四つん這いになって行う「雑巾がけ」は全身運動。体幹が鍛えられ、筋力強化の効果を期待できます。しつけ・筋トレ・脳トレが一度にできてしまう雑巾がけは、幼児期のお手伝いにぴったり。こちらでは、雑巾がけが子どもに与える効果とメリットをご紹介します。
筋力強化とふんばる力で運動能力アップ
雑巾を効率よくまっすぐ滑らせるには、脳と関節・筋肉のスムーズな連携が大切です。運動神経・筋力ともに成長段階にある幼児にとって、雑巾がけは大人が行う以上に全身に負荷がかかるもの。お掃除をしながら、首・手・腕・背中・腹・太もも・ふくらはぎなど全身の筋力を鍛えられます。
ちなみに足の速い人の特徴といえば、「地面をつかむように着地して、しっかり蹴り出すことができている」こと。雑巾がけは足を踏ん張り地面をつかむ力が育つので、走力・跳力の向上も期待できます。
全身運動で感覚の発達にも好影響
幼児は脳と体の連携が未完成なため、どう体を使えば雑巾がけが上手くできるか、試行錯誤しながら行うはず。大人にとっては単純作業に感じる雑巾がけも、難しい作業に感じます。そんな雑巾がけで得られる好影響の一例として、以下のようなものが考えられるでしょう。
・雑巾を絞る→巧緻性
・視線を上にあげて進む方向と距離を確認する→空間認識力・思考力
・腰を高く上げてふんばる姿勢でバランスをとる→集中力・バランス感覚
体幹が鍛えられる
この体幹筋肉をまんべんなく使えるのが、雑巾がけのメリットです。体幹筋肉は継続的なトレーニングを続けてこそ強化されます。日常的なお手伝いとして雑巾がけを行うことは、効率の良い体幹トレーニングと言えるでしょう。
スポーツ全般に有利な運動神経と、体幹の強さは密接に関係します。走・投・跳の運動能力の向上を目指して、幼児期から雑巾がけを取り入れてみてはいかがでしょうか。
子供の体幹トレーニング 開脚ぞうきんがけ
しつけをしながら衛生観念が育てられる
雑巾がけ・ゴミ捨て・整理整頓。身の回りを清潔にすることで病気を予防し、健康に過ごすための「基本ルール」はしつけの一環として行っておきましょう。正しい衛生観念を身につけることは、他者への気配りにもつながります。社会生活をスムーズに送るためにも必要なことです。
食べこぼし・クレヨンの汚れなどはその都度、雑巾がけで落とすようにしてみてください。雑巾がけに慣れないうちはパパママと一緒に、できるようになったら1人で行わせましょう。「汚したらすぐに拭く、片づける」ことを癖づけて、衛生観念を育てます。
仕上げはパパママでOK
ここはぐっと我慢して、子どもの自主性とお手伝いをしたい気持ちを尊重して、自由に雑巾がけをさせてあげてください。少々床が濡れていても、拭き上げたことを褒めます。
子どもが拭いたあとは、水分で汚れが浮きあがって来ているはず。そこを固く絞った雑巾でパパママが拭きとれば、きれいに仕上がりますよ。