東大生の受けてきた幼児教育とは、どのようなものだと思いますか?育児書「東大卒ママたちに教わる、『東大脳』を育てる3歳までの習慣」には、身近ですぐに実践できる幼児教育のヒントがたくさん書かれていました。2020年6月10日に発売されたばかりの本書を紹介します。
『東大卒ママたちに教わる、「東大脳」を育てる3歳までの習慣』
著者:東大卒ママの会
出版社:小学館
東大卒ママたちに教わる、「東大脳」を育てる3歳までの習慣
「東大卒」と聞くと、「お受験したり、習い事などで特別な教育を受けた子が多いの?」と思ってしまいますよね。
でも、東大卒ママの会が実施した現役東大生・OBOGアンケートによると、幼稚園や小学校で「お受験」を経験した子は少なく、4歳までに習い事を始めた子は42%という結果でした。
東大生にはごく普通の家庭で育ち、普通の教育を受けている人たちもたくさんいます。とはいえ、「東大(に入れるかもしれない)脳」は、3歳までの育ち方が重要だとか。
本書は、東大卒ママたちが自身の育てられ方を振り返り、東大生へのアンケートを分析、ママ目線で今すぐ取り入れられる実践法を紹介しています。
著者「東大卒ママの会」とは?
「東大卒ママの会」とは、東京大学を卒業した7人のママたちで結成したグループ。全員が30代で、0〜4歳を子育て中のママたちです。
出産後、大学時代の友人たちと情報交換をする中、自分たちが両親から受けてきた育児について、共通点があることに気づいたとか。その共通点をよく調べてみると、子どもの脳によい影響を与えるものだったことが判明したそうです。
この本では、その育児方法について詳しく紹介すると共に、現役・元東大生のアンケートや論文などからもデータを分析し、毎日忙しいパパママでもできる幼児教育を提案しています。
著者の「東大卒ママの会」インスタグラムはこちらからどうぞ!
「東大脳」を育てる3歳までの習慣から3つのポイント
今すぐ実践できる内容が中心
特別な教材・習い事などのを薦める内容ではありません。家庭に当たり前にあるものを使ったり、親からの声かけをちょっと工夫したり……すぐに実践できることばかりでした。
その一部を紹介しますね。
・足し算・引き算はおままごとやミニカー遊びの中で教える
・イヤがることは親が一緒に。寄り添うことが子どもをやる気にさせるカギ
・寝かしつけ前に今日の出来事を振り返って表現力を鍛える
最近のパパママたちは共働きだったり、ワンオペ育児だったり、とにかく忙しいですよね。忙しくてもちょっとした工夫で、幼児教育は可能だとわかります。
東大生のリアルな幼児期の体験談とエビデンスが豊富
本書では、現役・元東大生からのヒアリングによる体験談・育児法が具体的に書かれています。例をいくつか挙げていきますね。
●好きなキャラクターが興味や暗記の入り口に
「ポケモンの名前で動物の英語を覚えた」「セーラームーンで星座の名前を覚えた」
●家庭菜園をきっかけに自然科学への関心が
「プチトマトを育てていたら、そこについたイモムシがサナギになり、チョウになるまでも見届けられました。それでトマトだけでなく虫の進化にも興味をもったことが、理科の勉強の導入に」
●絵本で国語に強くなる
「絵本を読むとき、『が』『を』などの助詞を意識的に読んでもらっていたら、助詞を入れる問題が解けるようになった」
これらは東大生たちのリアルな声ですが、どれも一般家庭で取り入れられそうな工夫やきっかけですよね。
なかには、「散歩や食事の最中に数の数え方を教えてもらったら、1歳で100までの数を数えられるようになった」という、「さすが東大生!」と言いたくなってしまうエピソードもありました(私には5歳になったばかりの子がいますが、ようやく40までの数を言えるようになったところです…!びっくり!)。
また、アンケートから判明した「東大生が受けてきた教育」を紹介するだけでなく、国内外の論文や書籍などを引用して効果の根拠(エビデンス)を示しているのも本書の特徴です。
重要なところがわかりやすく、育児のスキマ時間でも読める
本書を読むのは、育児に追われているパパママが中心でしょう。そのため、読みやすさにこだわって書かれています。
絵や図が満載でレイアウトもすっきりしています。
パッと開くだけで大事なところが目に入るので、忙しいパパママでも育児の合間に読みやすい本だと思いました。
一度本書に目を通してしまえば、目次を見るだけで重要なところの振り返りができるようにもなっていますよ。
忙しいパパママに寄り添う教科書のような存在
私自身も2歳と5歳の母親です。幼児教育に関心はありますが、両親ともに働いていて、なかなか時間が取れないことが気になっていました。
例えば、夫が出張などで帰りが遅くなると、ご飯を作ってお風呂に入って寝かしつけるのが精いっぱいで、知育の取り組みがほとんどできず凹むことがあります。
本書を読んでから、朝の5分、保育園の帰り、お風呂の中、寝かしつける前……こうしたスキマ時間を使って「ながら知育」を積み上げるだけでも良いのだと気づけました。
特に、一番最後の「知育時間は1日合計30分あればいい!」という言葉に勇気づけられます。
育児書の中には、時間に余裕のある人しかできない、ハードな育児法が書かれているものもありますよね。
『「東大脳」を育てる3歳までの習慣』は、共働きや核家族など、時間が無い家庭にも寄り添う幼児教育の本だと感じました。
東大生が受けてきた幼児教育が気になる方は、ぜひ手に取ってみてくださいね!
連載「気づいたら娘が東大生」も参考に
Chiik!には、東京大学に合格した娘さんの育児を振り返る「気づいたら娘が東大生」という連載があります。
こちらも合わせて読んでみると、東大(に入れるかもしれない)脳の共通点がまた見つかるかもしれません……!