イギリスの小学校、給食(スクールディナー)のメニューって何?ランチタイムの過ごし方は?給食当番ってあるの?などなど。筆者が日本の小学校給食とは違うなぁと感じたことや、小学生の娘が実際に体験した内容のレポートをイギリス学校便りでお届けします。
給食はどこで食べる?
イギリスの学校給食では、学校のキッチンで調理・用意された食事を、キッチンにつながっている受取エリアのカウンターまで生徒が自分で取りに行き、さらにそこにつながっている学校のホール(多くの場合は体育館)まで運びます。
ホールには、食事をするための机と椅子が並べてあります。学年ごとに時間をずらしながら生徒が入室し、食事が終われば退出。次の学年と交代します。
Aのテーブルでは、セルフサービスで取れるようにカトラリー(ナイフやフォークなど)や、自由に追加できる野菜スティックなどが用意されています。
Bのテーブルでは、メインの食事が終わった子どもたちが、ひとつずつデザートをもらうことができます。
デザートを食事の後にもらいに行くことで、メイン料理をきちんと食べてからデザートに手をつけるようにという、学校側の方針があるようです(学校によっては、受取エリアのカウンターでメインの食事をもらうときに、食事と一緒にデザートも配給される場合も)。
Cのテーブルには、食事後のお皿やトレイを各自で持って行き、重ねて片づけます。
日本のように、生徒が行う「給食当番」はありません。
ディナーレディーって誰のこと?
キッチンと受取エリアの間にあるオープンカウンターで、お皿やトレイに食事を取り分けてくれるスタッフと、キッチンの中で給食を作ってくれるスタッフを「ディナーレディー」と呼びます。つまりは、給食の用意から配給までを担ってくれるお仕事をしている方のこと。
ディナーレディーとして働いているのは、その学校に通う生徒の保護者であることがほとんどです。子どもが学校へ行っている時間にできる、学校の休日には仕事が休みになるという理由もあって、保護者に人気の仕事なんですよ。
学校の給食には毎日、レッドオプションとグリーンオプションの2種類のメニューが用意されており、生徒がその日、食べたい方を選ぶことができます(学校によってはイエローオプションの3種類あるところも)。
レッドオプションは、お肉やお魚が含まれている食事。グリーンオプションは、ベジタリアン用の食事で、お肉やお魚が含まれていません。思想・体調・宗教などのさまざまな理由から、こちらを選ぶ子ども・家庭があります。さすが多民族国家のイギリス、という印象です。
気になるイギリスの給食メニュー
どういった給食メニューを食べているのか、気になりませんか?
例えば、ある週のメニューを見てみると……
月曜日の例:
【レッドオプション】マッシュポテトと焼ポークソーセージ、グレービー(ソース)つき
【グリーンオプション】イタリアントマトパスタ、ガーリックブレッド
(上記に加え、この日は、どちらにも茹でたサヤインゲン豆が横に添えられました)
【デザート】アイスクリーム
水曜日の例:
【レッドオプション】チキンのタイカレー、ご飯とナンつき
【グリーンオプション】マルゲリータピザ、サラダ
(上記に加え、この日は、ブロッコリー、またはスイートコーン&パプリカをつけ合わせに選べました)
【デザート】ジャンブルビスケット
他にも、伝統的な食べもの、たとえばローストディナーやフィッシュフィンガー&チップスなどを食べることができる日も用意されています。
イギリスの給食って、なんだかレストランみたいですね!
また最近では、ナッツフリー、オーガニック、地域の食材をなるべく使うなど、食材にも気を使ったメニューになってきています。予め注文をしておくと、アレルギー対応食も可能です。
子どもたちの食事をサポート!『ランチタイムスーパーバイザー』とは?
先ほどの「ディナーレディー」とは別に、「ランチタイムスーパーバイザー」という仕事もあります。
イギリスの学校は、4歳になった年の9月からはじまるため、まだ4~5歳と小さい子どもたちも多いです。ナイフやフォークの使い方が難しかったり、好き嫌いでうまく食べられなかったり……という生徒さんも。そんな子どもたちをお手伝いしてくれるのが、「ランチタイムスーパーバイザー」です。
もちろん、小さい学年の生徒だけではなく、大きい学年の生徒をサポートしたり、飲み水の補給やカトラリーの補充、マナーのチェックなど、ランチタイムを楽しくスムーズに過ごせるように、全般的に生徒たちをお手伝いしてくれています。
給食も日本とはかなり違う!
イギリスの学校給食の様子、いかがでしたか?
前回の教室の話に引き続き、日本の学校生活とはかなり違いが大きいので、驚くことも多いのではないかと思います。
わが家の子どもが入学するときに、給食の試食をする機会があったのですが、メインの食事がピザで、デザートがチョコレートブラウニーでした。さすがイギリスの食事……とビックリしたものの、(意外と!?)味がおいしくて、子どもはすっかり上機嫌になったのは、言うまでもありません(笑)。
在英13年目の2時の母、ライター兼イラストレーター。武蔵野美大卒。現在は英国で日本語教育・日本語子ども会活動にも従事。海外生活・育児経験を活かした記事を執筆中。