子どもが集中できる時間はせいぜい数分。でも、気持ちと頭を切り替えて集中する時間を少しずつ伸ばしていくことはもちろん可能です。その練習に料理はとても役立ちます。ハクシノレシピで子どもたちの食事づくりレッスンを見てわかった料理と集中力の関係を解説。連載3回目です。
子どもは集中力がなくて当たり前
「うちの子、集中力がなくて……」
そうお悩みの保護者の方は結構多いかもしれませんね。
マンツーマンで子どもの食事づくりレッスンをするハクレピのサービスでは、お買い物も含めた一番の人気コースで所要時間が3時間です。サービスを利用されるお客様の事前のヒアリングでは、「子どもの集中力がないので3時間続くか心配」という声を多く見かけます。
子どもにとって3時間はとてもとても長い時間。
心配になる気持ちはよくわかります。
しかし、その心配に対しては「安心してください」の一言をお返しします。
念のためですが、これは「絶対集中してやり遂げられます!」という意味ではありませんよ。むしろ、「3時間も集中できなくて当たり前」だという意味です。
幼児なら年齢+1分が集中力の限界
幼児期であれば、持って年齢+1分と言われています。
たとえば4歳の子だったら、集中力の持続時間は5分ということになります。
5分しか集中力が持たないのに3時間のレッスンをやり通すのは、普通に考えると難しい、いえ無理というものですよね。
気づいたら3時間のレッスンを集中してやり終えていた!
4歳の男の子のレッスンを行ったのですが、例によって事前のアンケートには「集中力がないので心配です」と記載がありました。
確かにはじめのご挨拶の工程では落ち着きがない様子で、慣れるまでに時間がかかりました。しかし、なんとその子はその日、3時間のレッスンをずっと集中して続けてくれたのです。
はじめて使う包丁に緊張しながら丁寧に野菜を切り、火にかけると色の変わる素材を興味深く観察していた男の子。盛り付けの時には、どのお皿が良いか、どうすれば綺麗に見えるのか、自分でいろいろと試していました。
指導をしたエプロン先生が感じたその男の子の集中力、頑張りをお母様にお伝えしたところ、とても驚いていらっしゃいました。そして、レッスンが終了しエプロン先生が帰宅した後も、男の子は何度もレッスン中の出来事について話をしてくれたとのことです。
特にその日はじめて知った包丁の使い方などを、楽しそうに話していたと報告をいただきました。
集中とリラックスを自然と繰り返せることがポイント
よく、「15分集中し、5分の休憩を取ると集中力が持続する」という話を聞きます。メリハリをつけることが効率的な作業に結びついたという経験は、皆さんもお持ちかと思います。
料理は、作業工程がいくつもあります。食材選び、メニュー考案、下ごしらえ、調理、盛り付けなどなど。たとえば切ったり炒めたりする工程ではもちろん注意をしなければならないので集中しますが、火にかけるといい香りがしてきて匂いを嗅いでいるうちに脳がリラックスしてきます。そんなふうに、集中する・気を休めるという緩急を自然とつけられ、結果、最初から最後まで集中して作業を続けることができる―それが料理なのです。
ちなみにですが、レッスンを受ける子どもたち全員が全員、一度で「料理は集中力が続く」を実感できるとは限りません。正直に言うと、初回のレッスン中は、半分の時間はキッチンから出ておもちゃで遊んでいた、というようなこともありました。
しかし多くの子どもたちを見てきて、レッスン3回目くらいから確実に集中できる時間が変わってくると実感しました。自分にできることが増え、達成感を多く味わえることが集中力持続の後押しとなっているのでしょう。
食事づくりを通して達成感と自信を。それが集中力を高める!
最初は上手にできなくても、「やればできる!」を繰り返すことで集中力も思考力も必ず伸びます。勉強面、運動面でも「やればできる」が当たり前となって、自分からチャレンジしていく姿勢を発揮していくと思います。
そして大事なのは、子どものことをたくさん褒めてあげること。これが自信に繋がります。
達成感と自信が、集中力への第一歩。食事づくりは子どもが達成感を味わい自信をつけるチャンスがいっぱいです。ハクレピで子どもたちをたくさん見てきて、本当にそう感じています。
ハクレピからのお知らせ
私たちはこの3つの力を身につけるためには脳活動の活発化が関係していると仮説を立て、これを実証するために、脳科学ソリューションを提供する株式会社NeU(本社:東京都千代田区、代表取締役:長谷川 清 以下NeU社)さまのご協力のもと、”キッチン学”体験時の脳機能の測定を実施しました。その結果、 “キッチン学”は、確かに脳活動を活発化させ、思考力、判断力、表現力を身につけるために有効であるとると実証されました。
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