小学生の勉強として、学校や塾のほかに家庭学習を充実させて学力を向上させたい、と考える方も多いでしょう。家庭学習を習慣化するためには、どのようなことに気をつければ良いのでしょうか。家庭学習の必要性や、低学年・高学年別の学習のポイントについてご紹介します。
小学生にとっての家庭学習の必要性
学校や塾の授業で先生の解説を聞いていると、その場では理解したつもりになるもの。しかし、ひとりになったときや時間が経過したときに、習った内容を思い出せなかったり問題が解けなくなっていた、というケースはよくあります。家庭学習を取り入れることで、「実はあまり理解できていなかった部分」をいち早く見つけることができるのです。
内容を理解しないまま授業が進んでいくと、分からない部分がどんどん大きくなってしまいます。気がついたときには、学校の授業についていけなくなっていた……ということも。毎日の家庭学習を習慣化して、習った内容を知識として定着させましょう。
「中学受験を予定しているわけではないから、小学生の間はめいっぱい遊ぶことに集中していれば良い」という考え方もありますが、勉強と習慣は深い関係にあります。小学生の間に勉強の習慣がついていないと、中学生になったときに毎日勉強するという習慣に切り替えられません。結果的に、子ども本人が勉強嫌いになってしまうことも考えられます。
小学生にとって、遊びで得られることは多く、非常に重要です。同時に早くから勉強の習慣を身につけることも大切だと言えるでしょう。
家庭学習の時間は?
塾に通っている子どもの場合は、学校の宿題だけでなく塾の宿題もこなさなければなりません。宿題以外に1時間となると、ほかにも習い事がある場合などはかなりハードな条件に。
目安は絶対ではないので、家庭学習の時間は子どもの状況に応じて調整すると良いでしょう。まとめて長い時間を確保できない場合は、朝や夕食の前後など、小分けにする方法もおすすめです。
小学校低学年の家庭学習のポイント
難しい問題を解く必要はありません。国語や算数を中心とした通信教育や、市販の簡単な計算や漢字ドリルなど、教材はなんでもOK。これらを1日1ページだけなど、短時間でもよいので毎日机に向かう習慣をつけましょう。
通信教育や市販のドリル教材などは、塾に通うよりも費用負担が少ないというメリットもあります。内容がまだ難しくない小学校低学年の間は、塾に通わず市販の教材で十分というケースも多いです。
はじめのうちは、じっと机に向かっていることができないかもしれません。パパママが一緒に時間を取って教える、近くで取り組めるようリビング学習にするなどの工夫が必要です。家庭学習に慣れてきて、子どもが自分から進んで学習に取り組めた場合には、学習の内容に関係なく、自分から進んで取り組めたことをしっかりと褒めてあげるようにしましょう。
中学受験を考えている方の場合は、小学校3年生くらいから受験に関する情報収集をはじめます。受験対策向けの問題集などを使って、本格的な家庭学習が必要になってくるため、少しずつ準備を進めましょう。
小学校高学年の家庭学習のポイント
分からない部分を発見できたら、学校や塾の先生に質問するように促しましょう。家庭学習を活かして分からない部分を少しずつ減らしていくことで、成績も自然とアップしていきます。
子どもがきちんと理解しているかどうかを確かめるポイントとしては、子どもに説明させるという方法がおすすめです。「今日習った部分をママ(パパ)に教えてくれる?」と内容を説明するように促してみましょう。
人に説明するには、説明する本人がきちんと内容を理解していないとできません。そのため、説明している途中で、自分が理解していない部分がどこなのかが把握できるのです。
親の協力が必要になる方法ですが、親にとっても子どもがどのような内容をどのようなレベルで勉強しているのかがよく分かるというメリットもあります。
小学校高学年になると塾に通う子どもが低学年のときに比べて増えてきます。宿題の多い塾もあり、宿題以外の家庭学習の時間を持つことが難しくなってくる場合もあるでしょう。小学校高学年の家庭学習では、スケジュールの管理が重要となります。
家庭学習の習慣は早めに身に付けたい
小学校低学年の段階から積極的に家庭学習を活用していくためのコツは、子どもに「自分のための勉強」だと知ってもらうこと。「たくさん勉強をさせたい」と焦る必要はありません。家庭学習の習慣をつけて、習ったことが分かるようになる楽しさを感じられるようサポートしていきましょう。