節分やバレンタインなど行事が多い2月は、暦の上ではもう春です。春なのに、雪がたくさん降るなど矛盾を感じるときもありますが、2月の厳しい寒さの中に小さな春を見つけてみてはいかがでしょうか。そんなときに親子で話題にしたくなるようなお天気を表す言葉を紹介します。
「春一番」が吹かない……なんていう年も!
春一番とは、立春から春分まで(2月上旬から3月下旬にかけて)の間に、その年にはじめて吹いた南寄りの強い風のことをいいます。ですから、1月に南寄りの強い風が吹いてもそれは春一番とはいえません。さらに、1月に吹いた後、2月に吹くことがあってもそれは春一番とはいえないそうです。
この時期にお子さまと「今日は、風が強かったから春一番だったかな?」「ニュースになっていないから違うのかな」などと会話されてはいかがでしょうか。
古来より日本では春を告げる風でした「東風(こち)」
春から夏にかけて吹く東からの風を「東風」といいます。
東風が吹くと、寒さが緩んで春の訪れを感じてうれしくなる反面、海が荒れる場合が多いので、漁業を生業にしている人々には警戒される風でした。
古くから使われている言葉ですが、今でも「東風ふかば雨」ということわざが使われています。
地域によって呼び名がついている東風も多くあります。瀬戸内海地方で春に吹く「朝東風(あさごち)」「雲雀東風(ひばりごち)」、九州の小倉地方では「雨東風(あめごち)」など。
自分が住んでいる地域での呼び名が何かないかお子さまと一緒に調べてみると、大きな発見があるかもしれないですね。
一段と草の生命力を感じる「草萌(くさもえ)」
春になり、草の芽が一斉に萌え出ることを「草萌(くさもえ)」といいます。
まだ雪が残っていたり霜が降りたりする場合もあるけれど、草の芽が萌え出ていて、冬から春への季節の移り変わりを確かに感じられる、そんな情景が浮かぶ言葉です。
山や高原に出かけなくても、近くの公園や空き地などでも草萌は見ることができるので、ぜひお出かけのときには意識してみてください。そして「草萌見られたね。」と親子で会話することで、春の訪れを目と心と言葉からも感じさせてあげましょう。
雪が雨になり、氷は溶けはじめる「雨水(うすい)」
雨水(うすい)とは2月20日ころのことをいいます。
今まで雪が降っていたけれど雨が降るようになる、湖や池に張っていた氷がとけるころであるとされています。
実際には雪が降り積もる最高潮の時期だったりしますが、この雨水を境にだんだんと弱まって春を感じることが多くなるとされています。このころにウグイスが鳴きはじめる地域もあるほどです。
「雨水のころになったら、寒さが弱まりそうだから、どこかにお出かけしようか」などとお話しされると「雨水っていつ頃?」と会話が弾むかもしれませんね。