白い体と黒い耳のビーグル犬のキャラクター「スヌーピー」。愛くるしいだけでなく、時に人生について深い言葉を呟くスヌーピーは、日本のみならず世界中で愛されています。今回はそんなスヌーピーの魅力を、おすすめのエピソードとともにご紹介します。
スヌーピーが登場する漫画「ピーナッツ」とは?
「ピーナッツ」は、1950年に連載がはじまって以来大人気となり、50年に渡って描き続けられました。
英語の"peanuts"には、「取るに足らない、つまらないもの」という意味があります。この漫画のタイトルは、作者のチャールズ・M・シュルツが考えたものではなく、漫画の配信会社が勝手に決めてしまったものだそうです。
作者自身がもともと考えていたタイトルは”L’il Folks”。「小さな人々」という意味で、その名前の通り、本作品にはスヌーピー以外にも、たくさんの個性豊かな子どもたちが登場します。
不器用でドジなチャーリー・ブラウン、鳥なのに飛ぶのが苦手なウッドストック、安心毛布にしがみつくライナス、怒りっぽい小言屋のルーシー。彼らの日常会話を中心に展開される短いお話の中には、おもしろさや楽しさだけでなく、人間の本質に迫るようなもの、人生の指針になるようなものなど、さまざまな感情が描かれています。
日本では、詩人の谷川俊太郎などが翻訳にあたり、「ピーナッツ」の魅力を伝えました。2016年4月には、東京・六本木に期間限定でスヌーピーミュージアムが開館し、多くのファンが足を運んでいます。
「ピーナッツ」の登場人物の紹介
スヌーピー
運動神経万能で、野球やテニス、ホッケーやダンスなど、さまざまなスポーツをこなす名犬です。弁護士や外科医などに変装することもあります。
チャーリー・ブラウン
「何をやってもうまくいかない」を体現しているようなチャーリー・ブラウンですが、そんな彼の呟く一言には深みがあり、落ち込んでいるときの心に染み入ります。
ウッドストック
漫画の中でウッドストックのセリフは「、、、、、、」のような細かいひっかき傷で表され、スヌーピーしか理解できません。スヌーピーの言葉にいつもユニークな切り返しをするウッドストックには、思わずニヤリとさせられます。
ルーシー・ヴァン・ペルト
5セントで相談事にのる「ルーシーの心の相談室」を開いていることもあり、時折スヌーピーたちがやってきます。ルーシーのちょっと皮肉めいたアドバイスは、癖になる味わいがあります。
ライナス・ヴァン・ペルト
賢いライナスが言葉を駆使して、学校の先生や友人に「思ってもいない礼賛や励まし」をおくる様子は、大人の世界のミニチュア版のようで機知に富んでいます。
おすすめのエピソード
「配られたトランプで勝負するっきゃないのさ」
ルーシー:Sometimes I wonder how you can stand being just a dog..
時々あなたは、どうして犬なんかでいられるのかと思うわ..スヌーピー:You play with the cards you’re dealt.. Whatever that means.
配られたトランプで勝負するっきゃないのさ.. それがどういう意味であれ
生まれた時から才能や環境に恵まれている人もいる。逆にそうでない人もいる。でも、ないものを嘆いてもはじまらない。配られたカードで精一杯勝負すれば、それで良い。
この短いセリフからはそんなメッセージが伝わってくるようで、他人と自分を比べて落ち込んでしまいそうなときには、いつも思い出している言葉です。
「試合には勝てないけど、幸せな選手はいる」
「ライトに球が来たらどうするのさ」と言うチャーリー・ブラウンに、マーシーはにっこり笑って答えます。
マーシー:Who cares? I’m happy just standing here next to you, Charles
いいでしょ? あなたのそばに立ってるだけで幸せなのチャーリー・ブラウン:We don’t win any games, but I have happy players..
試合には勝てないけど、幸せな選手はいるんだ..
競争社会にあっても、自分の幸せを見失わないことの大切さを感じられるこのエピソードは、子どもたちにも伝えていきたい大切な言葉です。
おすすめの書籍
ピーナッツと谷川俊太郎の世界
著者:谷川 俊太郎、チャールズ・M・シュルツ
出版社:株式会社KADOKAWA
掲載されているエピソードには、谷川俊太郎さんのコメントも寄せられていて、「ピーナッツ」の世界観をより深く理解する手助けをしてくれます。
スヌーピーの50年 世界中が愛したコミック『ピーナッツ』
著者:三川 基好(訳) / チャールズ・M・シュルツ(著)
出版社:朝日新聞出版
ライナスが登場したきっかけは、作者の子どもが家中で毛布を引きずって歩いていたことと、「安心毛布(セキュリティ・ブランケット)」という言葉が、作品を通じて一般的な英語として広まっていったことなど、作品の詳しい背景が紹介されています。
スヌーピーフィギュアはシュライヒ製がおすすめ!
シュライヒはドイツの有名なおもちゃメーカーで、キャラクターフィギュアを主に製作しています。
チャーリー・ブラウンやウッドストックなどの仲間たちはもちろん、変装が得意なスヌーピーは、第一次世界大戦の撃墜王(フライング・エース)や、サングラスがトレードマークのジョー・クールの衣装に身を包んだバージョンもあり、シリーズで収集したくなります。
細かい部分は手作業で色付けしているというシュライヒのフィギュアは、クオリティも非常に高いため、プレゼントにしても喜ばれますよ。
「ピーナッツ」には人生のさまざまな「味」がある
最後に、家事や育児に追われて疲れてしまったときに思い出して欲しい、スヌーピーの言葉をご紹介します。
スヌーピー:Keep looking up… That's the secret of life…
上を見続ける… それが生きるコツさ…