「ラフレシア」という世界最大の花をご存じですか?その巨大さだけでなく、強烈な臭いを放つ花としても有名です。ラフレシアには茎も根もありません。では、どのようにして栄養を摂っているのでしょうか。ラフレシアの秘密と魅力、日本で見られる場所をご紹介します。
ラフレシアとは
生態がほかの植物とは大きく異なっており、ラフレシアには茎も根も葉もありません。花だけがぽつんと存在しています。じつはラフレシアは、ブドウ科の植物の根に寄生して、栄養のすべてをその寄主からもらって育つ「寄生植物」です。
ラフレシア属のなかで最も有名なものは、「ラフレシア・アルノルディイ(Rafflesia arnoldii)」。植民地開拓時代、ヨーロッパ人ではじめてラフレシアを発見したトーマス・ラッフルズの名前にちなんで命名されました。
ラフレシア・アルノルディイは、開花した花の直径が約90cmにまで大きくなります。当時はその巨大さと独特の質感、死肉のような悪臭を漂わせる姿から、人食い花として恐れられていたようです。ほかにも「ラフレシア・テングゥ-アドリンィ」や、小型の「ラフレシア・プリケイ」などさまざまな種類があり、その数は10種類以上に及びます。
ラフレシアが咲いている場所は?
またラフレシアには茎がないため、ジャングルの中に入っても、慣れている人でなければ見つけづらいところが特徴です。ラフレシアが咲く地域ではガイドが同行する見学ツアーを行っていることも多く、その巨大な姿を一目見ようと、毎年多くの観光客が参加しています。
日本で見ることはできる?
しかし大阪府の「咲くやこの花館」であれば、ラフレシアがはなびらを開いた状態の標本を観ることができます。残念ながら臭いは分かりませんが、花の大きさを実感できるでしょう。
ラフレシアはどんな匂い?強烈に臭い理由
ラフレシアがくさい臭いを放つと、臭いにつられてクロバエ科オビキンバエ属のハエや、その他の虫が飛んできます。するとハエは雄花の葯(花粉袋)から分泌される、ラフレシアの花粉が混ざった粘液を体にまとうことに。そのままラフレシアの雌花の中心にある、雌しべの柱頭に触れます。
ラフレシアはハエの体を介して受粉し、繁殖しているということ。強烈な臭いは、生存ための術というわけです。ラフレシアの独特の色彩や多肉植物のような肉質の花弁は、死肉を思わせるためではないかとも考えられています。
ラフレシアは世界最大の花?
単体の花としては、やはりラフレシアが世界最大といえるでしょう。
開花するのは5日だけ!?幻の花と呼ばれる理由
ラフレシアの花の臭いは強烈ですが、その臭いも咲いている間中ずっと放っているわけではありません。開花直後の、少しの期間のみに限定されます。ラフレシアは探すだけで難しいものですが、開花した強烈な姿を披露しているときを言い当てることはさらに困難です。まさしく「幻の花」と呼ぶにふさわしいでしょう。