2018年05月30日 公開

共働き夫婦の上手な子育て術|仕事と家事・育児を両立するコツ

産休・育休を終え、これから共働きをスタートする夫婦や、実際に始めてみて、どうも上手くいっていないと感じている人へ。夫婦が公平に家事・育児を負担し、無理なく仕事と両立させるためのヒントを紹介します。

産休・育休を終え、これから共働きをスタートする夫婦や、実際に始めてみて、どうも上手くいっていないと感じている人へ。夫婦が公平に家事・育児を負担し、無理なく仕事と両立させるためのヒントを紹介します。

家事の分担における妻と夫のイライラポイントとは?

女性がキャリアを大切にし、共働きをする家庭が増えています。内閣府男女共同参画局の調査によると、第1子出産前後の妻の就業状況は、子どもの出生年が平成22~26年の時点で、すでに有職者が半数超え。共働き世帯が、妻が専業主婦という家庭を上回っています。
子供の出生年別第1子出産前後の妻の就業経歴

子供の出生年別第1子出産前後の妻の就業経歴

妻が仕事をするなら、家事と育児は夫婦で分担するのが大前提!という考え方もごく一般的なものになりました。ところが、実際に共働き生活が始まると、なぜかモヤモヤがたまっていく…ということも。では、どんなところでモヤっとしてしまうのでしょうか。妻と夫のよくある意見をまとめてみました。

【妻】
「夫の家事の手際が悪くて、見ているとイライラする」
「子どもの着替えを担当しておきながら、『このシャツにはどのズボンがいい?』など聞いてくる。それくらい自分で考えてほしい」
「ちょっと家事をやっただけで『俺はやっている』という偉そうな態度が嫌」

【夫】
「家事のやり方にいちいち文句を言われる」
「自分はかなり頑張って家事・育児をしているつもりなのに、妻からの感謝の気持ちが感じられない」
「子どもに『ママがいい』と駄々をこねられて、しかたなく妻にバトンタッチすると、嫌な顔をされる」

どの家庭にもありがちな、いわば「分担あるある」ですよね。では、どうすればお互いにモヤモヤせず、スムーズに家事・育児ができるのでしょうか?

効率よく家事・育児を行うためのコツ

 (98815)

T.TATSU / Shutterstock
毎朝、出勤時間に間に合うように保育園に送るなど、常に時間に追われるのが共働き夫婦。効率化の第一歩となるのが、一つ一つのタスクに対して作業工程や仕事量を検証し、計画通り行えるようにスケジュールを組むことです。仕事をされている夫婦なら、いつも職場で行っていることですよね。

ここで大切なのは、その検証を夫婦で一緒に行うこと。また、共働き生活が始まる前だけでなく、随時、見直していくこと。なぜなら、子どもは日々成長するため、育児に関する仕事量は変化するのが当然だから。
また、日々移り変わる子どもの気持ちも大切にし、臨機応変に対応していくことで、毎日の生活がよりスムーズになります。

必要に応じて、目配せだけでお互いのヘルプに回れるような、ツー・カーの間柄であるためにも、日頃のコミュニケーションが不可欠。会社で働く上では基本中の基本、「ホウ・レン・ソウ(報告・連絡・相談)」が、家庭においても重要です。

ストレスフリーな役割分担やルール設定の仕方

 (98809)

spacezerocom / Shutterstock
家事・育児のタスクを検証する際は、項目や担当者とともに、それぞれがどのくらい負担を感じるかも数値で表して、一覧表にしてみるのがおすすめです。なぜなら、同じ家事・育児でも、妻と夫で負担の感じ方が異なる場合があるから。「このくらい簡単でしょ」と勝手に判断してしまうのではなく、相手がどれだけ大変だと感じているかを知って、目から鱗、という場合も。当然ながら、それぞれが負担を感じにくい、得意なことを優先して担当していくと効率的です。

たとえば、朝の役割分担について。妻と夫でおすすめしたい役割分担とその理由がこちらです。負担は5段階で表しています。

【妻】
・朝食の準備(ネットスーパーなどで買い物をしているのが妻の場合、その日、家に何があるか把握しているのでスムーズに行える。負担:2)
・子どもの着替え(特に服に興味がない夫の場合、子ども一人一人の服をなかなか把握しきれない。人の服を決めることに必要以上の負担を感じる場合も。負担:1)
・登園準備(上と同じ理由で、園に持っていく着替えなどを用意するのが夫には負担になる場合がある。負担:2)

【夫】
・園への送り(女性の体力で自転車などに乗って子どもを送り届けるのは重労働。車で登園する場合、車の運転も夫のほうが得意であればなおさら担当するべき。女性は自分の準備にも時間がかかるため助けになる。負担:3)
・子どもを起こす(妻だと子どもが甘えてなかなか起きない場合がある。妻が朝食の準備をしている間に起こしてもらえると効率的。負担:1)
・朝食の片づけ(妻が子どもの着替えや自分の支度をしている間に簡単に済ませる。負担:1)
・ごみ捨て(オムツごみなど重いものだと力仕事だから。負担:1)

子どもの年齢や人数、性格などによって、または園への距離や移動手段などによっても仕事量は変わってくるはず。「子どもを起こす」など、細かい仕事もなるべくすべてリストアップしましょう。

そして、仕事の「数」ではなく、負担の数値が同程度になるように分担すること。その上で、たとえばごみ捨てもプラスチックごみなど重くない日は妻が捨てる、子どもがぐずったらお互いにヘルプに回る、時間がない日は朝食の片付けは夜にするなど、臨機応変に対処しましょう。

お互いのタスクやその負担についてきちんと理解していれば揉めにくいですし、完璧を求めすぎることも少なくなります。

目指せ、理想のイクメン!パパに実践して欲しい育児術

 (98811)

T.TATSU / Shutterstock
ここで、妻が夫にぜひ負担してもらいたい育児をいくつかご紹介しましょう。夫の皆さんは、「自分には無理」と思わずに、以下を参考にトライしてみてください。

・授乳
お湯を沸かす

哺乳瓶にミルクを入れる
(ミルク缶などに書いてある、年齢による目安を参考に)

少量のお湯を入れて哺乳瓶を振り、しっかり溶かしてから残りの分量のお湯を入れて、人肌の温度に冷ます。

赤ちゃんが飲み終わったら哺乳瓶を洗う(新生児の場合、消毒する)

以上が一回の授乳の流れです。
哺乳瓶は使った後、放っておくとミルクが固まってしまうので、すぐに洗うようにしましょう。授乳間隔はだいたい2、3時間ですが、普段メインで授乳しているのが妻なら頻度を確認しておくこと。

・オムツ替え
紙オムツの場合、おしっこが出るとオムツについたお知らせラインの色が変化することが多いので参考に。ただ、ウンチだけの場合や、女の子だとおしっこがお尻のほうに流れて色が変わらないということもあるので注意しましょう。
まずはオムツ替えシートの上に赤ちゃんを寝かせ、テープ式の場合、新しいオムツをお尻の下に敷いて準備してから交換するとスムーズです。男の子の場合、オムツ替え中におしっこが出て大人の服などにかかってしまうこともあるので気をつけて。

・赤ちゃんのあやし方
歌を歌ったり、抱っこして歩いたり、いないいないばあをしたり。あやし方に正解はないので、いろいろ試してみてください。いつもお母さんがしているあやし方が、お父さんにとってもベストとは限りません。
お父さんならではのあやし方を見つけ、お子さんとのコミュニケーションを楽しんでみましょう。スマホアプリに頼るのは、できれば最終手段に。

・寝かしつけ方
あやし方同様、人それぞれですが、歌を歌う、歌いながらトントンするなどが基本。
お風呂の後、おもちゃを片付けて歯磨きをし、絵本を読むなど、入眠までの「儀式」が決まっていると、赤ちゃんも寝つきやすくなります。儀式を進める間も子どもの気分が落ち着くよう、盛り上げすぎてテンションが上がってしまったり、叱って悲しくさせたりしないように。
穏やかに眠りに入れるよう、時間に余裕を持って行いましょう。

育児に関しては「妻のほうが得意だから」と思われがちですが、実は妻側も、最初は努力して身につけたスキル。最初はときどきでも、それまでワンオペ状態で育児にあたっていた妻からはきっと感謝されるはず。

実家に協力してもらう際に注意すべきこと

 (98814)

KPG_Payless / Shutterstock
お互いに残業がやむを得ない場合や子どもが病気のとき、協力してくれる実家が近くにあるととっても助かるもの。でも、ともすると「孫なんだから手伝ってくれて当然」と思い、両親に負担をかけすぎてしまうことも。夫婦自身が大変だと、ついなし崩し的に実家に頼ってしまうこともあるので、両親ともしっかり話し合い、あらかじめ協力してもらうラインを決めておくといいでしょう。

たとえば、子どもが病気のとき、長引いたりひどくなったりした場合は病気の子どもを預かってくれる病児保育を利用する。病児保育は小児科に併設されていることも多く、診察もしてもらえて安心です。ファミリーサポートなど地域の自治体のサービスや制度を調べて利用する、ベビーシッターを頼んでみるというのも手。残業が多いことがわかっている場合は、預かり時間が長い認可外保育園も検討してみましょう。家族が満足して暮らせることを考えれば、お金には代えられない場合もあります。

大切なのはコミュニケーション

夫婦での分担も、実家に協力してもらうときも、大切なのは密なコミュニケーション。「前は良かったけど、今は辛い」など、いつの間にか誰か一人に負担がかかりすぎてしまい、うまくいかなくなる場合もあります。ぜひ、この記事を参考に、こまめに話し合いの機会を持ち、気持ちよく協力し合える関係作りを目指してみてくださいね。

\ 手軽な親子のふれあい時間を提案中 /

この記事のライター