イギリスでもクリスマスは、一年で最も大きなお祝いごとの一つです。この時期は、学校でもたくさんのイベントが企画され、とても盛り上がります。第8回【イギリス学校便り】では、クリスマスと学校生活のかかわりをイラスト付きでご紹介します。
子どもたちのクリスマス・ステージ発表に親はウルウル
12月に入ると、イギリスの学校はイベントが目白押しです。
例えば、Nativity(ナティビティ)と呼ばれる、キリスト生誕を演じる舞台を行ったり、クリスマスに関する歌をコーラスしたりと、保護者が観に行くことができるステージ・ショーが企画されます。
筆者の子どもたちが通う小学校では、天使や羊飼いなどの登場人物の衣装を着て、クリスマスの歌を歌う学年があったり、高学年は劇を頑張ったりしていました。
幼稚園でもステージ・ショーがありましたが、あまり宗教的な感じではなく、クリスマス曲の替え歌をベビーサインつきで歌ったり、冬に関する絵本の劇を行ったりしてました。
子どもたちが、その日のために一生懸命練習したことが伝わり、成長を感じて感動。親はちょっとウルウルしてしまうイベントです。
年賀状の代わりにクリスマスカードを交換
イギリスでは、年賀状を書く習慣がありません。その代わり、年末年始の挨拶として、クリスマスカードを渡します。冬休み前に、学校で直接クリスマスカードを渡したり、渡したいカードが多めにある場合には、担任の先生に頼んで、相手のブックバック(※)に入れてもらったりします。
(※)ブックバッグとは、ランドセルの代わりにナイロン素材の手さげバッグ。詳しくは第1回【イギリス学校便り】をどうぞ!
クリスマスカードに書くメッセージですが、”Wishing you a Merry Christmas!”とベーシックなものから、年末年始の挨拶も含めて”Merry Christmas & Happy New Year!”と書くのも一般的です。また、まだ渡していない相手からクリスマスカードをもらったら、こちらもクリスマスカードを書いてお返しするのがマナー。日本の年賀状に似ていますね。
【イギリス学校便り】キックスクーターで登校?小学校もこんなに違う
サンタさんに会うチャンスも!?
12月になると、学校や幼稚園・保育園にサンタクロースが訪問してくれるイベントがあることも。クラスをまわって、プレゼントもくれます(本であることが多いです)。
その日の放課後のお迎えでは、「今日、学校でサンタさんに会ったよ!これもらったの!」とうれしそうに報告してくれる子どもたちの姿で賑わいます。学校だけでなく、トドラーグループと呼ばれる地域の幼児グループにも、サンタクロースは来てくれます。
他にも、ガーデンセンターやショッピングセンターなどでSanta’s Grottoと呼ばれる、サンタクロースに会えるイベントが各地で開催され、小さい小屋にクリスマスのデコレーションとサンタクロースが座る椅子が用意してあり、子どもたちは一緒に写真を撮ったり、プレゼントをもらったりすることができます。
クリスマス・ジャンパーは欠かせない!
イギリスの小学校は、毎日制服を着て登校しなければなりませんが、12月には「お気に入りのクリスマス・ジャンパーを着て登校しても良いですよ!」と告知される日があります。
イギリス英語で”jumper(ジャンパー)”とは、セーターのこと。つまり、クリスマスデザインのセーターが着用OKなんです。制服から一転、色とりどりのセーターが集まり、この日はさらにクリスマス気分が盛り上がります。
秋ごろから徐々に店頭に並びはじめるクリスマス・ジャンパーは、大人用も子ども用も、ちょっと派手かな?というくらいの大きな柄が入ったカラフルなセーターが人気。昔『ブリジット・ジョーンズの日記』という映画の中で、主人公ブリジットの相手役の男性が着ていたので、映画を見て記憶にあるパパママもいらっしゃるかもしれませんね。
イギリスでは「クリスマス・ジャンパー・デー」というチャリティーの日も設定されているという、まさにクリスマスには必須のアイテムなのです。
1カ月かけて、クリスマスの気持ちを盛り上げる
上記で紹介したイベント以外にも、給食がクリスマス特別メニューの「クリスマス・ロースト」の日があったり、クリスマスデコレーションを工作の時間に作ったり、クリスマスフェアと呼ばれるバザーのような催しものもあります。
筆者の子どもたちが通う学校では、トナカイが学校にやってきて餌を上げたり撫でたりすることができるイベントも!12月は、本当にイベントが盛りだくさんでした!
このように、クリスマスの時期はイギリスの子どもたちにとって、楽しくて心躍る時期なのです。クリスマス当日だけでなく、1カ月かけて祝うような雰囲気です。読者のみなさんも、クリスマスの時期をどうぞ楽しんでお過ごしくださいね!
取材・文・イラスト:いしこがわ理恵
在英13年目の2時の母、ライター兼イラストレーター。武蔵野美大卒。現在は英国で日本語教育・日本語子ども会活動にも従事。海外生活・育児経験を活かした記事を執筆中。
※いしこがわ理恵さんのイギリス漫画レポートの過去記事はこちら↓↓↓