白雪姫、シンデレラ、ブレーメンの音楽隊など、グリム童話は昔から愛されているお話です。版や訳によっても違いがありますので、好きなものを探してみるのはいかがでしょう?大人も楽しめる、グリム童話のおすすめ絵本をご紹介します。
世界中で愛される、グリム童話とは……
1812年に初版が発行された後も改編を続け、45年後に発行された最終版では出版当初の残酷な描写も減り、子どもに読み聞かせやすい童話集へと生まれ変わりました。現在では160カ国以上の言語に訳されています。日本でも明治時代に紹介されて以降、絵本やアニメとして、また文学作品としても、幅広い世代に楽しまれています。
おおかみと七ひきの子やぎ
著者:グリム(作) フェリクス・ホフマン(絵) 瀬田 貞二(訳)
出版社:福音館書店
いわずと知れた名作で、保育園や幼稚園の読み聞かせや劇などでも人気ですが、「知恵比べ」の面白さがあります。悪いオオカミは死に、ハッピーエンドで終わるので、小さな子どもでも親しみやすいお話です。
つぐみのひげの王さま
著者:モーリス・センダック(絵) 矢川澄子(訳)
出版社:評論社
王女が高慢なその性格から身を落とし、貧しい暮らしをした後に改心して幸せになるお話です。悪口をいうことを覚えてしまった子に、おすすめの一冊といえるでしょう。
ヘンゼルとグレーテル
著者:藤本朝巳(訳) カトリーン・ブラント(絵)
出版社:平凡社
家を追われた兄妹が魔女に打ち勝つために知恵を絞るうちに、自立的な意識が育っていく……。
森、お菓子の家、魔女など、メルヘンの世界を象徴するモチーフが多く出てきます。こちらは、グリム兄弟と同じドイツ出身のブラントによるダークトーンの挿絵で、当時のドイツをよく表していると評価が高い絵本です。
シンデレラ
著者:バーバラ・マクリントック(再話・絵)、福本友美子(訳)
出版社:岩波書店
おしゃれな女の子におすすめしたいのが、細部の描写に優れたアメリカ人作家、マクリントックの挿絵とともに楽しめるシンデレラ。
おなじみのグリムのシンデレラストーリーですが、ヴェルサイユ宮殿やオペラ座など、ルイ14世時代のフランスを意識した装飾は、大人が見てもワクワクします。
こちらは最後に、意地悪な継姉も改心するお話になっています。
金のガチョウ
著者:グリム(原作) バーナデット・ワッツ(文・絵) 福本友美子(訳)
出版社:BL出版
まぬけと呼ばれる子が、親切をきっかけに金のガチョウを手にし運を開き、最後には王女さまと結婚するお話。周囲の人の手がくっついてしまうコミカルな場面を子どもたちは喜びます。
ワッツはほかのグリム童話の絵本の挿絵も手掛けていますが、柔らかく繊細なタッチに人気があります。
残酷な描写が気になる?グリム童話を選ぶときのコツ
グリム童話はおどろおどろしい場面が多く、読み聞かせる際、死をはじめとする残酷な描写が子どもに与える影響について、悩むパパママもいるのではないでしょうか。
グリム童話など、昔話の残酷な場面は、死や命について子どもの無意識に語りかけます。人の命の重さ、死への恐れなどを物語の中で疑似体験することで、教育的な効果があるとされており、教育現場でもたびたび用いられます。
お子さまの好みもあるので無理強いはできませんが、原作に近いものをまずは試してみることをおすすめします。
最後に
お気に入りの本をぜひ見つけてみてくださいね。