2018年10月25日 公開
国立小学校に入学するには?受験対策やスケジュールなど
国立小学校への受験を検討しているという家庭も多いのではないでしょうか?私立小学校とは異なり、選考過程に「抽選」があるなど、国立小学校は独特の受験スタイルを採用しています。ここでは気になる受験対策や、スケジュールなどをまとめてみました。
国立小学校への受験を検討しているという家庭も多いのではないでしょうか?私立小学校とは異なり、選考過程に「抽選」があるなど、国立小学校は独特の受験スタイルを採用しています。ここでは気になる受験対策や、スケジュールなどをまとめてみました。
国立小学校とは
「国立の小学校がある」と聞いても、自宅近くにないからイメージできないと感じる方がほとんどかもしれません。それもそのはず、国立小学校の数は公立や私立の小学校と比べて、圧倒的に数が少ないのが特徴です。
一般財団法人日本私学教育研究所が発表している平成30年8月のデータによると、平成30年度の国立小学校は全国でたった70校しかありません。
公立小学校、私立小学校との違いとは
公立小学校や私立小学校と具体的にどう違うのか、その特徴をチェックしてみましょう。
■公立小学校
授業料などの負担が少なく経済的です。学区制をとっているので徒歩で通学でき、子どもが地域の友達を作りやすいのが大きなメリットでしょう。金銭面や送り迎えの面で、保護者の負担が少ないのも利点です。学校への教育費が少ないため、塾通いしやすいということも言えます。
■私立小学校
学費が高い代わりに、整った施設で高度な授業を受けられることができます。「通学時間〇〇分圏内」と通学距離制限を設けていることが多くありますが、おおむね近隣の居住地であれば在籍できるケースがほとんどです。
教科担任制のところが多く、専門の先生が授業をします。系列の中学校~大学までエスカレーター式で進学できるところも少なくありません。
国立小学校進学のメリットとは
志願者が多く競争倍率が高いところでは、60倍とも言われるほど人気を集める国立小学校。進学することのメリットとは何なのでしょうか?
教育内容
戦前の師範学校の付属小学校として設立された背景があるため、付属の国立大学の教育方針が色濃く反映される点が特徴です。なお必ずしも、付属の学校へエスカレーター式に進学できるというわけではありません。
実験的と評されることもありますが、「最新の教育理論や教育手法の研究場所」という位置づけにあることから、新しい教育方法で学べるメリットもあります。ただし教育実習生の受け入れも多く、他校への中学受験を考えている場合には、勉強は家庭学習や塾でのフォローが必要かもしれません。
学費
国立高校は全くの無償というわけではなく、制服代や実験などに使用する教材費などが必要となります。その金額は学校によって異なりますが、初年度は年間10~50万円程度が相場です。公立小学校よりも経済的負担はありますが、私立小学校に比べると負担は少なくて済みます。
国立小学校に入学するためには?
国立小学校は、受験可能なエリアが細かく決められています。まずこのエリアに住所地がないと、受験はできません。また、地域の子どもであれば選考なく入学できる公立小学校と異なり、国立小学校には選考があります。気になる内容をチェックしてみましょう。
試験内容とは
小学校受験の中でも、国立小学校受験の特徴としてあげられるのは、試験内容に「抽選」が含まれる点です。そのほか知的発達をチェックするペーパーテスト、口頭で質問されて答えられるかというフリップテスト、ボールなげやスキップなどで身体的発達をチェックする運動テスト、グループ遊びの様子をチェックして、お友達との関わり方や好奇心をチェックする行動観察、お絵かきや工作などの制作に面接が加わります。
すべての学校が上記のテスト内容を網羅しているというわけではなく、学校によってどの組み合わせでテストをするかは異なります。過去のデータなどをチェックして、志望校がどのような試験を行っているか確認しておくと安心です。
国立小学校の抽選について
私立受験とは異なるポイントが、「抽選」が設けられているという点。公平性という点で取り入れられており、1次選考で抽選がある場合や、選考過程で二度ほど抽選がある学校もあります。子どもの知能だけでなく、運も必要になるのが国立小学校の受験だと言えるでしょう。
面接内容
私立の幼稚園の面接と、やり方も質問内容もそれほど大きな違いはありません。子どもの様子については、元気とともに落ち着きがあり、きちんとした態度で他人の話が聞けること、質問の内容が理解でき、はっきりと答えられることなどが求められます。子どものみで面接を行うところもあれば、親子セット、保護者のみの3パターンに分けられるでしょう。
子どもの面接対策では、
・名前
・生年月日
・電話番号
・誰とどのようにして学校まで来たか
・好きな食べ物
・好きな遊び
などを答えられるようにしておきましょう。
保護者に関しては、志望理由やわが家の教育方針は必ずと言っていいほど聞かれる質問。学校の教育方針と家庭での教育方針にズレがないか、話に矛盾がないかを確認しながら準備するのがベターです。
子ども同士でトラブルが起きたときの、パパママの対処を聞かれることもあると言います。話の内容だけでなく入退室や座り姿勢など、基本的な社会人としてのマナーが備わっていることも必須です。
受験までのスケジュール
国立小学校を受験する場合、いつから準備を始めるものかと悩むご家庭もあるかもしれません。多くの方は1年ほど前から準備を始め、子どもの行動観察に対応できるように、一般的なマナーや日常生活をきちんとこなせるように教えはじめます。
おおよその受験までの流れとしては、以下の通りです。
5月~7月:学校説明会やオープンスクール参加
6月~9月:願書配布
9月~10月:願書提出
10月末~11月:選考スタート
服装のポイント
服装については私立小学校も国立小学校も差がなく、同じようなポイントが基準になります。「華美でなく、清楚でキレイめ」を念頭におくと失敗せずに済むでしょう。
■パパ
落ち着いた色のビジネススーツでOKです。シャツはキチンとアイロンを当てておきましょう。座るときに足を広げすぎないよう注意してください。
■ママ
落ち着いた色のセットアップスーツやワンピースがおすすめです。ネイビーが人気ですが、人気がありすぎるため、「当日ネイビースーツのママばかりだった」ということもあります。同じような服装は無難ですが、質の違いがパッと見て分かりやすいという点に注意です。
アクセサリーは極力控えめで華奢なものを選びます。長い髪はまとめておきましょう。ストッキングの替えを持って行くのも忘れずに。
■子ども(男の子)
子ども用のスーツや、シャツ+ベスト+おとなしいズボン、ポロシャツ+おとしなしいズボン、ブレザーなど、少しきちんと感のあるものを着せます。色味も落ち着いたものがおすすめです。
■子ども(女の子)
可愛らしい色やデザインよりも、落ち着いた色やデザインが基本です。ワンピースやブラウス+カーディガン+膝丈スカートなど、清楚な印象になるように仕上げましょう。
幼児教室、お受験塾のメリットと費用
ペーパーテスト対策などで保護者のサポートがあれば、幼児教室やお受験塾に通わなくても合格することは可能です。しかし、子どもや親が他人の前で話をし、質疑応答するという場面に慣れるということ、入学を希望している学校のリアルな情報交換ができることなどは、幼児教室やお受験塾へ通うメリットだと言えます。
一般的なリトミックや絵画などの幼児教室であれば、月謝は1万円前後です。ただしお受験用の講座を受講する場合は、月謝が5~6万円前後、工作費用や摸試対策などを含めて10万円前後と言われています。
週に2~3回通うところも少なくないため、共働き家庭の場合は、定期的に通うのは時間的に難しいこともあるはず。このため土日のみの講座は大変人気があります。
2019年の受験スケジュール
選考はまずは抽選を行い、人数を少し減らしたあとに発育検査(ペーパーテストや行動観察など)が行われます。志願者の多いところでは再度抽選を行い、合格者を決めるという流れです。
関東と関西ではスケジュールが異なります。また同じ関東圏内、関西圏内でもそれぞれの学校によって日程が違うため、細かな情報収集を心がけましょう。
東京
東京にある国立小学校では、9月~10月ごろから願書の配布が行われ、提出した後10月~12月にかけて抽選や発育検査(ペーパーテストや行動観察など)が実施されます。志願者の多いところでは、その後最後抽選が行われたあと12月に合格発表です。
大阪
関西圏内でも東京の国立小学校と同じようなスケジュールで進むところもありますが、大阪の国立小学校は、東京よりも少し時期が遅めに進みます。願書の配布と提出が11月~12月ごろに行われ、考査は1月に入ってから数日間という短期間で抽選、発育検査(ペーパーテストや行動観察など)を実施。その後すぐに合格発表があるという流れです。
私立小学校との併願は可能?
国立小学校と私立小学校のスケジュールが異なる場合は、併願も可能です。国立小学校を単願で受験し、不合格の場合は公立小学校を選択するという家庭もあれば、私立小学校が本命で、滑り止めとして国立小学校を受験するという家庭もあります。
国立、私立、公立それぞれにメリットやデメリットがあります。「国立だから良い」「私立だから良い」という基準ではなく、子どもの個性に合った学校を選ぶことが大切です。
国立小学校も選択肢のひとつに
私立小学校ほど経済的な負担が少なく、公立小学校よりも落ち着いた環境で授業が受けられる傾向にある国立小学校。受験できる地域が非常に限られているのがネックではありますが、受験可能な範囲に住所地がある場合は、選択肢のひとつとして考えてみてはいかがでしょうか?