2019年03月28日 公開

英語ネイティブが「受動態」を使う場面とは?自然な英会話のコツ

「追いかけられる」「呼ばれる」のように、「(主語が)~される」という形で受け身を示す受動態。日本語なら簡単に理解できますが、英語の場合は文法通りに英文を作ると、受動態が不自然さを生んでしまうことがあります。受動態を使った上手な英会話のポイントをまとめました。

「追いかけられる」「呼ばれる」のように、「(主語が)~される」という形で受け身を示す受動態。日本語なら簡単に理解できますが、英語の場合は文法通りに英文を作ると、受動態が不自然さを生んでしまうことがあります。受動態を使った上手な英会話のポイントをまとめました。

英語の受動態とは?

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受動態とは「(主語が)~される」という受け身の表現です。「私はみんなからリーダーと呼ばれている」「子犬が子猫に追いかけられていた」など、日本語の受け身なら動詞の形を変えるだけで伝わります。

英語の場合の受動態は、「主語+be動詞+過去分詞(+by行為をした人・物)」が一般的なルールです。では「She opened the door.(彼女がそのドアを開けた)」という文を、受動態にしてみましょう。

【例文】
The door was opened by her.
(そのドアは彼女によって開けられました)

受動態は不自然?

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日本の学校では、英語の授業の際に文法の練習などで受動態の文章をよく作成します。このため日本人が英作文をする場合、受動態を多用しがちです。もちろん文法的に間違っているわけではないものの、ネイティブからすると受動態を用いた英文は不自然に聞こえることが多くあります。

これは日本人が話し手の立ち位置を考慮すること(受動態)に慣れていて、一方の英語ネイティブはそうではないことが理由です。英語の世界では「行為者・行為・行為の宛先」という能動態の流れが一般的。もちろん受動態を用いないというわけではありません。ただし使う場面は限られています。

受動態が用いられる例

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英語ネイティブが受動態を自然に使用するのは、「行為をした人が明確でない(明らかにしたくない)場合」「主語が長い場合」という限られた場合のみ。具体的な例を見てみましょう。

行為をした人が明確でない場合

英語の受動態においては、「主語+be動詞+過去分詞(+by行為をした人・物)」のカッコ内を省略できます。つまり行為者を明らかにしなくても、英文として成り立つということ。たとえば誰が行為を行ったのかわからない、あるいは誰なのかを明らかにしたく場合、行為者を主語にできません。こうしたときに受動態が用いられます。

【例文】
The bridge was built in 1980.
(その橋は1980年に建設された)

The machine was invented in London.
(そのマシーンはロンドンで開発されました)

主語が長い場合

英語は結論を先に述べる傾向にあります。日本では「アメリカからやってきた留学生である彼女の友人」のような長い主語もよく見られますが、英語ではあまり好まれません。このように主語が長くなる場合は、受動態を用いて示されます。

【例文】
(能動態)Her friend who is international student from America taught me about his family.
(アメリカからやってきた留学生である彼女の友だちが、家族について教えた)

(受動態)I was taught about his family by my friend who is international student from America.
(私はアメリカからやってきた留学生である彼女の友だちに、家族のことを教えてもらった)

その他のテクニック

「世間では~とされている」のように、話題に一般性を持たせたいときにも受動態を使用することがあります。受動態によって主語を不明確にすることで、たくさんの人がその行為をしているように表現するテクニックです。

【例文】
English and French are spoken in Canada.
(カナダでは英語とフランス語が話されています)

受動態に置き換えてみよう

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不自然になっている受け身の文章を自然に言い換えるには、受動態にこだわりすぎないことがポイント。能動態にすると、すっきりとした英文になることがあります。英語の能動態とは、「(主語が)~する」のように行為を行う側を主役とする表現。最初にあげた例を言い換えると、下記のようになります。

【例文】
・不自然な受動態
The door was opened by her.
(そのドアは彼女によって開けられました)

・能動態に修正
She opened the door.
(彼女がそのドアを開けました)

すっきりとした自然な英語になりました。

自然な英語を意識してみよう

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日本の学校の授業は「読む・書く」を重視したものが多く、日本人は英文を作る際に「文法的に正しいかどうか」を気にしがちです。しかし実際にネイティブに伝えるときには、文法的な正しさよりも自然な英語を心がけることが、スムーズなコミュニケーションのポイントと言えます。主語が明確か、長くなりすぎてはいないかを意識して、受動態と能動態をうまく使い分けてみましょう。

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