昭和の時代には知らない人がいないほどメジャーな絵本だった『ちびくろ・さんぼ』ですが、その頃の社会背景もあり、一時絶版となりました。しかし、十数年のときを経て復刊すると、瞬く間にベストセラーに。ぜひ、親子で一緒に楽しんでみてはいかがでしょうか。
「ちびくろ・さんぼ」とは
しかしこの絵本、当時海賊版が横行し、インドが舞台のはずがアフリカを舞台にアフリカの少年の絵が使われるようになったことで、人種差別問題が勃発。1988年に、廃刊に追い込まれることになってしまいます。
その後十数年のときを経て復刊し、今では、大人から子どもまで多くの人に親しまれています。
ちびくろ・さんぼ
著者:ヘレン・バンナーマン(作) フランク・ドビアス(絵) 光吉 夏弥(訳)
出版社:瑞雲舎
ちびくろ・さんぼが新しい服を着て歩いていると、次から次にトラと遭遇します。そのたびに着ているものをトラに渡すことで、食べられずに済むちびくろ・さんぼ。しかし、すべて着ているものがなくなった時点で、またしても洋服をあげたトラが大集合!さて、どうやってちびくろ・さんぼは助かったのでしょうか。
木の周りをくるくる回るうちに、なぜかトラがドロッと溶けたバターになってしまった、という描写はあまりにも有名ですよね。
ありえないはずなのに、なぜだか美味しそうに思えて仕方ありません。「そのバターでホットケーキを食べるさんぼがうらやましい!!」と思った方も少なくないのでは?
ちびくろ・さんぼ2
著者:ヘレン・バンナーマン(作)岡部 冬彦(絵) 光吉 夏弥(訳)
出版社:瑞雲舎
そんなある日、ちびくろ・さんぼがお母さんに薪を取りに行くよう頼まれて出かけている間に、近所に住む悪いサルが、双子の弟たちをさらっていってしまいます。
一番高いヤシの木の上に連れて行かれ、泣き叫ぶ双子。お母さんとちびくろ・さんぼは心配して、2人を探し回りますが、なかなか見つかりません。
しかし、ある木の根元に落ちているお揃いのお茶碗を見つけ……。
こちらの巻でも、最後には家族揃って山盛りのホットケーキを食べています。なぜこんなにも美味しそうに見えるのでしょうか。
ちびくろ・さんぼ3
著者:こじま よしみ(作) かも なおき(絵) ヘレン・バンナーマン(原案)
出版社:瑞雲舎
また歩きはじめると、本を売っているおじいさんに出くわし、『もうじゅうをねむらせるものがたり』という何とも面白そうな本を見つけて興味津々。先ほどもらったコイン一枚と交換して手に入れると、ジャングルの大きな木に腰を掛け、読みはじめます。
するとどこからともなくトラが大勢集まってきて……。
今回は、ホットケーキではなく、最後にスコーンが登場!はちみつをたっぷりかけて食べる描写に、やっぱりおなかが減ってきそうですね。
親子で楽しめる永遠のベストセラー
挿絵もカラフルでかわいく、小さなお子さまから大人まで一緒に楽しめます。
ぜひ、親子で一緒に読んでみてはいかがでしょうか。