日本人の主食「米」。子どもにはお米の美味しい炊き方を伝えておきたいもの。シンプルゆえに親子にとって大切なレシピです。また、かんたんなのでで子どもも立派にお手伝いができます。日常生活の基礎となる食を支えるごはん。ぜひ親子炊飯にトライしてください。
日本にとって、大切な文化。
ほんの約150年前の江戸時代まで、収入を米(石高)で量っていたのは日本くらいではないでしょうか。現代のグローバル社会において、お子さまが海外に住んだり外国の人と接する機会は多くあります。日本人として、米を大切にしてきた文化をきちんと伝えたいものです。
米と水の基礎知識
ごはんを炊くにはお米と水が必要です。
お米の基本
1合は1升の10分の1。約180CCです。メートル法が主流の現在でも、各炊飯器メーカーが採用している米の計量カップは1合サイズ。このことをみても、1合という単位が生活文化に密着しているかが分かります。ちなみに米1合で2人分(中くらいのお茶碗2杯分)のごはんが炊きあがります。
お水の基本
水は米1合に対し、約200cc。通常の料理で使う計量カップで1カップです。ごはんは水と米だけの料理ですので、美味しい水を使いたいもの。ごはんにはミネラル(カルシウムとマグネシウム)をあまり含まない「軟水」と呼ばれるものが適しています。
東京をはじめたいていの水道水も「軟水」ですので、ごはんには向いています。浄水器などで塩素を取り除くと良いでしょう。またミネラルウォーターを使うのも良いですが、ヨーロッパのものは「硬水」も多いので注意しましょう。ちなみにミネラルウォーターには硬度表示がされていて、120mg/ℓ以下のものがWHO基準で「軟水」と呼びますが、例えばエヴィアンなどは304mg/ℓと「硬水」に分類され、炊飯に関してはあまり適さない水と言えます。逆に日本の飲料メーカーの天然水などは硬度30mg/ℓと低く、「軟水」で炊飯に適しています。
米を研ぐ
子どもに米の計量カップを渡し、
「このカップでお米をはかるよ。」
「このカップ1杯で1合。お茶碗2杯分だよ。」
「まずはお父さんとお母さんの分で1合はかって。」
「次に○○ちゃんと弟の○○ちゃんの分で1合はかって。」
量ったお米はボールに入れておきましょう。
「この中にお米をザーっと入れてみよう。お米が水を吸うよ。」
「これまでカラカラに渇いていたから急いで吸ってるね。」
米を研ぐ前に吸水させますが、底をざっと1-2回混ぜたら、すぐに水を捨ててください。
「すぐ、水を切って。初めは米にもよけいなものが付いているから、早く水をすてた方が美味しくなるよ。」
水を切った状態で、手で米を軽く鷲掴みして、回すように研ぎます。
「手で米を掴んでグルッとまわしてはなす。これを5回か6回やって。」
「リズムよく、やると美味しくなるよ。1・2、1・2、、、」
上手くいかなくても、ほめてほめてその気にさせましょう。
「一回洗って、水を捨てたら、もう一回。」
2回くらい研いで水を切ったら、米研ぎは終了です。
ご苦労さまでした。
ごはんの炊き方(1) 炊飯器で炊く
最初はオーソドックスに炊飯器を使った炊き方です。
炊飯器の内釜には、水加減の目盛が刻まれています。
「さっき、2合、米を入れたから、水を2の目盛まで入れるよ。」
「平らなところに置いて、2の目盛になるかどうか確かめて。」
と声をかけながら、子どもにやらせてみてください。
最後は親が確認して、正確だったらほめてあげてください。
水加減ができたら、炊飯器にセット。
ここで30分ほど吸水させておくのも良いですね。
時間なければ、すぐスイッチON。
あとは炊飯器がごはんを炊いてくれるのを待つばかりです。
ごはんが炊けたら、しゃもじで、上と下、中心と外側をよく混ぜ、ムラをなくします。
炊きあがったごはんは、保温モードで熱を加え続けると徐々に美味しくなくなるので、食べきるのが得策です。
食べきれないごはんは、ラップでくるみ、荒熱をとった後、チャック付きの冷凍保存袋に入れ冷凍庫で保存してください。
ごはんの炊き方(2) 普通の片手ナベで炊く
冒頭に海外でごはんを炊くイメージの話しをしましたが、海外ではめったに炊飯器を目にしません。
また、炊飯器だと40分ほどかかる時間が、ナベだと20分ほどで炊くことができます。
(吸水の時間や蒸らしの時間を入れるとどっこいどっこいですが、、、)
まず、研いだ米1合に対し水200cc(2合なら倍の400cc)を計量し、ナベに米と水を入れます。
ナベの場合は30分ほど必ず吸水させましょう。芯が残りにくくなります。
そうしたら、フタをして加熱します。
まずは中火(強火を5とすると3-4くらい)からスタート。
中火のまま、沸騰させます。
沸騰してから2分くらいまで中火でキープ。
そうしたら少し火を弱めます。(強火を5とすると2くらい)
これで5分くらい煮ます。
更に火を弱め(1くらい)、続けて6分くらい煮ます。
フタをとり、ごはんの表面に水気や泡状のものがなくなったら、仕上げ。
中火(3-4くらい)に戻し10秒ほど、カウントダウン。
10秒たったら、火を止め、10分ほどフタをしたまま蒸らします。
蒸らしたら、フタをあけ、しゃもじで上下をまぜ、お茶碗によそりましょう。
ナベはどんなナベでも良いですが、できればフタが軽くないもの、底が薄くないものを選ぶと良いです。
ごはんの炊き方を子どもに伝えよう
筆者は高校2年のとき、アメリカにホームステイした経験がありますが、1カ月の短い期間でもごはんが食べたくなりました。ホストのパパに「お前の国ではライスを食べるんだろ?うまいか?」と聞かれ、もちろん「うまいよ」と答えましたが、その時、日本米を持っていたら、、、と思ったものです。食文化の違う人たちと食べ物を通して行う交流は、お互いを理解し合うのにもってこいの方法だと感じました。
米の文化を大切にし、ごはんを美味しく炊けるよう、親子炊飯にぜひ挑戦してみてください。
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