絵本の中の「タヌキ」といえば、はっぱを頭にのせて化ける姿を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。しかし同じ「化ける」話でも、そのストーリーはさまざま。ここでは、タヌキが「化ける」お話の絵本を5選ご紹介します。お気に入りの一冊を見つけてくださいね。
親子の会話が弾む絵本
著者 :加藤 ますみ(作)、水野 二郎(絵)
出版社 :ひさかたチャイルド
たぬきのぽんたは、ある日自動販売機を作りました。お客さんが持ってきた葉っぱのお金を、自動販売機の後ろにかくれたぽんたが欲しい品物に変えてあげるという仕組みです。
ところが、たぬきの女の子が欲しいといったものは「お友だち」。さてぽんたは一体どうするのでしょうか?
ぽんたの優しい気持ちが、ほっこりとさせてくれます。ぽんたの機転のきかせ方も見どころです。絵本を読みながら、「〇〇ちゃんならどんなものが欲しい?」とお子さまにたずねてみてはいかがでしょうか。親子のコミュニケーションが深まりそうですね。
小さなお子さまも楽しめる
著者 :長新太(作)
出版社 :こぐま社
「ばけますよ、ばけますよ」という言葉とともに、タヌキが変身するという繰り返しで構成されています。小さなお子さまは、繰り返しの言葉やストーリーが大好き。きっと最後まで飽きずに楽しめるでしょう。
大人にすると、「なんてナンセンスでわけのわからないお話なんだろう」と感じるかもしれません。しかしこのナンセンスさが、お子さまには魅力的にうつるのでしょう。
言葉がまだよくわからない小さなお子さまも、イラストをながめるだけで楽しい気分になれる絵本です。
偏見を持たないことの大切さを伝える
著者 :松野 正子(文)、二俣 英五郎(画)
出版社 :童心社
この絵本に出てくるきつねのコンとたぬきのポンは、どちらも友達がいませんでした。ある日、そんなふたりが偶然出会います。しかしどちらの両親も、「ずる賢い」というイメージのせいで友達になることに大反対。しかしとある事件がきっかけで、家族ぐるみの付き合いに発展します。
相手のことをよく知らないのに、偏見を持ってしまった経験はありませんか?そのせいで、仲良くなれる機会を逃していたとしたらもったいないことでしょう。
この絵本を読むことで、偏見を持たずに仲良くすることの大切さや、友達のありがたみが伝わります。幼稚園や保育園などで集団生活が始まると、お友達との関わりは一気に増えるもの。そんなときに読んであげてほしい絵本です。
一緒に呪文を唱えたくなる
著者 :白土あつこ(作・絵)
出版社 :ひさかたチャイルド
山へ遠足に出かけた妖怪たちは、汽車ごっこで遊ぶことにします。そこで、ばけたくんの出番。汽車に化けようとすると、なんと向こうから別の汽車がやってきました。どうやら正体は、お山に住んでいるばけだぬき。どっちが上手に化けられるか、ばけたとお山のたぬきの勝負が始まります。
妖怪の物語といっても、子どもを怖がらせるような内容ではありません。幼稚園児のほのぼのとしたやりとりを、等身大に描いています。「ばけばけはっぱでどろりんぱ!」の呪文を一緒に唱えて、絵本の世界に入り込んでみてくださいね。
悪いことをすると報いを受ける
著者 :いもと ようこ(文・絵)
出版社 :金の星社
そんなときおすすめなのが、この絵本。いもとようこさんのふんわりやさしいイラストとは裏腹に、ストーリーは原作に忠実で、残酷なものとなっています。
しかし、ストーリーの残酷さがイラストで中和されており、怖がらせすぎずにすみそうです。残酷なぶん、悪いことをすると報いを受けるということがストレートに伝わるのではないでしょうか。
親子で絵本を楽しみながらしつけにも活用
お子さまに伝えたいメッセージなどを考慮しつつ選ぶと、しつけにも役立ちそうです。親子で絵本の楽しさを共有しつつ、知育などにも上手に活かしてみてください。