日本人にとってなじみ深い「節分」は、年間行事の中でも子どもが楽しみにしているイベントの一つです。しかし、その節分を子どもに分かりやすく説明するのは難しいですよね。今回は節分の由来と子どもへの説明の仕方を紹介します。
節分とは?どのようにはじまったの?
節分とはもともと、立春、立夏、立秋、立冬それぞれの前日、つまり季節の変わり目ごとに行われていました。日本では、立春が1年のはじまりとしてとくに尊ばれたため、時代が移り変わっていくにつれて、立春前日の節分が残りました。
節分は毎年2月3日と思われている方が多いですが、立春の日付が変わるため常に2月3日ではないそうです。
子どもには「節分は2月3日ごろにやるんだよ」と伝えつつ、「でも春のはじまる日によって変わるんだよ」と補足しておくといいですよ。
浅草寺 年中行事 節分会
なぜ節分に豆まきをするのか
節分ではなぜ豆まきをするのか。
穀物である豆には「生命力と魔除けの力」が備わっているといわれています。それと合わせて、「魔目(豆)」を鬼の目に投げて「魔滅」し、一年の無病息災を願うという意味合いが込められているのだとか。
そのため子どもには「豆には鬼を追い払う力があるの。鬼を追い払ってみんなの健康をお願いするんだよ」と伝えましょう。
豆まきの豆は何を使うのか
豆まきに使う豆は、炒った大豆か落花生(ピーナッツ)のどちらかになります。大豆にするか、落花生にするかは、地域によって違うようです。
関東のあたりで切り分けて関東から西側が大豆で、関東より東、東北や北海道は落花生となっているのだとか。
豆を炒って使うのは、芽が出ないようにするためです。豆から芽が出るということは、魔(鬼)の芽が出てしまうといわれているからなのだそう。
子どもには「うちではこの豆(大豆または落花生)なんだよ。地域によって違うみたいで例えば北海道は落花生なんだって」というように伝えるといいですね。
豆はどうやってまくの?
誰が豆をまくのかというと、家の主である父親だけ、長男か長女だけと地域によって違いがありました。しかし、現在(執筆時点)では家族みんなで豆をまいて楽しむイベントになっています。
豆まきは、鬼がやってくるといわれている「夜」に行います。家族みんながそろった夜に始めるとよいですね。
豆をまくときは、家の中で一番奥の部屋から玄関に向ってまきます。部屋の中にいるかもしれない鬼を、外へ追い出さなくちゃいけませんからね。
子どもには「家族みんながそろった夜に豆まきやろうね。こわい鬼さんは夜に出てくるからおうちからバイバイしないとね」と伝えましょう。
豆まきが終わったらお片付け
豆まきが終わった後は、家族の健康を祈って自分の年齢と同じ数プラス1個(数え年のため)の豆を食べます。
豆を食べ終えた後は、子どもと一緒にお掃除をしましょう。
子どもには「豆を食べたら、次は、部屋や玄関にまいた豆をキレイに片付けないといけないのよ。片付けが終わったら、豆まきはおしまい。だから、お掃除も一緒に手伝ってくれるとうれしいな」と伝えて協力してもらいましょう。
※3歳までの子どもは乾いた豆やナッツ類を食べると喉をつまらせる恐れがあります。小さな子どもと節分を楽しむ際はくれぐれも注意しましょう。
節分の意味を知って豆まきをする
節分を教えるときに、ただ豆まきをすれば良いというだけでなく、意味や由来も伝えることで子どもにとって良い勉強になりますよね。
分かりやすく話してあげることで、節分に対する知識を深めながら、親子でのコミュニケーションの場に役立ててもらえるとうれしいです。