2018年04月26日 公開

人気絵本作家の魅力に迫る!糸井重里×ヨシタケシンスケトークイベント

4/18~5/7まで、松屋銀座で開催している「MOE40th Anniversary 島田ゆか 酒井駒子 ヒグチユウコ ヨシタケシンスケ なかやみわ 5人展」。その5人のうちの一人である、人気絵本作家ヨシタケシンスケさんと、糸井重里さんのトークイベントが4/18に銀座の紙パルプ会館で行われました。イベントの様子を詳しくお伝えします。

4/18~5/7まで、松屋銀座で開催している「MOE40th Anniversary 島田ゆか 酒井駒子 ヒグチユウコ ヨシタケシンスケ なかやみわ 5人展」。その5人のうちの一人である、人気絵本作家ヨシタケシンスケさんと、糸井重里さんのトークイベントが4/18に銀座の紙パルプ会館で行われました。イベントの様子を詳しくお伝えします。

実はデビュー5年目!ヨシタケシンスケさん

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イラストレーターで絵本作家のヨシタケシンスケさんは、今年でデビュー5年目でありながら、「『MOE』絵本屋さん大賞」ですでに4度も1位を獲得しているという、押しも押されもせぬ人気絵本作家です。

経歴を聞くだけだと、なんだかとても近寄りがたいのでは?と思ってしまいそうですが、ご本人いわく「怒られたくないから逃げ続けただけなのに、偶然道が開けた」と公言してしまう、とてもキュートなお人柄。今回は、『ほぼ日刊イトイ新聞』主宰者であり、コピーライターの糸井重里さんとのトークイベントを通して、ヨシタケシンスケさんの魅力を解明していきます。

知り合ったきっかけは『MOE』

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一般の来場者の写真撮影も時間限定で可能だったため、会場のほぼ全員がお二人を撮影。
「撮った写真はぜひSNSでご紹介ください」と司会の女性。
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今をときめく絵本作家・ヨシタケシンスケさんと、人気コピーライター・糸井重里さんのトークイベントとあって、会場はもちろん満席。お二人の登場とともに、ファンの方々から歓声が上がっていました。

お二人が知り合ったきっかけも『MOE』で、ヨシタケシンスケさんの巻頭特集だった際に、糸井さんとの対談が設けられたそうです。「そして今回が二度目となり、誰よりも今日という日を心待ちにしていました」とヨシタケシンスケさん。

流れに任せてこうなった【ヨシタケシンスケ】という作家

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「絶対そうなりたい」と思って絵本作家になったわけではないという、ヨシタケシンスケさん。
目的をもって努力に努力を重ねて、たどり着いたのが今の絵本作家という職業、というのとはちょっと違うようです。

「目的があるとその道みたいなものがつい見てみたくなるし、道が見えると早くたどり着きたくなるし、脇の景色を見たりもできなくなるし、どうしても目的があるってだけで、でき栄えとかも見えにくくなって、自分を驚かせてくれるようなものが見えないんですよね。」
そんな糸井さんの話を聞けば、「なるほど」と確かに納得。流れに任せて自然にたどり着いたからこそ、周りの景色を楽しみながら進めて、結果目的地に着いた、ということのようです。それがヨシタケシンスケさんの場合だと、イラストであり絵本だった、というわけですね。
がむしゃらに目的地に向かって進まないあたり、本当にヨシタケシンスケさんらしい。

しかし、もちろんだれもがそういった生き方ができるわけではなく、才能とセンス、また運も必要なのはいうまでもありません。

そんな自由人的なヨシタケシンスケさんですが、デビュー前にイラストレーターとして活動していた時代に出したイラスト集が、ある敏腕編集者の方の目に留まり、「絵本を出してみたら面白いのではないか」ということに……。こうして、デビュー作『りんごかもしれない』を出版するに至ったそうです。

見ないで描く、から描けるように

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デビュー作の「りんごかもしれない」を紹介する糸井重里さん。
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実物を見ながら描くと、比べられてしまうので絵を描く前に躊躇してしまっていたというヨシタケシンスケさんですが、「ある日見ないで描いてみたら描けるようになった」とのこと。つまり、見たものをそのまま描写するのではなく、頭の中で再構築したものを紙に描き出す、というのが、ヨシタケシンスケさん流。それが独特の持ち味となって人気を博すことに……。

「見て比べて、違うと判断されるのが怖くて描けなかった」といい、とてもネガティブな性格で、「逃げ続けて今に至る」というヨシタケシンスケさん。そんな子どものような純粋さやユニークさが、絵本創作においても役立ち、また読者の共感を得ているのかもしれません。

「子どものころに絵で褒められたとかって経験は?」との糸井さんの問いに、「それが、全くないんですよね。大学の時も、自分が描いた絵を見た同級生に、そんなんでよくうちの大学に入れたな、といわれたくらいで……」とヨシタケシンスケさん。

そんな経歴も、絵本作家としては珍しがられているのだそうです。

独特の世界観=子どもの視点を大切に

デビュー作の『りんごかもしれない』をはじめ、ヨシタケシンスケさんの絵本は子どもの視点で見た「面白い」がいっぱい。不思議なものはとにかく不思議、やりたくないものはやりたくない……。そんな子どもの視点や発想を大事に創作されているのが、絵本を通しても伝わってきます。

さらに知りたい人は、5/7まで開催中の展覧会で

4/18~5/7まで、松屋銀座8階イベントスクエアにて開催中の「MOE40th Anniversary 島田ゆか 酒井駒子 ヒグチユウコ ヨシタケシンスケ なかやみわ 5人展」では、今回ご紹介したヨシタケシンスケさんのほかに、島田ゆかさん、酒井駒子さん、ヒグチユウコさん、なかやみわさんという、当代の人気絵本作家5人の作品を、約200点の原画とともに展示。それぞれの創作に対する思いなども展示物とともに紹介されています。
ヨシタケシンスケさんはもとより、ほかの4人の人気絵本作家についても深く知れるチャンス。
ぜひこの機会をお見逃しなく!

開催概要

【会期】
2018年4月18日(水)〜5月7日(月)
【会場】
松屋銀座8階イベントスクエア
http://www.matsuya.com/m_ginza/
【開場時間】
午前10:00〜午後8:00
(入場は閉場の30分前まで。最終日は午後5:00閉場)
【入場料】
一般800円、高校生600円、小中学生400円
【主催】
MOE40th 絵本作家展実行委員会/白泉社
【協力】
偕成社、童心社、PHP 研究所、福音館書店、ブロンズ新社、文溪堂

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この記事のライター