アメリカの名門大学に入学する学生はどんな子ども時代を送っているか気になりますよね。日本では「お受験」が始まるのは幼稚園からですが、アメリカの教育事情も似たようなところがあります。ニューヨーク・マンハッタンを例にアメリカの幼稚園受験の熱狂ぶりをまとめてみました。
アメリカの親も幼稚園受験に熱狂している!?
近年、アメリカニューヨークのマンハッタン地区では幼稚園の受験競争が加熱しています。マンハッタンの幼稚園受験を取材したドキュメンタリー映画「Nursery University」がヒットしたのも、それだけ幼稚園受験に関心をもつ家庭がアメリカに多いからでしょう。
受験票をもらうためだけに徹夜で並ぶ親
したがって、縁故のない家庭の場合、合格の可能性を少しでも上げるために、「先着順」を採用する幼稚園の限られた入園枠を取りあうことになります。受験票をもらうために入園受付の前日から並ぶ光景も見受けられるとか。
なぜマンハッタンの親たちは幼稚園受験に熱狂するのか
アメリカの幼稚園で圧倒的に人気なのが私立の幼稚園です。公立でも良い環境の幼稚園はあるようですが、自治体の予算の関係で、カリキュラムが安定しないというマイナス材料があります。
他方私立では、たとえばモンテッソーリ教育のような個性的な教育法を自由に採用できるため、わが子に優れた情操教育の機会を与えたいと考える親の目には魅力的に映ります。
またマンハッタンには全米でもトップクラスの裕福な家庭が集まるので、すぐれた教育を行う幼稚園にはどんなにお金がかかってもわが子を入園させたいと考える親が多いことも、受験が過熱する原因のひとつといえます。
費用補助制度の存在も競争をあおる一因?
「ファイナンシャルエイド」とは、裕福でない家庭に良い教育環境を提供するための補助制度です。奨学金が優秀な資質をもった生徒に対して行われる援助であるのに対して、「ファイナンシャルエイド」はあくまでも家庭の経済状況だけが援助の条件となります。この制度の存在が私立幼稚園受験のハードルを下げる一因となっています。
「名門幼稚園卒業」は名門大学への切符なのか?
アメリカの場合、名門幼稚園の卒業生であることは名門大学への急行切符ではありません。ハーバードのような名門大学への進学を考えるとき、誰もが「プレップ・スクール」というエリート養成校への入学をまず考えます。プレップを優秀な成績で卒業する学生は、SATなど大学受験に必要なテストでも優秀な成績を収めるという相関関係があるからです。