イギリス在住の筆者が、この国での妊娠出産バナシをイラストエッセイを交えてお届けします。今回は、妊娠後期のエピソードやイギリス現地プレママのマタニティ・ファッション&グッズについてのお話です。
こ……これは何の痛み!?
腹部の痛みや違和感はないものの、ギューッと腰を絞られるような(例えて言うなら、腰の骨を雑巾を絞るようにねじられているような)痛みが、何の前触れもなく襲ってきました。
あまりの激痛に言葉が出ず、動けなくなるほど……。
痛みの継続時間は、1回につき3秒程度と短かったのですが、痛みの開始から数時間、不定期に痛みの波が何度かやってきて、かなり焦りました。
前駆陣痛かと思い、インターネットで調べたところ、他の方の体験談では前駆陣痛の1回ごとの継続時間はもう少し長いそうで(10~20秒くらい)、私のは違うのかも..….じゃあこの痛みは何!?と不安に……。
その後も、日によって同じような痛みが数回あり、気になってミッドワイフ(助産師)さんに聞いてみたところ、
「まぁ、赤ちゃんが(出産に向けて)降りてきてるからね。そんなものよ~」とサラッと受け流されました。出産前のありがちな痛みということなんでしょう。
その後、何か問題があったわけでもなく、この痛み以外に前駆陣痛と思われるものがなかったので、その痛みが私の体なりの前駆陣痛だったのではないか、と考えています(痛みの場所も本陣痛と全く同じところでした)。
この痛い思い出とは別に……妊娠中期~後期に悩まされた別の痛みもありました。
「坐骨神経痛」です。
毎回、椅子や床から立ち上がるとき、ベッドから起き上がるときなどに、右足の付け根が非常に痛むのです。
気合を入れて叫んでから、立ち上がらないと痛みでとても一歩が踏み出せないほどで、一日で座ったり立ったりする度に、かなり体力を消耗しました。
この坐骨神経痛も、妊婦さんには起こりやすい症状の一つのようです。
対策として試した中で、よく効いたものは、
1.骨盤ベルトをつけること(つけると格段に楽になりました)。
そして
2.専用のストレッチをすること(ストレッチ後は、歩きやすくなり効果大でした)。
よくあるアキレス腱を伸ばすストレッチのポーズから、後方の膝を床に着くまで、ゆっくり深く下ろしていきます。股関節が気持ちよく伸びるまでが目安です。
他にも、いつも座っている椅子の高さをクッションなどで少し高くして、体が椅子に沈み込まないように座ることでも立ち上がりやすくなり、痛みが改善されました。
イギリスは、ふんわり派よりもピッタリ派が多い!
ところで、妊娠中期・後期に気づいたことがありました。マタニティファッションのシルエットの違いです。
日本のマタニティ服では、どちらかというとふんわりとしたシルエットの服が多く、妊娠でふくらんだお腹を強調する洋服は少なめのように感じますが、イギリスでは体のラインに沿ったぴったりした服を着ているプレママさんも多いです(お腹の部分だけマタニティ用にギャザーが入っていて、着心地はとても楽)。
また日本では、妊婦は体を冷やさない方がいいと言われますが、イギリスではあまり聞きません。ノースリーブや短めのスカート、全体的に薄着もよく見かけます。
赤ちゃんの状態は胎動でチェック!
前回のエッセイで、イギリスでは妊娠エコー検査が2回だけしかないというお話をしました。そういうこともあって、日々の赤ちゃんの状態を確認する方法として、毎日の胎動の回数を確認することが推奨されています。
最近では、便利なアプリもあるので、それを利用しているプレママさんもいらっしゃいますが、外出先や他のことをしているときに、忘れず簡単にカウントできる便利なアームバンドも人気です(Best Baby & Toddler Gear Awardsで金賞を受賞しました)。
安産を願ってハーブティーを飲みます。
ヨーロッパでは妊娠37週くらいから、ラズベリーリーフティーを飲むと良いと言われています。科学的根拠はありませんが、「子宮口を軟らかくする」「陣痛を和らげる」と信じられおり、安産のお茶と呼ばれたりもします。
味はラズベリーという名前から想像するようなベリー系の味ではなく、もっとサッパリしたハーブティーという感じです。
カフェインフリーなので、妊娠中のリラックスタイムにもピッタリですよ(ただし、妊娠37週前の摂取は控えてくださいね)。