インドのアーユルヴェーダの影響を受けているネパールでは、暮らしの中にもアーユルヴェーダが根付いています。生まれたばかりの赤ちゃんに、オイルマッサージするのもそのひとつ。最近、日本でも注目されつつあるベビーマッサージのルーツでもあるアーユルヴェーダの考え方やネパールの風習をご紹介します。
赤ちゃんを強くするオイルマッサージ
赤ちゃんにオイルマッサージをする風習が昔からあるのは、そんな事情があるから。生まれたばかりの赤ちゃんからオイルマッサージをはじめれば、赤ちゃんの身体を強くすると考えられています。
囲炉裏の前や日向ぼっこしながらのオイルマッサージ
やり方は、大人があぐらをかいた格好で座って、足の上に布を広げます。そこに、裸んぼにした赤ちゃんを寝かせて、オイルをつけた手で豪快にマッサージします。赤ちゃんは頭から足の先まで、全身油だらけになって、気持ちよさそうにされるがままになっています。
出産後すぐのお母さんは、休息が必要なため、最初は家族のサポートが不可欠です。そのため、マッサージをするのは、赤ちゃんのおばあちゃんや叔母さん、いとこのお姉さんたち。その後、お母さんが元気になると、もちろんお母さんも赤ちゃんにマッサージをはじめます。
ネパールでは、赤ちゃんは生まれた直後から、たくさんの人の手のぬくもりを感じて育つのです。
自家製の菜種油が一番
都会に住んでいるネパール人も、実家の村から自家製の菜種油を送ってもらっています。自家製のオイルは、まざり物がなくピュアで体に良いというのです。
油はマッサージする前に、小さなオイルパンに入れて、火で熱します。それを人肌程度に冷ましたものをマッサージに使います。農家では、囲炉裏でオイルをつけた手を火にかざして温めて、赤ちゃんの体になじませるようにすり込みます。
オイルマッサージはアーユルヴェーダの健康法
またネパールでは、オイルマッサージは、皮膚の健康を保ち、病気の予防になるほか、情緒の安定効果もあると考えられています。病院まで1日がかりという村もまだまだ多いネパールでは、病気の予防がとても大切なのです。
マッサージで赤ちゃんとコミュニケーションを
ただ、赤ちゃんとママのミュニケーションとして、ベビーマッサージは注目されるところです。オイルマッサージを通して、お母さんの愛が肌で感じられるのがベビーマッサージの魅力。日本でも上手に取り入れてみてはいかがでしょうか。