神経は乱れ、心拍数が上がります。
自律神経は交感神経と副交感神経のバランスで均衡を保っています。交感神経が優位な時は緊張状態となり、副交感神経が優位な時はリラックス状態になります。
副交感神経を優位にするなら、「深く吐いて、吸う」をゆっくり行う深呼吸がおすすめです。ママパパが同じ目線で向かい合い、一緒に深呼吸しましょう。吸うよりも吐くことに集中すると、深い呼吸がしやすいです。
激しく泣いている場合は、落ち着いてから深呼吸しましょう。
10までゆっくり数えてみよう。
人の怒りのピークは6秒と言われています。「カッとなったら6まで数える」アンガーマネジメント方法は一般的ですよね。
小さなお子さまでしたら、10までの数を覚えるためにも「10」までゆっくり数えると良いでしょう。かなり興奮していても10までカウントするころには、すっかり怒りは収まっているはず。
「勉強してる感0」で総合的な学力を伸ばそう
子どもにとっては勉強感0なのに、知育効果は抜群なトランプゲーム。
記憶力、計算力などの算数に関わる力だけではなく、総合的な学力を育てることができます。
総合的な学力とは、学校や塾で学べる知識や技能だけではない、学習意欲、問題解決能力、読解力などを含む「生きていく力」です。
親、兄弟、友達と関わりながら遊べるトランプは、勝ち負けではなく「考える楽しさ」を実感できます。幼児期からはじめたい「集中して思考するトレーニング」を、トランプゲームで始めてみませんか。