幼児や小学低学年の子どもたちに大人気の「おしりたんてい」。2018年5月にはNHK Eテレでアニメ化が決定しています。ユニークなキャラと謎解きのおもしろさに加え、主人公の必殺技も人気の秘密です。そんな「おしりたんてい」の絵本版と幼年童話版の魅力を紹介します。
おしりたんていの魅力はキャラ、物語、謎解き
確かに、顔はお尻に見えるし、口癖は「フーム、においますね」、必殺技の前には「しつれいこかせていただきます」の決め台詞で、ちょっぴりお下品な要素はあります。でも、幼児や小学校低学年の子どもは「おしり」や「おなら」が大好きですよね。他の本になかなか興味を示さなかった子どもも、この表紙を見ただけできっと食いつくはずです。
しかも、実は主人公はとってもジェントルマン。女性のことは「レディ」と呼び、言葉遣いも丁寧です。探偵の話ということで、ストーリーもかなり作り込まれています。パズルや謎解きなども織り込まれているので、知育的な要素も多い本です。
絵本版と幼年童話版があるので、同じシリーズを長い期間読み続けられるのも嬉しいです。それでは、シリーズ11作の中から筆者おすすめの5冊を紹介していきます。
おしりたんてい
著者:トロル(作・絵)
出版社:ポプラ社
おしりたんていの魅力はやはり謎解きです。犯人のアリバイの嘘を証明するためには、それまでのページをしっかり見ていく必要があります。わからなかったら、前のページに戻って考えてみるなど、親子でじっくり犯人を見つけてくださいね。
おしりたんてい ププッ ちいさな しょちょうの だいピンチ!?
著者:トロル(作・絵)
出版社:ポプラ社
マルチーズしょちょうは、署長らしい威厳があります。ただ、丸いものを見ると我を忘れてしまうという困ったところがあり、実は、警察署で預かっている落し物のボールを、遊んでいるうちになくしてしまったのです。そこで、おしりたんていに助けを求めたのですが、それはただのボール探しでは終わらないわけで……。今作は、絵探しや迷路がとくに充実しています。
おしりたんてい むらさきふじんの あんごうじけん
著者:トロル(作・絵)
出版社:ポプラ社
「むらさきふじんのあんごうじけん」では、暗号を解きながら事件の解決を目指します。そして、「おやつどろぼうはだれだ!?」では推理能力を鍛えてくれます。読み終わったあとに、親子でオリジナルの暗号作りをするのも楽しいですよ。
おしりたんてい かいとう VS たんてい
著者:トロル(作・絵)
出版社:ポプラ社
「かいとうVSたんてい」は、絵本版にも登場する華麗な大泥棒「かいとうU」との戦いです。幼年童話版にも絵本版のようにパズルや迷路はありますが、文章から推理する部分が多くなっています。
「ブラウンのものがたり」は、おしりたんていの助手ブラウンの話。絵本版では話すことのできないブラウンですが、幼年童話版では会話ができます。この話を読むと、その秘密がわかりますよ。
おしりたんてい いせきからのSOS
著者:トロル(作・絵)
出版社:ポプラ社
「いせきからのSOS」は、絵や文字から考える細かいトリックが随所に散りばめられています。集中して読まないと大人でも見逃してしまう仕掛けがあります。ぜひ、親子で相談しながら読み進めてみてください。
親子で「おしりたんてい」と謎解きを!
「おしりたんてい」は、2018年5月から、NHKのEテレでもアニメ化が決定しているくらい子どもたちには人気ということ。「お尻の顔した探偵の絵本なんて」と思わず、ぜひ手に取ってみてください。その魅力が、きっとすぐにわかると思います!