フィンランドは子どもの学力が世界トップクラス。特に読解力に優れていることで知られています。その原動力はフィンランドで行われている教育法にあります。学力世界一を支える「フィンランド・メソッド」についてご紹介します。
高度な読解力の秘密
5つの力で子どもの国語力を鍛える!
以下では特に教育効果の高い「発想力」「論理力」「批判的思考力」の3つを説明します。
カルタを使って発想力をはぐくむ
紙の中央にテーマ(たとえば「パソコン」)を書き、その周囲にテーマから連想したこと(「インターネット」「便利」等)を放射状に書き込んでいきます。これは人間の脳の機能に沿った思考法なので発想力を効率よくはぐくむことができます。
「どうして?」連発の授業で論理力を鍛える
先生 (机をさして)「これは何?」
生徒 「机です!」
先生 「机という言葉は名詞ですか?」
生徒 「名詞です」
先生 「ミクシ?どうして名詞なの?」
生徒 「だって、ぼくが机します、みたいに動詞的な使い方はしないし……」
このように生徒が明らかな正解を答えていても、「ミクシ?」とたずねてその理由をいちいち問うのです。こうすることで生徒は、短絡的な思いつきだけでは答えないようになり、物事を論理的に考えられるようになります。
作文を互いに添削し、批判的思考力を身につける
たとえばある生徒がひとつのテーマで作文を書いたとします。それを班全体で議論しながら「この作文の良いところ悪いところ」を挙げていき、その結果にしたがって作文を書き直します。それで終わり、ではなく、今度はとなりの班にその作文を渡して添削してもらうのです。班によって添削内容は異なるので、「その意見は違うと思う!」などとディスカッションが始まります。
こうして世の中には異なる意見がいくつもあること、それを受け入れながら改善していくことの大切さを学び、批判的思考力を身につけていきます。