日本ではタブー視されがちな「お金の話」。でも世界を見渡せば、幼稚園のころから金融リテラシーを鍛える教育を行っている国も少なくありません。今回は、わが家が金銭教育を重視する理由と方針、家庭での具体的な取り入れ方の方法についてご紹介します。
子どもの自立に欠かせない金融リテラシー
日本では、お金に対してあまり良い印象を持っておらず、子どもの前でする話題ではないと忌避する方が少なくありません。でも、お金は本来「いろいろなものと交換可能なただの道具」であり、その便利さゆえ、生きていく上で使うことを避けては通れないものです。
大人になって突然包丁を渡されても正しい使い方がわからないのと同様に、お金という道具についても、発達段階に応じて使い方を学ぶことはとても大切なことです。
子ども自身が、「どうすれば経済的に自立できるのか」を知ることはもちろん、「お金に振り回されずに、自分らしく生きるにはどうすれば良いのか」を考える上でも、金銭教育は必要不可欠だと考えています。
わが家の子どもの金銭教育
子どもに仕事に対する対価としてお金を渡す
「仕事」は、「自分以外の誰かの役に立つこと」で、「楽しく続けられそうなもの」を長女と話し合って決めています。小学1年生になった長女の今の「仕事」は、2歳の次女の着替えのサポートや布団の準備です。
家庭という小さな社会を通じて、お金は誰かが無条件にくれるものではないこと、お金は自分の「仕事」の対価として得た限りあるものだから、使うときはよく考えなければならないことなどを、学んで欲しいと思っています。
お金の話はオープンに
そのためか、長女は物やサービスの値段を知りたがります。自分の習い事費や、学校用品にいくら必要なのかも把握していますし、「〇〇だから買わない方が良い」とか、「〇〇だからお買い得だと思う」といった意見も言ってくれます。
小さいうちからお金という道具に親しみ、自分にとって適切だと感じられる稼ぎ方と使い方を見出していくためにも、親がどんな考えで何にお金を使っているのかを隠さず見せることは、子どもにとって一番の教育になるのではないかと考えています。
お金の使い道を5つに分類する
・必要なものを買う
・欲しいものを買う
・他の人のために使う(プレゼントや寄付など)
・未来に備えて貯める
・増やすために使う
お金の使い道には口出しをしていませんが、長女は「学校で使う文房具は必要なもの」「おもちゃは欲しいもの」「妹にあげるお菓子はプレゼント」「週末クレーンゲームで遊ぶためにお金を貯めておく」など、自分なりに分類してやりくりをしているようです。
最後の「増やすために使う」の部分は、長女がもう少し大きくなってから具体的な行動に移したいと考えていますが、銀行の利息の話や、株のしくみなどは折に触れて話をしています。
まだ目先の「欲しいもの」に使ってしまいがちですが、この5つの分類がいつでも意識できるように、今後も声かけをしていくつもりです。
金銭教育には親の努力も必要!
筆者も含め、大人も「なんとなくお金を使っている」人がほとんどで、お金の使い方について明確な指針を持っているという人の方が少ないのではないでしょうか。
そのため、子どもの金銭教育を始めようと思ったら、まずは親である私たち自身が、お金に対してどんな考えを持っているのかを、あらためて見直す必要があります。
また、定額制や報酬制、どこまでお小遣いでまかなうのかといったルールを一度決めたら、親はその約束をしっかり守り、「かわいそうだから、ルールを破ることになるけれど買ってあげる」といったイレギュラーな対応は、なるべく避けなければなりません。
親も努力が必要ですが、子どもの金銭教育を通じて、自分のお金に対する価値観に気づいたり、子どもの新たな一面が見えたりと、メリットも大きいと感じています。
お金とは、生涯上手に付き合っていく必要があります。子どもの成長に応じた金融リテラシーを身につけさせ、お金をしっかりとマネジメントできる人に育てたいですね。