家庭で受験用の学習を進める上で最大の指針となるのが「模試」。ただ闇雲に受ければいいというわけではなく、それぞれの模試の特性をよく考える必要があります。ミヤピーが受けてみて受験対策に役立った3つの模試を紹介します。連載「『お受験』はじめました」vol.59です。
わが家が初めて受けた模試
娘のミヤピーが年中の秋のことです。
某大手小学校受験対策塾の模擬試験をあまり深い考えなしに受けました。
小学校進学前にどんな選択肢があるのか知識を広げるために受験したのですが
・ペーパー
・行動観察
・運動
・絵画
といった総合的な力を確認することができました。
待ち時間に塾側からのお話があり、塾のプログラム、教育方針について話を聞きましたが……その時点ですでに満席とのこと!説明を受けても入塾できないのです。
小学校受験の裾野が広がっていることをそこで初めて実感しました。また、情報を早くから取り、行動している家庭がたくさんあることにも衝撃を受けました。
テストによって娘の実力値というのを知ることができたのは収穫でした。
ペーパーは意外と高得点でしたが、行動観察の点が悪すぎました。この時点で、塾に通っているお子さまたちと娘における「立ち居振る舞い」に大きな違いがあることが如実にわかりました……。
とはいえ、できているところとそうでないところがはっきりと分かったことで、もしかしたら受験に挑戦しても問題なさそう?という気持ちも強くなりました。
結局このときの模試のことをずっと考え、最終的に年長の春から受験準備をはじめました。
小学校受験対策模試はなぜ受ける?
そもそもの話ですが……。
小学校受験塾に入っていれば、テストや模試などがカリキュラムに組み入れられています。塾でやっていることがちゃんと習得できているか、確認ができるようになっています。
ただ、ミヤピーのように受験塾に入っていない場合は学習の進捗確認が難しいです。そのため、さまざまな模試を受験して理解度や得意な分野、また逆に苦手な分野もチェックするようにしていました。
さらに、一つの模試にこだわらず、複数の塾の模試を受験して、受験者の集団を変えながら全体の順位を確認するようにしていました。
また模試は、本番の試験の前に雰囲気に慣れるというのも重要なポイントです。
保育園に通っているミヤピーにとってはこのような「お受験ルック」をすることはまったくなく、そもそもスカートを履きなれていないので慣れるのが大変でした。
おすすめの模試ベスト3
3位:ジャック幼児教育研究所主催の志望校別模試
毎年多くの生徒を有名国私立小学校に合格させるジャック幼児教育研究所の模試は、問題が非常に良くできていておすすめです。
特に志望校別の模試は実践的であり、問題もよく練られたものとなっていた印象です。その学校を目指してジャックで鍛えている子どもたちが主に受験している模試なのでレベルが高く、ジャックの志望校別模試で高評価であれば合格の可能性が高いと感じました。
問題点としてはジャックの模試はジャックの会員または準会員でないと受けられないことです。一般で受験できる枠が少ないため、ママミーヤはいつもキャンセル待ちを入れていました。何個も申し込んでようやく2度受けるチャンスを得ることができましたが、受けた後も何度も問題をコピーして復習に取り組んだほどの良問が出ており、感心したことを思い出します。
2位:小学受験統一模試
小学校受験界では受験者数・規模ともに最大級の模試となります。300以上の幼児教室が提携して行う全国最大の模擬試験となるため、母数が大きいのが最大の特徴です。
私の実感としてはジャックの模試に比べると受験者は玉石混交という感じはしましたが、希望すれば誰でも受けられるのと、母数が大きいため全体の位置把握を俯瞰的に確認することができます。
問題の内容はオーソドックスでそれほど凝った問題は出題されない印象です。そして、全体的にバランス良い問題だとは思いました。
メリットとしては、受験会場が私立小学校であることが多いことが挙げられます。模試を受験することで学校内に入ることができますので、私立小学校の雰囲気を感じ取ることができるのではないでしょうか。少し本番に近い雰囲気を味わえるので受験して良かったと思いました。
さらにこの模試では、待ち時間に行われる保護者向けの講座が大変充実しています。塾に通っていないわが家には大変ありがたい内容のものばかりでした。
■成績優秀者用の模擬試験も
先程この統一模試は母数が多い分玉石混交の印象という話をしましたが、9月には統一模試成績上位者のみが受験できる「完全志望校別選抜模試」が行われます。
ミヤピーは成績上位者として認定いただき、ありがたく志望校別の選抜模試を受けさせてもらいました。
1位:こぐま会 合格判定テスト
この模試は個人的に最も受験した価値のあるものでした。何が良いかと言うと、結果をもとにした合格の可能性を図る資料の充実度です。
事前に3校まで志望校を登録でき、その合格の可能性を数値で示してくれますが、それ以外の国私立小学校約80校の合格可能性を確認できる資料を配布してくれます。
他の模擬試験では得られない手厚い情報サポートに驚きました。会員ではなく一般で受験しているわが家のような者にもとても親切にいろいろなことを教えてくれました。
受験校を最終的に絞り込む際は、このときにいただいた資料が客観的な立ち位置把握に役立ちました。
模試を受けるときに考えるポイント
母集団を考える
模試の結果をどう出してくるか?
いくつか模試を受ける中で、ある受験対策塾の模試は途中から受けなくなりました。その理由は模試の結果の表現方法です。
模試の理由は単なる順位の確認ではありません。得意分野・苦手分野の確認から、今後の取組みを検討するためのものです。その塾の結果表は非常に淡白でメッセージを感じ取れなかったので、費用の無駄と考え受けなくなりました。
好みもあると思うのですが、闇雲に受ければよいというわけではないのである程度吟味も必要です。
一喜一憂しない
模試の結果がいくら良くても安心できません。あくまで「模擬」試験です。調子に乗せすぎるのも問題です。逆に悪かったからと言って叱るのも得策ではありません。
その時点での苦手分野が分かったと思えばよいのです。あくまで「模試」です。
2020年はコロナ禍において模試がしばらく取りやめられていましたが、最近は模試も再開しています。
今後の動向はまだわかりませんが、子どもの現状を把握するのに最も役立つ模試を学習のペースメーカーとして利用することは非常に有効なのは間違いありません。うまく取り入れていくことをおすすめします!
次回もお楽しみに。
模試の最大活用術!「『お受験』はじめました!」Vol.33
■執筆者プロフィール
ママミーヤ
フルタイムで働く1児の母。ワーキングママ×保育園児で塾に通うことなく小学校受験をパス。おうち学習テクやお受験対策・動向解説など、お受験の経験をいかしたコラム「『お受験』はじめました!」をChiik!にて連載中。また現在は英語学習にも力を入れており、小1で英検5級・4級に、小2で3級・準2級に、小3で2級に合格。次は準1級を目指し英語学習を継続中。英語学習に関するコラム【小1から英検チャレンジ】も好評連載中。