2019年01月12日 公開
【戌の日完全ガイド】戌の日とは何をする日?安産祈願の基礎知識
安産祈願をする「戌の日」。名前は聞いたことがあるけれど、実際には何をするのかよくわからないという方も多いのではないでしょうか?こちらでは戌の日の過ごし方や、神社への祈祷料の相場、安産祈願の参拝は誰と行くのかなど、戌の日の基礎知識をご紹介します。
安産祈願をする「戌の日」。名前は聞いたことがあるけれど、実際には何をするのかよくわからないという方も多いのではないでしょうか?こちらでは戌の日の過ごし方や、神社への祈祷料の相場、安産祈願の参拝は誰と行くのかなど、戌の日の基礎知識をご紹介します。
戌の日とは
「戌の日」という風習をご存じでしょうか?帯祝いとも呼ばれるもので、妊娠5カ月目に迎える戌の日に、安産祈願として「岩田帯」と呼ばれるさらし布でできた腹帯を妊婦さんに贈る行事です。
「戌の日」は十二支に出てくる戌のこと。犬が多産でお産が軽い動物であることから、その妊娠・出産力にあやかろうというものです。腹帯には安産祈願だけでなく、冷えや乾燥から妊婦さんのお腹を守る役割もあります。
戌の日はどうやって決められている?
十二支というと、年単位で移行する干支のイメージが強いかもしれません。しかし暦の上では、十二支は「日」にも順番に割り当てられています。例えば1日が戌の日であれば、12日後にはまた戌の日が巡ってくるのです。
戌の日は大安や仏滅といった六曜とは関係がなく、たとえ実際に戌の日が仏滅でも気にとめる必要はありません。
2019年の戌の日は?
2019年(平成31年)の戌の日をチェックしてみましょう。
1月:1日(火)・13日(日)・25日(金)
2月:6日(水)・18日(月)
3月:2日(土)・14日(木)・26日(火)
4月:★7日(日)・★19日(金)
5月:★1日(水)・13日(月)・25日(土)
6月:6日(木)・18日(火)・30日(日)
7月:12日(金)・24日(水)
8月:★5日(月)・★17日(土)・★29日(木)
9月:10日(火)・22日(日)
10月:4日(金)・16日(水)・28日(月)
11月:9日(土)・21日(木)
12月:★3日(火)・★15日(日)・27日(金)
★印がついている日は、戌の日と大安が重なっている日です。戌の日に六曜は関係がないと述べましたが、戌の日と大安が重なっている日は、安産祈願の参拝者が増える傾向にあります。
戌の日に行うこと
実際に戌の日は、どのように過ごすものなのでしょうか?以下で一般的な流れをご紹介しますが、「必ず戌の日に行わなければならない」というわけではありません。体調や家族の予定などを考慮してスケジュールを立てましょう。
戌の日に限定してしまうと、1年の中でも日程が限られてしまいます。最近では戌の日に強くこだわらず安定期に入った頃で、家族の予定が合う日に行事ごとを行う家庭も増えてきました。
お参り(帯祝い)
神社やお寺で安産祈願のお参りをします。お祓いや安産の祈祷を受けたい場合は、初穂料を用意しましょう。祈祷は予約制の場合が多いため、参拝する神社やお寺に事前に確認しておくことをおすすめします。
腹帯を巻く
戌の日には、赤ちゃんが無事に生まれるよう願いながら、神社で祈祷してもらった腹帯や自分で購入した腹帯を巻きます。最近では昔ながらの腹帯ではなく、コルセットタイプやガードルと一体化したものなど、手軽に装着できるものが人気です。
食事会
お食事会を必ず開催するという決まりはありません。両家揃ってお参りをしたあとにお食事会をする家庭もあれば、夫婦だけでお参りをして両家でお食事をする家庭、自宅で祝い膳を用意して両家で囲む家庭、レストランでお食事をするなど、夫婦によってさまざまです。
もちろんお食事会自体を開催しないという夫婦もいます。地域や家庭によって状況が異なるため、夫婦で話し合って決めましょう。
戌の日のお参りについて
戌の日に安産祈願のお参りに行くと、腹帯を預けて祈祷を受け、お札やお守りを受け取ることができます。戌の日の主だった行事であるお参りについて、お参りする場所や祈祷料など、詳しく見てみましょう。
お参りする場所
必ずここに行かなければならないという決まりはありません。地域の神社やお寺にお参りに行くも良し、水天宮など安産祈願で有名な神社に参拝するのも良いでしょう。参拝する家族が集まりやすく、ママの体に負担のない距離や場所で選ぶと安心です。
初穂料の目安
安産祈願の祈祷やお祓いを受ける場合には、神社に初穂料という祈祷代を支払います。社務所で受付をする際に渡すのが一般的。初穂料の金額は神社によって異なりますが、相場の目安は3,000円~1万円程度です。
初穂料は、紅白の蝶結びの水引きのついたのし袋におさめ、上段には「初穂料」や「御初穂料」と記します。神社で腹帯の購入が決められている場合には、初穂料に腹帯の代金が一緒に含まれていることもあるため確認してみてください。
お参りするときの服装
特に決まりはなく、平服でも参拝は可能です。とはいえ「参拝」に違いはないため、カジュアルすぎる服装や露出の多い格好やサンダルは考えものでしょう。妊婦さんは、シンプルなワンピースなどがおすすめです。
砂利道を歩くことや長時間の待ち時間がでる可能性を考えて、歩きやすい靴にカーディガンを持参するのがベスト。男性の場合は、上下スーツが無難です。
誰と行く?
誰と参拝に行くかという明確なルールはなく、夫婦だけで行くところもあれば、両家の両親も一緒に参拝するところもあります。混雑する神社では「本殿には入れるのは1人だけ」というルールを設けているケースもあり、参拝する神社の混雑も考慮すると良いでしょう。
特に仕事がある家庭では、両家のスケジュールを合わせるのも難しいこと。誰が参拝するのかは夫婦でよく話し合っておきます。
つわりや用事でお参りに行けなくてもOK?
安定期の妊娠5カ月頃とはいえ、つわりや仕事などで戌の日にママがお参りに行けないケースもあります。この場合、両親や夫が代理人として祈祷を受けられる神社がほとんどです。祈祷には、出産予定日などを当日受付で記す作業があるケースも多く、代理人での祈祷が可能か、当日どのような内容が必要になるのかを事前に問い合わせておくと安心でしょう。
なかには郵送で腹帯を受け付け、祈祷して返却してくれるところもあります。
腹帯について
腹帯を巻くことは、お腹の保温になるだけではありません。お腹が前に大きく出てきたときにしっかりとサポートし、妊婦さんの体への負担を軽くしてくれる役割もあります。昔は腹帯と言えば岩田帯が一般的でしたが、最近ではさまざまなタイプが登場しました。ここからは腹帯の種類や巻き方、購入先などをご紹介します。
腹帯の種類
腹帯にはいくつか種類があります。昔の岩田帯といえば、さらしの帯と紅白の絹の帯がセットになったものが使われていました。最近では、1枚の長い布のような腹帯が主流です。腹帯ではないものの同じような機能を持ち、もう少し手軽に扱える妊婦帯や、コルセットタイプ、ガードル一体型のものもあります。
ただし神社やお寺によっては、正式な腹帯の形をしたものでないと祈祷してくれないかもしれません。参拝する神社やお寺が決まっている場合、事前に確認しておきましょう。
腹帯の巻き方
普段から扱うものではないため、腹帯の巻き方を知らない妊婦さんが大半ではないでしょうか?最初は手間取るかもしれませんが、慣れれば簡単に巻くことができます。なかには産婦人科で巻き方のレッスンが受けられることもあれば、参拝の際に指導してくれる神社もあるでしょう。
こちらでは腹帯の巻き方の動画をご紹介します。
さらしの巻き方 岩田帯(初期~中期) 犬印本舗
どこで購入する?
腹帯はもともと、妊婦さんの実家から贈られる習慣がありました。しかし最近では、妊婦さんが自分で気に入ったものを赤ちゃん用品店などで購入することが多いようです。神社によっては、祈祷の際に腹帯の持参を認めておらず、その場で購入(購入代金は祈祷料に含まれる)を基本としているところもあります。購入前に確認しておくようにしましょう。
お祝いをいただいたら、お返しはどうする?
戌の日に安産祈願の気持ちも込めて、お祝いをいただくことがあります。お礼の電話やお手紙を贈る程度で、基本的に帯び祝いとしていただいたお祝いへのお返しは不要です。しかし、地域によっては赤飯を配るなどの習慣があるケースもあります。
ママの体調を最優先で過ごしましょう
戌の日は、安定期に入った妊娠5カ月目に迎えるのが一般的です。ただ安定期とはいえ、体調には個人差が大きいもの。特定の日にこだわらず、天候や家族のスケジュール、何よりも妊婦さんの体調を最優先して進めることをおすすめします。
妊娠中は体調も変化しやすいため、無理は禁物です。少しでも不調や違和感がある場合には、日を変えるという選択も大切です。