離乳食後期となる生後10カ月頃はカミカミ期と呼ばれます。歯・歯茎を使って噛むトレーニングをはじめましょう。10カ月頃になると食べ物への好奇心も旺盛になり、手づかみで確かめて食べるようになります。カミカミ期・離乳食をスムーズに進めるポイントのご紹介です。
生後9カ月~11カ月はカミカミ期と言われる
赤ちゃんの身体の成長とともに、消化器官の発達も進みます。今までは食材を柔らかく調理することで消化を助けていましたが、ある程度の固さのものは自分で咀嚼する力が芽生えます。
前歯が生えてくる子も多く、自分で「カミカミ」する楽しさを感じられる時期です。カミカミ期のうちに、自分で口に運び、咀嚼することを学びます。この時期は、噛むトレーニングを意識した離乳食メニューで歯と顎の発達を促しましょう。
【カミカミ期の授乳回数・食事内容の目安】
・授乳回数
離乳食後に母乳又は育児用ミルクを与えます。離乳食とは別に、母乳は赤ちゃんが欲しがるままに。育児用ミルクは1日2回程度与えます。
・離乳食回数
1日3回(夜は午後7:00までに与えましょう)
・お粥の固さ
全粥~軟飯
・食材の固さ
歯茎でつぶせる固さ、指でつぶせる固さ(バナナ)
モグモグ期との違い
離乳食後期にあたる「カミカミ期」は生後9カ月~11カ月。さらにステップアップして、バナナくらいの固さのものを歯茎で噛みつぶしながら食べることを目指します。口・舌の筋肉も発達し、乳歯も生えてくるこの頃は、カミカミすることで歯・顎・脳の発達を促進します。
どんなメニューが良い?モグモグ期との違い
カミカミ期になると活動範囲が増え、脳も身体も急成長。それに伴い、食べ物・食べることに興味が出てきます。離乳食にも、目で見て興味がわく、食欲がわくような要素が必要です。
にんじん・ブロッコリー・トマト・ほうれん草など彩りの良い野菜で食欲を増進しましょう。また、野菜やフルーツを型で抜く、おにぎりに海苔で顔をつけるなどアイキャッチ力を高めることもおすすめ。
はるさめ・ひじき・のり・わかめ・チーズ・牛乳・ツナ・ぶり・さわら・豚肉・スパゲッティなど、食べられるものが増えて、大人と一緒の食材で調理できるものが多くなります。離乳食作りもぐっと楽になりそうです。
手づかみを意識したメニューを作ることも大切
野菜をスティック状に切る、おにぎりを小さな俵型にする、ロールサンドにするなど、手づかみで食べやすい調理・メニューにするのがおすすめです。
手づかみを意識したメニューを作ることで、食べる喜びと赤ちゃんの自主性を育てることができます。
赤ちゃんによっては手づかみに興味がない子もいるでしょう。無理に手づかみ食べさせる必要はありません。また、興味がある子の離乳食においても、食事のすべてを手づかみにする必要はありません。1つ手づかみで食べられるものにし、必ずスプーンとフォークを用意し、食具で食べる練習もすると良いでしょう。
カミカミ期おすすめメニュー
1回の食事で多くの食材が摂れなくてもOK。3回の食事で1日のトータルバランスが取れれば大丈夫です。
カミカミ期はスパゲッティ・ビーフンなど食べられる麺類も増えますが、飲み込む力や咀嚼力はまだまだ未発達です。歯茎でつぶせる固さに茹でること、短く切ることは徹底しましょう。
いももち
・じゃがいも 4個
・バター 大さじ2
・片栗粉 大さじ1
・焼き海苔 お好みで適量
【作り方】
1.じゃがいもを乱切りにして耐熱容器に入れます。水を少々加えラップをかけて、600Wの電子レンジで8分程加熱します。竹串がすっと通るくらいの固さならOK。
2.1をボールに入れます。片栗粉を少量の水で溶き、ボールに加え木ベラなどでつぶしてください。
3.熱いうちに俵型10個を作ります(小さくして数を増やしても良い)。
4.フライパンにバターをひき、3を入れて中火で両面3分ずつ焼いたら完成。お好みで焼き海苔を貼り付けても風味が出ておいしいです。
「栄養ぎゅっ」ミニミニおにぎり
・軟飯 子供の茶碗1杯分
・茹でたほうれん草 適量
・茹でたにんじん 適量
・プロセスチーズ角切り 大さじ1
・白ごま 適量
【作り方】
1.ほうれん草とにんじんを粗みじん切りにします。
2.軟飯をボールに入れて、1とプロセスチーズ・白ごまを入れて混ぜます。
3.ラップを使って丸型おにぎりを4個作りましょう。バターをひいたフライパンで焼きおにぎりにしても食感が変わって◎。
さつまいも蒸しパン
・ホットケーキミックス 200g
・茹でたさつまいも 80g
・ヨーグルト 大さじ3
・牛乳 100cc
【作り方】
1.茹でたさつまいもを粗みじん切りにする。
2.ボールにホットケーキミックス・ヨーグルト・牛乳を入れて混ぜる。
3.3に1を加え混ぜる。
4.カップケーキ型・耐熱皿などに生地を流し入れ、15分くらい蒸したら完成。
※すぐ食べるのであれば電子レンジ調理もOK。耐熱皿にラップを張り、その上に生地を薄く伸ばします。直径10cm程度なら、600W1分30秒でできあがります。
パクパク期までに自分で食べることに慣れよう
・1才を過ぎた
・3回食の食事ののリズムに慣れた
・前歯で噛みちぎろうとする
手づかみ食べは散らかって、パパママの後片付けが大変。食べ物を触って確かめる、いわゆる遊び食べは赤ちゃんの自主性を育て、学習する機会です。思わず手を出してしまいそうになりますが、ぐっとこらえて見守りましょう。
赤ちゃんのペースに合わせて進めよう
しかし、1歳が近いからと言って、無理にパクパク期メニューに移行する必要はありません。はじめての食材・メニューの場合は無理をせず少量からゆっくり与えます。
育児書どおりのスケジュールでなくても、赤ちゃんが食事を楽しめているようであれば問題ありません。離乳食の進み方も個人差があります。早く進めば良いというものではないため、落ち着いて見守ってください。