映画の原作には、小説や漫画などいろいろありますが、意外と知られていないのが映画の原作となった絵本です。見たことのある映画の原作絵本を探したり、絵本で興味を持った映画を見たり、楽しみが広がります。お子さまといっしょに楽しめる、映画化された原作絵本を5つご紹介します。
生きる術を学ぶ 『ルドルフとイッパイアッテナ』
著者 :斉藤洋(作)/杉浦範茂(絵)
出版社 :講談社
2016年映画化 『ルドルフとイッパイアッテナ』の原作絵本です。
人間のペットとして幸せに生活していた黒猫ルドルフは、ひょんなことからトラックの荷台に乗り込み東京に来てしまいます。そこで出会ったのが地域のボス、トラ猫のイッパイアッテナです。このイッパイアッテナとの出会いにより、ノラ猫として生きるための術を学んで行きます。ノラ猫の日常が生き生きと描かれた作品です。
シリーズで4作目まで出ています。
1.ルドルフとイッパイアッテナ
2.ルドルフともだち ひとりだち
3.ルドルフといくねこくるねこ
4.ルドルフとスノーホワイト
『ルドルフとイッパイアッテナ』予告2
最後にホッ 『かいじゅうたちのいるところ』
著者 :モーリス・センダック(作)/じんぐうてるお(訳)
出版社 :冨山房
2009年映画化 『かいじゅうたちのいるところ』の原作絵本です。
いたずらっこマックスは、ある晩オオカミの着ぐるみで大あばれ。怒ったおかあさんにとうとう夕食抜きで寝室へ放り込まれます。
すると寝室はいつの間にか森になり、波打ち際からボートに乗って航海をはじめます。
何日も航海してたどり着いた陸地は「かいじゅうたちのいるところ」。マックスはかいじゅうたちの王さまになり、一緒にかいじゅう踊りをします。
かいじゅうたちが寝静まると急にさびしくなったマックスは、恋しくなった場所へ戻ることに。
無事航海を終え帰ることのできた寝室には……。
最後にホッとして、「お家っていいな」と思える作品です。
かいじゅうたちのいるところ(字幕版) (予告編)
切ない別れに涙します 『おまえうまそうだな』
著者 :宮西達也(作・絵)
出版社 :ポプラ社
2010年映画化 『おまえうまそうだな』の原作絵本です。
卵から生まれたばかりの草食恐竜の赤ちゃんは、「ひひひひ……おまえ うまそうだな」と食べるために近づいた肉食恐竜をおとうさんと勘違いしてしまいます。
「ぼくのなまえ、ウマソウなんでしょ?」信じて疑わない赤ちゃん。そんな姿に戸惑いながらもウマソウのためにおとうさんとしてふるまうことに決めた肉食恐竜。
一緒に暮らすことになるのですが、肉食と草食ではいつまでも一緒に過ごすことはできません。やがて切ない別れが訪れます。
切なくも心温まるお話です。
映画『おまえうまそうだな』本予告編
村上春樹さん訳、クリスマス前夜のミステリー絵本『急行「北極号」』
著者 :クリス・ヴァン・オールズバーグ(絵・文)、村上春樹(訳)
出版社 :あすなろ書房
2004年、バート・ゼメキス監督によって映画化された『ポーラー・エクスプレス』の原作絵本です。
クリスマスの前夜、サンタを待っている少年の前に現れたのは、白い蒸気につつまれた謎めいた汽車だった!汽車に乗り込み、少年の幻想的な旅がはじまる。
本作品は、サンタクロースを信じているお子さん向けではありません。むしろ、サンタクロースなんていないと思いつつも心のどこかでいるんじゃないかというお子さんにおすすめ。ぜひ親子で読んでみてくださいね。大人も絵本の世界に惹き込まれますよ。
ポーラー・エクスプレス
ヤギとオオカミの友情とは? 『あらしのよるに』
著者 :木村裕一(作)/あべ弘士(絵)
出版社 :講談社
2005年映画化 『あらしのよるに』の原作絵本です。
あるあらしの夜、小屋で出会ったヤギとオオカミ。風邪をひいてしまい鼻の利かない2匹は、お互いのことを自分の仲間と勘違いして話が進みます。すっかり意気投合した2匹は、「あらしのよるに」を合言葉に翌日会う約束をし別れます。
いつお互いの正体がばれてしまうのか、読み手は最後までドキドキ。そして、お話はシリーズ第2弾『あるはれたひに』へと続きます。
シリーズは全部で7作。友情を大切にするヤギとオオカミのお話に大人も引き込まれます。
1.あらしのよるに
2.あるはれたひに
3.くものきれまに
4.きりのなかで
5.どしゃぶりのひに
6.ふぶきのあした
7.まんげつのよるに
映画『あらしのよるに ひみつのともだち/出会い編』予告編
映画と絵本の違いを探すのも楽しい!
ここでご紹介できなかったものもまだたくさんあります。お子さまといっしょにさがしてみてはいかがでしょう?