2017年03月07日 公開

壮絶な中学受験ノンフィクション『下剋上受験』 中卒の父と娘が目指したのは超難関校・桜蔭!

テレビドラマ化もされた『下剋上受験』という書籍をご存知でしょうか? 中卒の父が一念発起し、娘を超難関中高一貫校である桜蔭学園を受験するまでの試行錯誤をつづったノンフィクションです。この書籍から、中学受験とは何か、を垣間見ることができます。

テレビドラマ化もされた『下剋上受験』という書籍をご存知でしょうか? 中卒の父が一念発起し、娘を超難関中高一貫校である桜蔭学園を受験するまでの試行錯誤をつづったノンフィクションです。この書籍から、中学受験とは何か、を垣間見ることができます。

『下剋上受験 両親は中卒 それでも娘は最難関中学を目指した!』

 (44703)

タイトル:下剋上受験 両親は中卒 それでも娘は最難関中学を目指した!
著者  :桜井信一
出版社 :産経新聞出版

衝撃的なタイトルの本書。子どもに中学受験をさせようと考えている親ができることは何なのか、を考えさせられる内容となっています。

中学受験スタートはいつから?

写真素材なら「写真AC」無料(フリー)ダウンロードOK (43390)

子どもが小さいうちは、中学受験なんて遠い未来に思えます。
しかし、やるとなると、就学前~小学校低学年から考える親がほとんど。中学受験専門塾・個別指導塾などに週5で通わせ、家庭では分単位で勉強を管理……なんて話も珍しくありません。

このような話をなんとなく気にとめながらも、特に何もしていないというご家庭は多いのではないでしょうか?
この本の著者である桜井さん(父)と佳織さん(娘)の場合も、中学受験とはまったく縁のない環境にいたのです。

なぜ、桜蔭学園を目指したのか

 (44704)

ここで、桜井父娘が目指した桜蔭学園とはどんな学校か、少し紹介しましょう。

東京・千代田区にある中高一貫の女子校。中学受験偏差値では全国トップの超難関で、桜蔭・女子学院、雙葉で女子御三家と呼ばれています。
気になる大学合格状況ですが、桜蔭学園ホームページによると、平成27年は卒業生232人のうち、東大76人、早大123人、慶大100人。その他も名だたる大学名が列挙されています。

なせ、桜井さんは、娘さんに超難関の桜蔭を受験させたのでしょうか。
やっぱりエリートに憧れる、中卒の連鎖を断ち切りたい、それには第二反抗期に入る前の今では? など、子を持つ親なら思わずうなずいてしまう説明がされています。
そして、桜井さんは、もしかしてゼロ以下からの挑戦をするならば、最高峰を目指そう、と決めたのです。

「親塾」はどのような学習内容?

Free Images - Pixabay (44705)

塾の説明を受けたりネットなどで調査を重ねたりした末、結局桜井さんは、自分(親)が先生になって、受験勉強をするという「親塾」で行くことにしました。
本書では、中学受験を目指した時から終わるまでの、学習内容と気持ちの変遷が、時系列に沿って語られています。

「計算を早くするには?」「読解力を上げるには?」「漢字を間違えないようにするには?」
勉強中に誰もが抱くであろう疑問を、桜井式ともいえる画期的な方法で解決しながら、本番へと向かっていきます。
その具体的な方法は、テキストにもなっています!

親であるがうえの葛藤

Free Images - Pixabay (44706)

娘に合った独自のテキストを作り、自分自身も勉強をしながらの壮絶な日々。ふたりの学力はたしかに上がっていきます。
しかし、「小学生から遊びを奪い睡眠を奪っていいのか?」「そもそも受験は自分(親)のため? 娘のため?」というような、どの親でもするような葛藤もついてまわります。
そんな正直な気持ちを読むと、親としての在り方や教育方針を考えさせられるでしょう。

桜井さんも言っていますが、親が教えることの最大のデメリットは感情的になること。みなさんも覚えがあるのではないでしょうか? 子どもはがんばっているのに、つい怒鳴ってしまう。キレて反省してを繰り返し、桜井さんは病院の処方薬にも頼ってこれを乗り切りました。
子どもにとことん寄り添おうというこの覚悟が、読む人の心に響きます。

親がやらなければならないこととは

写真素材なら「写真AC」無料(フリー)ダウンロードOK (44707)

桜蔭の受験結果は、不合格。しかし、御三家にも並ぶ難関校に合格し、楽しく通学してるそうです。結果は確かに出たのです。

本書の終わり近くに、親が一番やらなければならないことは、子どもをやる気にさせること、と書いてあります。まだ子どもが小さくとも、実感できる言葉です。
そして、もう一度中学受験をするならば、塾に通わせ、毎晩一緒に復習に取り組むだろうとも。

ある教育機関の統計によると、全国の小学生のうち、中学受験をする子どもは全体の1割。主に首都圏に集中しています。
この中に自分たちも入るべきなのか、それとも……。
どういった道を選ぶにしても、子どものやる気に本気で寄り添うのが必要なのだということを、本書を読めば痛感するでしょう。

\ 手軽な親子のふれあい時間を提案中 /

この記事のライター