月1回の家族会議で、子どもの目標達成能力はグングン伸びていきます。具体的にはどのように行ったらいいのでしょうか。また親はどうサポートするのがいいのでしょうか。株式会社しちだ・教育研究所 代表取締役 社長である七田厚先生にお伺いしていきます。
子どもの可能性を引き出す七田式教育
今回から4回にわたり、七田眞先生のご子息であり、株式会社しちだ・教育研究所 代表取締役 社長である七田厚先生に幼児期の今、家庭でできる教育法についてお話をお伺いしていきます。
第1回目は、「家族会議」について。月1回の家族会議で、子どもの目標達成能力はグングン伸びていきます。具体的にはどのように行ったらいいのでしょうか。また親はどうサポートするのがいいのでしょうか。
子ども自身に目標を決めさせることがカギ
七田厚先生(以下、七田):そうですね。私が小学4年生、妹が1年生、一番下の弟はまだ保育園に通っていたころでした。議長は交代制で、保育園の弟がやることもありました(笑)
兄弟3人のうち1人でも目標が達成できると、「連帯ご褒美」として兄弟みんなにいいことがありました。たとえば、いつもよりちょっと上のお店で外食をするなど、子どもが喜ぶことを設定していました。それもあり、兄弟で応援し合う空気ができていたのもよかったのかもしれません。
父としては「自分で目標を立て、自分が決めたからこそ達成できるようにがんばる気持ちを養う」という目的があったのではないかと思います。
そこで夏休みの家族旅行の行先を決めたり、「今月の達成目標」を決めていました。たとえば「今月のお手伝いは何をする」、「勉強は何をがんばる」とかですね。子どもが目標を決められないときは「こういうのはどう?」と、父から助け船が出たりしていました。
親は子どもの「目標調整役」として会議に参加
七田:親はオブザーバーとして、子どもの目標を調整したりする程度です。もしくは、親自身も目標を定めるのもいいですね。
目標は子どもたちに決めさせますが、時には目標が高すぎたり低すぎたりすることもあります。そんなときは親が調整してくれていましたね。たとえば私が「1日に漢字を20文字覚える」といえば、「それはちょっと多すぎるかもしれないね」という感じです。
低すぎる目標は、未来を見せてモチベーションアップ
七田:目標が低すぎたとしても、頭ごなしに否定しないことです。「もうちょっとがんばれるんじゃないの?」と言ってしまうと、子どもに反発心を起こさせてしまうことも。たとえば「夏休みの宿題を1日1ページだと夏休み中毎日やらなければいけないけど、1日2枚やったら後半は思いっきり遊べるよ」というふうに言ってやることです。
子どもからしたら、「毎日〇個やる」というのは、「1日にできそうな量」しか考えていないのです。それを「1カ月続けるとこれだけできて、1年続けたらここまでできるよ。それってすごいと思わない?」と、先を見せてあげるのです。「1枚やるだけじゃなくて2枚やれば、1カ月後にはこうなるんだ!」とわかれば、モチベーションアップにつながります。
仕事にも役立つPDCAサイクルは家族会議で育む
七田:1カ月後、次の会議の際に「先月の目標は達成できたのかな?」と振り返りを行います。仕事でいえば、PDCAサイクルですね(笑)。プラン(P)、ドゥ(D)、チェック(C)、アクション(A)。つまり、計画、実行、評価、改善です。
「計画を立て、それに基づき実行できたか。自己評価はどうだったのか。改善するところはどこか」。これを家族会議の中で行うのです。
家族会議で大切なことは、親が実行まで見てあげることです。子どもに目標を立てさせるだけでなく、子どもたちが立てた目標を実行できるように、親がサポートする。これがあってこそ子どもは最後までがんばり、目標を達成することができます。また、立てた目標を達成することで自分にも自信が持てるようになり、どんどんPDCAサイクルをまわしていけるようになるのです。
家族会議で、子どもの目標が適切か判断したり、うまく実行できるようにするためにも、日ごろから親が我が子のことを観察することが大切です。親が子どものことを知らなければ目標設定の手助けができないし、家族会議も白けたものになります。
そうならないためにも、1日30分、テレビやスマホはやめて親子で会話する時間を作りましょう。それが子どもの目標達成を後押しする力となるのです。
まとめ
月1回の家族会議を始めてみませんか。