2016年08月24日 公開

名門大学への登竜門?NYマンハッタンの幼稚園事情をチェック!

アメリカの名門大学に入学する学生はどんな子ども時代を送っているか気になりますよね。日本では「お受験」が始まるのは幼稚園からですが、アメリカの教育事情も似たようなところがあります。ニューヨーク・マンハッタンを例にアメリカの幼稚園受験の熱狂ぶりをまとめてみました。

アメリカの名門大学に入学する学生はどんな子ども時代を送っているか気になりますよね。日本では「お受験」が始まるのは幼稚園からですが、アメリカの教育事情も似たようなところがあります。ニューヨーク・マンハッタンを例にアメリカの幼稚園受験の熱狂ぶりをまとめてみました。

アメリカの親も幼稚園受験に熱狂している!?

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アメリカの義務教育は5歳または6歳からはじまります。それ以前にあるPre-school(2歳・3歳児)、Pre-Kindergarten(4歳児)、Kindergarten(5歳児)、この3年間が日本の幼稚園にあたる時期です。

近年、アメリカニューヨークのマンハッタン地区では幼稚園の受験競争が加熱しています。マンハッタンの幼稚園受験を取材したドキュメンタリー映画「Nursery University」がヒットしたのも、それだけ幼稚園受験に関心をもつ家庭がアメリカに多いからでしょう。

受験票をもらうためだけに徹夜で並ぶ親

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アメリカの幼稚園において、入学が認められる条件(合格条件)は何かといえば、「先着順」、「抽選」、「縁故」です。このうち「縁故」がもっとも重要で、親が卒業生だったり、すでに兄や姉が入園している場合は優先的に入園が認められます。

したがって、縁故のない家庭の場合、合格の可能性を少しでも上げるために、「先着順」を採用する幼稚園の限られた入園枠を取りあうことになります。受験票をもらうために入園受付の前日から並ぶ光景も見受けられるとか。

なぜマンハッタンの親たちは幼稚園受験に熱狂するのか

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マンハッタンの幼稚園受験が過熱するのは、アメリカが子どもの情操教育を重視する国であるという理由があるようです。

アメリカの幼稚園で圧倒的に人気なのが私立の幼稚園です。公立でも良い環境の幼稚園はあるようですが、自治体の予算の関係で、カリキュラムが安定しないというマイナス材料があります。

他方私立では、たとえばモンテッソーリ教育のような個性的な教育法を自由に採用できるため、わが子に優れた情操教育の機会を与えたいと考える親の目には魅力的に映ります。

またマンハッタンには全米でもトップクラスの裕福な家庭が集まるので、すぐれた教育を行う幼稚園にはどんなにお金がかかってもわが子を入園させたいと考える親が多いことも、受験が過熱する原因のひとつといえます。

費用補助制度の存在も競争をあおる一因?

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人気商品の値段が高騰するのは世の常。マンハッタンの私立幼稚園の場合、年間200万円以上の学費はごく普通だそうです!それだけのお金をぽんと出せる家庭は多くありません。そこで多くの家庭では「ファイナンシャルエイド」のサポートを受けます。

「ファイナンシャルエイド」とは、裕福でない家庭に良い教育環境を提供するための補助制度です。奨学金が優秀な資質をもった生徒に対して行われる援助であるのに対して、「ファイナンシャルエイド」はあくまでも家庭の経済状況だけが援助の条件となります。この制度の存在が私立幼稚園受験のハードルを下げる一因となっています。

「名門幼稚園卒業」は名門大学への切符なのか?

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日本の「お受験」の世界では、いまだに根強く信奉されている慣例があります。それは「すぐれた幼稚園に入ればすぐれた小中一貫校に入学でき、さらには名門高校・大学へとエスカレーター式に入学できる」ということです。

アメリカの場合、名門幼稚園の卒業生であることは名門大学への急行切符ではありません。ハーバードのような名門大学への進学を考えるとき、誰もが「プレップ・スクール」というエリート養成校への入学をまず考えます。プレップを優秀な成績で卒業する学生は、SATなど大学受験に必要なテストでも優秀な成績を収めるという相関関係があるからです。

教育は大切……でも熱狂はほどほどに!

幼稚園受験の熱狂ぶりは日米共通ですが背景は異なっています。日本ではエスカレーターの切符を手に入れるため。アメリカではすぐれた情操教育の機会を子どもに与えるため。もちろん日本の幼稚園にもすぐれた情操教育を行っているところはあります。子どもの未来を決めるのは教育がすべてではありませんが、できることなら良い教育を与えてあげたいものですよね。

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この記事のライター