2018年04月16日 公開
液体ミルクが国内で製造可能に!?乳児を持つ家庭のメリットとは?
以前より強い要望のあった液体ミルクが、早ければ2018年夏に日本国内で製造可能となるようです。欧米ではすでに流通している液体ミルクですが、国内でも製造販売されるようになれば、乳児を持つ家庭にとって大きな助けとなるでしょう。液体ミルクの利便性や活用法、注意点について詳しくご紹介します。
以前より強い要望のあった液体ミルクが、早ければ2018年夏に日本国内で製造可能となるようです。欧米ではすでに流通している液体ミルクですが、国内でも製造販売されるようになれば、乳児を持つ家庭にとって大きな助けとなるでしょう。液体ミルクの利便性や活用法、注意点について詳しくご紹介します。
海外で普及している液体ミルクとは?
液体ミルクは、常温で保存ができる容器に入っており、開封すればそのまま乳児に飲ませることができます。粉ミルクと違い、お湯を入れて混ぜ、冷ますなどの手間が省けるため、とても便利なものです。
日本では販売されていないので、手に入れるには通信販売などで海外から個人輸入する方法しかありません。しかし欧米諸国ではすでに広く普及しており、スーパーやドラッグストアなどで簡単に手に入れることができます。
2016年4月の熊本地震では、フィンランドから液体ミルクが救援物資として届けられ、乳児を持つ被災者の助けとなり大きな注目を集めました。じつは、阪神大震災や東日本大震災でも、液体ミルクが被災地に届けられていました。
日本国内で液体ミルクが製造、販売されなかった理由
便利な液体ミルクが日本で販売されてこなかった理由は、食品衛生法の規格基準で液体ミルクが想定されていなかったからです。また、常温保存である液体ミルクは、冷蔵保存の牛乳などと比べて安全面や衛生面での基準が厳しくなっています。新たな設備投資なども含め、メーカーにとって大きな壁となっているようです。
しかし、2018年3月に厚生労働省の専門部会において、液体ミルクの国内基準が検討され、2018年夏ごろに新設されることになりました。製造可能になった後に、品質試験などもあるため、販売は早くても2年後になる模様。
課題はあるものの、数社のメーカーが検討しているようです。国内における液体ミルクの製造販売に向けて、大きな第一歩を踏み出したといえます。
液体ミルクの活用法、メリットとは?
災害時の備蓄
災害時には清潔なお水や、お湯を沸かす手段の確保が難しいなど、粉ミルクでは対応できない場合があります。また、ママが大きなストレスを感じて母乳が出なくなることも。開封してそのままの飲ませることができる液体ミルクを災害時の備蓄としておけば、いざという時に安心です。
育児負担の軽減
粉ミルクを使用している場合、哺乳瓶の洗浄や煮沸をする必要があります。一方、ほとんどの液体ミルクはそのまま乳首をつけて飲む、使い捨てタイプになっています。
夜中に粉ミルクを飲ませる準備の手間が省けたり、ママの体調が悪い時にも容易に飲ませることができたりなど、育児の負担が大幅に軽減されます。
パパの育児参加を促す
手軽に飲ませる液体ミルクがあれば、パパの育児参加を促せるかもしれません。液体ミルクの有無に関わらず、粉ミルクでも積極的に関わっているパパもいますが、腰の重いパパにとって液体ミルクが育児参加のきっかけになると期待できます。
液体ミルクの注意点、デメリットとは?
品質の問題
液体ミルクは飲み残しを放置しておくと、雑菌が繁殖するという衛生面の問題があります。また、国内製造を検討しているメーカーによれば、液体ミルクは缶やレトルトパック、紙パックを想定しています。紙パックの場合は特に、保存中に茶褐色が濃くなる可能性が高く、風味は変わらないものの見た目の問題があります。
高コスト
液体ミルクを製造販売するには、かなりのコストがかかります。設備投資はもちろん、栄養成分を維持しながら長期保存するための技術開発が必要になります。また、液体ミルクは常温での保存となるため、流通面でも見直しをしなければなりません。そのため、粉ミルクに比べ割高な価格設定になるようです。
商品化を願う声に応えてほしい……
日本は自然災害の多い国です。液体ミルクがあれば、乳児を持つ家族にとって安心材料の一つとなり得ます。
「乳児用液体ミルクプロジェクト」代表の末永恵理さんが、2014年に液体ミルクの解禁を求めた署名では、1カ月で1万筆に達しました。そこには、パパママの切実な思いがあふれていたそうです。
少子化が進む中で、メーカー側として利益を生み出せるのかという懸念はあります。しかし、安全面をクリアし、手に届きやすい価格帯で液体ミルクが商品化されるのを願います。